スピルバーグ初の3Dアニメ。事件記者の少年タンタンが愛犬スノーウィを相棒に、沈没した軍艦ユニコーン号の財宝を求めて、陸海空をめぐる大冒険。
かつてラルフ・バグシが、実写フィルムからセル画を起こすロトスコーピングなる技術で製作した「指輪物語」(1978年)から幾年月。最新の3Dパフォーマンス・キャプチャーは、アニメのキャラクターにほぼ実写と同様の動きや表情を造りあげた。
ここまでくると映画の原点、リュミエール兄弟の「列車の到着」とジョルジュ・メリエスの「婦人の雲隠れ」のどちらがより映画的か? どちらが映画の本流か? という命題を再考したくなる。
海外漫画に疎いので、タンタンというキャラクターについて、ほとんど知らなかった。はじめて名前を目にしたのは、ティム・バートンが登場した80年代なかば。バートンのデビュー作「ピーウィーの大冒険」(1985年・日本未公開)のドタバタ・ネタに、ベルギーの漫画「タンタンの冒険」シリーズからの借用が多いと指摘した人がいたからだった。そこで、キャラの名前だけは記憶していた。
一時はロマン・ポランスキーが監督する企画もあったように思う。
「インディ・ジョーンズ」シリーズのジュヴナイル・アニメ版と言っていい内容。ワンカットで移動撮影(撮影と呼んでいいのか?)されたクライマックスの争奪戦は圧巻。ジョン・ウィリアムズの音楽も、レイダースの聖櫃争奪シーンと同じようなノリで、ゴリゴリ押してくる。
子どもの頃に観ていたら、イッパツで虜になっていたと思う。
点