射撃大会の優勝賞品となった名器ウィンチェスター1873を狂言回しに、多彩な人物が織りなす連続活劇。
酒場女(シェリー・ウィンタース)、その愛人で臆病者の小悪党(チャールズ・ドレイク)、ライフルを奪って逃げる因縁の仇(スティーブン・マクナリー)、ちょいイカレ気味のもう一人の悪党(ダン・デュリエ)、酒場の主人(ジョン・アレキサンダー)、武器商人(ジョン・マッキンタイア)、主人公(ジェームズ・スチュワート)の相棒にミラード・ミッチェル(渋いぜ)。騎兵隊の老軍曹(ジェイ・C・フリッペン)、若き武闘派酋長に(なんとデビュー直後の)ロック・ハドソン。トニー・カーチスも騎兵隊員役(彼が戦場でウィンチェスター銃を見つける)でチョイと出ている。出演者はみんな好演、キャラが立っている。主役のジミーが、かえって目立っていないようにも見える。
映画の最初の舞台が独立記念祭のダッジ・シティで、射撃大会の審判を街の保安官ワイアット・アープ(ウィル・ギア)が務める、という序盤からニコニコしてしまう。
リングに切手を貼って中を撃ち抜く、というのは「座頭市」みたいでいささか漫画チックではあるけど、ストーリー展開はテンポよく、これぞ西部劇といった見せ場の連続で、まったく退屈させない。脚本の出来がすごく良い。
酒場女と老軍曹のキスのやりとりとか、いかにもハリウッド流儀のお洒落なセリフでお気に入り。家族写真とか、随所に小技も効いている。
マイ・フェバリット西部劇の1本。
点