東宝創立30周年記念超大作。
総天然色(イーストマンカラー)シネマスコープ(東宝スコープ)。
1933年の「キング・コング」をみて特技監督を志したという円谷英二にとっては、夢のような仕事だったのではなかろうか。
戦時を思い起こさせる暗い作風の「ゴジラ」(1954年)から8年を経て、もはや戦後ではない昭和37年、高度経済成長期の日本を象徴する明るく陽気なストーリー。
テレビの聴取率アップのためスポンサー(パシフィック製薬)の宣伝部長(有島一郎)は、南海のファロ島に棲む巨大なる魔神を日本に輸送するようテレビ局に要請。
制作スタッフの高島忠夫と藤木悠が猟銃を携え(たった二人で)、おもしろ通訳の大村千吉をガイドにファロ島に赴き、コングの捕獲に成功する。
折しも北極海で氷漬けになっていたゴジラが覚醒し松島湾に上陸、首都目指して南下。
かくして日米怪獣対決の幕は切って落とされた。ガオー、ガオー!
脚本は関沢新一。以後、これが東宝怪獣プロレス・シリーズの雛形となった。
ヒロイン(浜美枝)は、電車に乗るたび怪獣に襲われる。
まったくもってバカバカしいストーリー。間抜けな登場人物とその演技。
音楽(伊福部昭)だけは永遠不滅。
点