燃える牛のスタンピードから、円盤がわんさか地球に襲来してくるオープニングが素晴らしい。ダニー・エルフマンの音楽も絶好調。オールスター・キャストの超大作。B級であることを意識し過ぎて滑っているところも多いが、それもご愛嬌。A級を狙うと「猿の惑星」のように失敗してしまう。どこか抜けた可笑しみがあってこそのティム・バートン。
ジャック・ニコルソンの二役(特にラスベガスの手配師)にどんな意味があるのか分からないけど、最後まで涙ながらに友好和平を訴える大統領(ニコルソン)が哀れ。スター俳優の無駄使い。
ジョー・ドン・ベイカー、ジム・ブラウン、ポール・ウィンフィールドなど、2本立て3本立ての二番館でおなじみだった役者が多くキャスティングされているのが嬉しい。
パム・グリアは「ジャッキー・ブラウン」前年の出演。やたら好戦的なロッド・スタイガー将軍。(簡単に殺されちゃうけど)マイケル・J・フォックス健在。右往左往するだけで何のために出ているのか分からないダニー・デヴィート。ラストで歌うためだけに出ているトム・ジョーンズ。
オールドムービー・ファンとして特筆しておきたいのが、笑顔がチャーミングなおばあちゃん。「暗黒街の弾痕」のシルヴィア・シドニー。本作が遺作となった。
円盤や火星人は最新CGで作ってるのに、動きはレイ・ハリーハウゼンのアニメーション調。ワシントン記念塔を左右に傾けて見学者たちをいたぶるのは「空飛ぶ円盤地球を襲撃す」。火星人の弱点が特定の周波数を含む音波なのは「怪獣大戦争」。登場するゴジラは「ゴジラVSビオランテ」のゴジラ。ひとつひとつ書いてたらキリがない。
いろんな映画記憶が詰め込まれたガラクタ箱。
大金使い放題で思いっきり安っぽい映画を作ったティム・バートンに栄光あれ!
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