LOGAN/ローガン|映画スクラップブック


2021/06/16

LOGAN/ローガン

LOGAN/ローガン|soe006 映画スクラップブック
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LOGAN
2017年(日本公開:2017年06月)
ジェームズ・マンゴールド ヒュー・ジャックマン パトリック・スチュワート リチャード・E・グラント ボイド・ホルブルック スティーヴン・マーチャント ダフネ・キーン エリザベス・ロドリゲス エリック・ラ・サール エリゼ・ニール クインシー・ファウス デイヴ・デイヴィス レニー・ロフティン ジェームズ・ハンディ レイ・ガジェゴス

「X-MEN」シリーズの真の最終章となる、ウルヴァリンの最期(プロフェッサーの最期)が描かれている、2017年公開作品。今回「X-MEN」をあらためて最初っから見直したのは、この1作を見るためだったと言っても過言ではない。
シリーズ最終章にして最高作。

ローガン(ウルヴァリン)はタイトルどおり、老眼鏡をかけている。

LOGAN/ローガン

映画は序盤でプロフェッサーが抱いていた理想の敗北を、遠慮なく冷徹に提示する。アルツハイマーを患ったプロフェッサーを知ってしまった今、やっぱり人類とミュータントとの共存は絶対ムリ。見つけ次第隔離して撲滅しろと唱えていた人間(悪役)たちの考えは大正解。あの強烈パワーの超能力を自制できなくなったら、これは驚異そのもの。巨大なタンクに閉じ込め、薬物で抑えておいても安心できない。怖い怖い。

「X-MEN」シリーズの成功は、ワイヤースタントとCGアクションもさることながら、キャラクター(俳優の演技)の魅力も大きい。特に本作は役者の存在が突出している。17年間同じ役を演り続けていた、ウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)とプロフェッサー(パトリック・スチュワート)の老い衰えた姿が素晴らしいのは当然として、ウルヴァリンの後継となる少女を演じたダフネ・キーンが、とても良い。誰かが「炎の少女チャーリー」(ドリュー・バリモア)と「キック・アス」(クロエ・グレース・モレッツ)を足した感じと言っていたが、ちょっと違う。いや全然違う。
「レオン」のナタリー・ポートマン? それも違う。

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敵役を演じた高性能義手のボイド・ホルブルックも、なかなかいい。仕事とか正義とか関係なく、戦うこと、それだけが好きなプロフェッショナルを格好良く気持ちよく演じている。アクション映画に欠かせないのは、こんな魅力的な敵役だ。これから(似たような役柄の)アクション映画の出演依頼が多くなるんじゃなかろうか。
もうひとりの敵役(ミュータント実験やってる博士)は、クリストファー・ウォーケンにちょいと似た感じのリチャード・E・グラント。「ザ・プレイヤー」「プレタポルテ」「ゴスフォード・パーク」とアルトマン映画の常連俳優だが、まったく記憶に残ってない(3本ともにメチャ登場人物が多い映画だものね)。

いろいろ痛々しい映画。超能力が衰えて弱っちくなってるウルヴァリン、ボケボケヨボヨボのプロフェッサー。(ミュータントとはいえ)子どもが大人に暴力を受ける場面は(映画は作り物と判っていても)見ていてほんと痛ましい。

ローガンたちの逃避行でカジノのホテルに泊まったとき、いきなりジャック・パランスが登場。部屋のテレビに映っていたのは「シェーン」。ストーリー原案も監督のジェームズ・マンゴールドが書いているから、ウルヴァリンの最期にシェーンをダブらせるアイデアはマンゴールドの発案なんだろう。どっちかと言うと陰鬱なムードから「シェーン」を下敷きにしたイーストウッドの西部劇(「ペイルライダー」や「許されざる者」)に近い。子どもとアウトサイダーの逃避行を描いたロードムービーという展開からは、イーストウッドの「パーフェクト・ワールド」も連想される。
さらに、過剰な暴力描写やメキシコ国境が舞台といったところから、おれの目には、西部劇の終焉に執着していたサム・ペキンパーを、21世紀のスタイルで仕立て直した映画に見えた。

中盤、知り合う牧場一家との交流は、「シェーン」に引っ張られすぎて無理やり挿入してしまった感じ。

墓標の十字架を斜めに直して「X」にするラストは、涙出そうになっちゃったよ。

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若い人造ウルヴァリンX-24(ヒュー・ジャックマン二役)との戦いは、シリーズ初期3部作のヒュー・ジャックマンを想起し、17年の歳月を否が応にも感じさせる。(シリーズ1作目から17年間シリーズを追ってきた人限定かもだが)理性ではなく感情で見る映画だ。アメコミ原作の娯楽アクションに似合わないヒューマニズムに、心が刺激される味わい深い逸品。

70

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