シャーロック・ホームズ|映画スクラップブック


2021/03/09

シャーロック・ホームズ

シャーロック・ホームズ|soe006 映画スクラップブック
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SHERLOCK HOLMES
2009年(日本公開:2010年03月)
ガイ・リッチー ロバート・ダウニー・Jr ジュード・ロウ レイチェル・マクアダムス マーク・ストロング ケリー・ライリー エディ・マーサン ジェームズ・フォックス ハンス・マシソン ウィリアム・ホープ

「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」のガイ・リッチーによるホームズ・パスティーシュ。黒魔術による陰謀をホームズ&ワトソンが推理と格闘で解決する。

シャーロック・ホームズ

公開時は擦れっ枯らしのシャーロキアンに歓迎され、半可通のファンに嫌われた。
とてつもなく21世紀型のシャーロック・ホームズだが、原作のホームズ像をないがしろにしているわけではない。

頭脳明晰で化学実験が大好きで、ヴァイオリンを弾き、女性を嫌い、フェンシング・格闘技・武術・射撃に長けていて、変装が得意、ペシミスティックで、薬物中毒で、宗教迷信を嫌い、発言は辛辣で常識的な配慮に欠け、行動は素早く、ハドソン夫人が営むベイカー街221Bのアパートに友人の医者と共同で住んでいる。
そんな奴は古今東西ホームズ以外に存在しない。

そもそも鹿撃ち帽とインパネス(外套)のスタイルは挿絵に描かれていただけで、コナン・ドイルの文章にそのような服装の記述がないことは、むかしから知られている。

素人は外見で判断しないように。

シャーロック・ホームズ

観光名所になっているテムズ川の跳開式タワーブリッジが建造中で、映画の序盤に遠景で紹介される。ここをクライマックスの活劇にもってきたところはヒッチコック。造船所で船が水没するのはバスター・キートンの「船出」。不死身の大男は「私を愛したスパイ」のジョーズ(リチャード・キール)。19世紀末の倫敦風景を(CGを多用して)うまく丁寧に取り込み、ぐっと評価があがった。

シャーロック・ホームズ

ストーリーはホームズの行動を軸に描かれているので、「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」ほどプロットは入り組んでいない。偶然の積み重ねで諧謔群像劇を得意としてきたリッチーだけに、ファンとしては物足りなさもある。

陰謀の内容もダン・ブラウン(「天使と悪魔」)の二番煎じみたいで、流行に媚びている感じがした。

短いカットを目まぐるしく編集し、アクション場面を軽く演出するのが今風なのだろうが、おれは好きじゃない。相手の身体的特徴と動きを事前に推理して、効率よく先手攻撃するホームズは新鮮だった。

登場人物の扱いは、「シャーロック・ホームズ」というよりアニメの「ルパン三世」に近い。ホームズ(ロバート・ダウニー・Jr)がルパンで、ワトソン(ジュード・ロウ)が次元大介、敵か味方か単純に区別できない謎の美女「ボヘミアの醜聞」のアイリーン・アドラー(レイチェル・マクアダムス)は峰不二子。ちょっとした小芝居でホームズをサポートするレストレード警部(エディ・マーサン)は銭形警部。

シャーロック・ホームズ

宿敵モリアーティ教授の正体を隠したまま続編のつなぎにしているのが姑息。
その続編で峰不二子、もといアイリーンはあっさり殺されてしまった。

途中からロバート・ダウニーの表情が阿部寛に似ていることに気づき、気が削がれていけなかった。

70

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