1949年製作のMGMテクニカラー版。
ジャネット・リー、ジューン・アリソン、エリザベス・テイラー、マーガレット・オブライエンの四姉妹。母親はメアリー・アスター。隣家のローレンスにピーター・ローフォード、ニューヨークで出会う教授にロッサノ・ブラッツィ。
1860年代に書かれた通俗小説が原作なので、物語が古めかしいのは仕方なしとして、それでもやっぱりなあ。末の妹が不治の病で死んでしまうお涙頂戴があざといし、出てくる男がすべて優しく善人で、いかにも女性が書いた理想の男性像ってのが、メルヘンだよなあ。作者はフェミニズムの元祖でもあるし、日本でも愛読者は多い。噛みつかれるの怖いから原作を貶すのはやめておこう。
色彩は綺麗。エリザベス・テイラーとジャネット・リーも綺麗。貧乏という役柄ではあるがスターの輝き。メルヘンにリアルは求めない。
ブッと吹き出してしまったのは、ジョーが小説を書き終わる終盤にある場面。なぜ屋外で、枯葉散る庭先で執筆してたの?
マーヴィン・ルロイは手堅いといえば手堅い、平凡といえば平凡。ギャング、コメディ、ミュージカル、なんでもござれ。百戦錬磨の職人監督なので、映画が成功するか否かは脚本と出演者次第。現役だとロン・ハワードがそんな感じか。
今回、MGMオールスターズで顔ぶれは豪華だったけど、脚本にメリハリなく、見せ場を作ってもらえなかったのが、もったいなかったね。
あと、キャスティングなんだけど、原作知らない人が観たら、ジョー(撮影当時30過ぎていたジューン・アリソン)が四姉妹の長女だと思っちゃうんじゃない?
点