ボブ・フォッシー作のミュージカル「シカゴ」(初演:1975年)を、ブロードウェイの振付師・演出家のロブ・マーシャルが監督して映画化。
殺人罪で刑務所に収監された二人の女優が、守銭奴弁護士と結託し、スキャンダルでマスコミを煽って世間の同情を集め、無罪放免を勝ち取ってステージに復帰、人気を得て歌い踊る。不道徳極まりないミュージカル喜劇。
スター(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)と駆け出し(レニー・ゼルウィガー)の、二人のキャラクター造形が強烈だ。ショー・ビジネス界でしたたかに生きていく女優魂をみごとに体現している。歌、ダンスともに素晴らしい。
冒頭のゼタ=ジョーンズ「オール・ザット・ジャズ」がカッコいい。ゼルウィガーは記者会見のマリオネットのマイムが、彼女の容貌とマッチして可愛かった。
脇で良いのは、刑務所の看守(クイーン・ラティファ)「ホエン・ユア・グッド。トゥ・ママ」と冴えない亭主(ジョン・C・ライリー)「ミスター・セロファン」。
弁護士(リチャード・ギア)「ラズール・ダズール」も悪くはないけど、もう少し頑張ってほしかったな。タップダンスを足元撮らないでバストで追うのは、ミュージカル映画として如何なものかと思う。
ストーリーがめちゃくちゃ面白いし、明るく楽しい。歌もダンスも(元のステージが、再演につぐ再演でロングランを続けているだけあって)磨きがかかっている。
映画初監督のロブ・マーシャルだが、無駄な場面がなく、展開にスピードがあって良かった。MTV以降のミュージカルなので編集に凝ってる、というか編集で誤魔化してるようなところが映画を安っぽくしてる。舞台演出出身なのにね。
だからこそ舞台でやれない映像ならではの編集に凝ったのかな?
映画の成功は、ボブ・フォッシーによるところが大きいように思う。
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