クリムゾン・タイド|映画スクラップブック


2020/06/20

クリムゾン・タイド

クリムゾン・タイド
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CRIMSON TIDE
1995年(日本公開:1995年10月)
トニー・スコット デンゼル・ワシントン ジーン・ハックマン ジョージ・ズンザ ヴィゴ・モーテンセン ジェームズ・ガンドルフィーニ マット・クレイヴン リロ・ブランカトー・Jr ライアン・フィリップ ジェイソン・ロバーズ

ブロックバスター級のヒットを連発しているドン・シンプソン&ジェリー・ブラッカイマーによる潜水艦スリラーの快作。
ロシアで軍事クーデターが勃発。シベリアのミサイル基地が反乱軍に占拠され、アメリカと日本が核攻撃の危機にさらされる。米海軍は攻撃型原子力潜水艦アラバマに出撃命令を出す。歴戦叩き上げの艦長(ジーン・ハックマン)とハーバード大卒のエリート副官(デンゼル・ワシントン)が先制攻撃の発動を巡って対立、潜水艦の指揮権が二転三転した結果、核戦争の危機は回避される。

あくまでも命令に固執する艦長と、慎重に事を運ぼうとする副官の、緊迫したやりとりが見どころだが、ジーン・ハックマンとデンゼル・ワシントンのキャスティングで勝負が決まった感じが強い。
オバマ大統領就任の際にも感じたが、黒人=リベラル=平和主義に反論を唱える者は、悪人にされてしまう風潮が世間に蔓延っていて、娯楽映画もそうした認識を前提に製作されているのだろう。商業主義・消費者優先で世論を誘導するテレビや新聞などに影響されて事の善悪を判断するのは如何なものかと、不安ではあるけど。
ハリウッド映画はむかしからそうだった。
ウィリアム・ワイラーの「大いなる西部」だって、東部(都会)からやってきたリベラル派が、西部(田舎)の保守派を、考え方が古臭い、あんたたちは駄目だ、とやり込める話だった。
映画は(特別出演の)ジェイソン・ロバーズがラストを締めて、老兵は去り、新しい指導者が誕生するハッピーエンドになっている。朝鮮戦争やベトナム戦争をやってた時代に製作されていたなら、「博士の異常な愛情」や「未知への飛行」みたいなペシミスティックな結末だったかも知れないが、そんな映画はいまの大衆には好まれない。

映画はすこぶる面白く作られている。
マルチカメラで撮影したフィルムを細かくカットし、音楽や効果音にあわせてリズミカルに編集。80年代以降に現れたCM出身監督らしい仕上がり。
もっともトニー・スコットに限らず、「フラッシュダンス」や「ビバリーヒルズ・コップ」なども同じような作り方をしていたし、このようなスタイルはドン・シンプソン&ジェリー・ブラッカイマーの方針なのだろう。
トニー・スコットやマイケル・ベイのアクション映画は、前世代のウィリアム・フリードキンやジョン・フランケンハイマーの映画と比べて、ずいぶん軽くなった。もの足りなさもあるが、それが時代の風潮であることも認めたい。現実に彼らの映画は世界中で大ヒットを記録している。

脚本には、「パルプ・フィクション」で時の人だったクエンティン・タランティーノも参加(途中降板してノン・クレジット)。潜水艦映画クイズや「スター・トレック」の(くだらない)くだりが彼の仕業だったろうと推測できるが、余計な雑音でしかなかった。

70

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