NASAの宇宙開発計画に参加していた3人の黒人女性数学者を描いた実録ドラマ。
「ライトスタッフ」のスピンアウト的なストーリーだが、狙いは黒人差別のテーマにある。これを攻撃的にならないよう、ユーモアとウィットを交えて、明るくソフトなタッチで描いたところが、この映画を成功させた要因といえる。
出演者は3人の黒人女性以下、みなさん好演。
汚れ役のキルステン・ダンストが良い。ケヴィン・コスナーもかつての嫌らしさが抜けてすっきり良い。映画が終わるまで、彼があのナルチ臭をプンプンさせていたコスナーだとは気づかなかった。
女性トイレのエピソードと、「偏見はないのよ、わかって」「わかってるわ、あんたがそう思い込んでいるのは」のセリフが素晴らしく、強く印象に残った。
差別問題の本質を、さりげなく、強烈に突いている。
「ライトスタッフ」でも、悪意なくホセ・ヒメネスの真似をするスコット・グレンを、プエルトリコ系の看護師がやりこめるエピソードが入っていたが、このようなアプローチは、70年代以前の映画では見られなかった。
どんな境遇にあっても、夢を諦めない勇気と行動が、人生を明るく照らしてくれる。
そんなアメリカ的な、あまりにもアメリカ的な爽快感動作。
点