スタンリー・キューブリックが「陳腐なものになってしまう」ことを嫌って避けた「解説」を、あえて施した「2001年宇宙の旅」のストーリー補完編。
オリジナルで物議を醸した様々な謎を解き明かすために製作されたかのような、そんな内容。前作を見ていない人には何が面白いのかわからんだろうし、オリジナルにぞっこん惚れ込んでいる人には無用な駄作にしか思えない。半端な映画。
監督のピーター・ハイアムズは製作も兼任してるわけで、お仕着せのやっつけ仕事ということではなかったと思うが、どうにも脚本が平凡で、あの「カプリコン・1」の監督が自ら進んで作りたがった題材とは思えない。
グルグル回転しているディスカバリー号とか、HALの最期のセリフ「わたしにも夢は見られるでしょうか」とか、良い場面もあるにはあるのだけど、オリジナル見ていたからこその感動だろうし。
第2の太陽系の誕生が、米ソ協調による世界平和に至るって結末は、安易というか能天気というか。近未来(2010年)が舞台にしてはあまりにも現実レベル(1984年製作)の状況設定にちっともセンス・オブ・ワンダーが感じられない。
なにしろ宇宙にいくまでの経緯説明が退屈。
ロイ・シャイダーのランニングとかいらんだろ。
オリジナル再現に尽力した特撮スタッフには敬意を表します。
点