アンディ・ウィアーのSF小説「火星の人」を映画化。
火星探査の作業中に猛烈な砂嵐に見舞われ、不慮の事故で行方不明になる植物学者(マット・デイモン)。生存は絶望視され、捜索を断念したクルーは苦渋の決断のすえ火星を離れてしまう。
奇跡的に生き残っていた植物学者は、砂漠から住居施設に生還できたものの、食料は僅かしか残っていない。通信手段もなく孤立無援のなか、次のミッション・クルーが訪れる4年後に希望をつないで、自活のための水と空気とジャガイモを作り始める。
マット・デイモンは「インターステラー」でも惑星に取り残された宇宙飛行士を演じてたけど性格は真逆。過酷なサバイバル生活を強いられ絶体絶命の状況下でも、「火星の人」はとことん元気で前向き。アタマ良い奴ほど性格は明るい。
映画と関係ない話だけど、深刻で暗い表情してる奴って、アタマ悪いのを良さそうに見せようとポーズしてるだけだから。マジで。
クルーの船長が残していたカセットテープから流れるのは、ドナ・サマーとかABBAとか70年代に流行してたディスコ・ミュージック。エンドクレジットはグロリア・ゲイナーの「恋のサバイバル」。サイコーじゃん!
宇宙とか科学とか難しいの嫌い、SFなんて面倒くさい分かんないって敬遠してるバカでも大丈夫。快適なダンス音楽でノリノリに楽しめる映画。
笑って笑ってハラハラドキドキして、あっという間の2時間20分。めちゃくちゃテンポが良い。体感では90分くらい。
脚本の構成がうまいのだけど、やっぱり音楽と編集だな。気分良く乗せられた。
こんなにポジティブでユーモアが多い、明るいリドリー・スコットは初めて。
登場人物みなさん善良で、誰も死なない、予定調和のハッピー・エンディング。
ロン・ハワードの映画と間違っちまいそうだ。
点