エルトン・ジョン自ら製作総指揮を務めた伝記ドラマ。不幸な家庭環境で育ち、音楽の才能を認められ、やがて作詞家のバーニー・トーピンとコンビを組んでヒット曲を連発、ロックスターへの道を駆け上る。監督は「ボヘミアン・ラプソディ」で製作総指揮を務めたデクスター・フレッチャー。
鳥みたいな奇抜な衣装のエルトンが、グループセラピーに参加し、アルコール依存症で薬物依存症で買い物依存症を告白しつつ、半生を回想する。本当の自分を知られるのが嫌で派手な外見を装って(自分を)誤魔化す心理(変身願望)が、うまくヴィジュアル化されているように思った。
ファーザー・コンプレックス、クスリ依存、同性愛は「ボヘミアン」と同様だが、「ボヘミアン」より汚らしい感じが薄れているのは、本人が製作に関わっているからでしょう。自画自賛(自己弁護?)っぽくもある。
エルトン・ジョンとポール・ウィリアムスの違いも分からんくらい、このタイプの音楽にまったく疎いんだけど、「ボヘミアン・ラプソディ」よりちょっとだけ好感が持てたのは、エルトンのヒット曲をミュージカル仕立てでストーリーに組み込んでいたから。
エルトンの音楽はメロディがなかなか心地よい。主演のタロン・エガートンが吹き替えなしで歌っているのも良い。ポール・ウィリアムスもメロディ・メイカーだし、この短躯でメガネな二人はよく混同してしまう。「トミー」でピンボールの魔術師を歌っていたのがエルトン・ジョン、「ファントム・オブ・パラダイス」がポール・ウィリアムス。ポール・ウィリアムスは「ダウンタウン物語」もチャーミングな映画だけど、エルトン・ジョンで最も有名なのは(日本では)「ライオン・キング」だね?
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