4つの結婚式と1つの葬式で構成された、その着眼点に優れたロマンチック・コメディ。
主演はヒュー・グラントとアンディ・マクダウェルだけど、ヒューを取り巻く家族・友人・元彼女たちと、多彩な登場人物が入り乱れての賑やかな仕掛けは、後年「ラブ・アクチュアリー」を監督したリチャード・カーティスの脚本らしい。
ひとつひとつのエピソードは呆れるほどありきたりなものだけど、ポップスBGMを多用したお洒落な場面作りで飽きさせない。セリフも面白いものが散りばめられている。
強引というか、安易な流れも多々見受けられるものの、この脚本家が作る人物は繊細かつ素直なので好感がもてる。
男のマリッジ・ブルーを描いているのが当時は珍しかった。男視点でみると主人公はどうしようもなく駄目な奴なのだけど、ヒュー・グラントが演じると、まぁ許せるというか、こいつならしようがない、みたいな。憎めないダメ男を演じたら天下一品。
最初っから「FUCK」が(故意に)連発されるのは嫌だったが、教会で(周囲に意味を悟られないよう日本語で)「バカ」を連発するギャグには笑ってしまった。
葬式のエピソードからラストに至る流れがグダグダ。結婚式と葬式でしか会っていない、つまり4、5回しか会っていない相手、アンディ・マクダウェルのキャラがきちんと描けてないので、ラストで二人がキスする場面にカタルシスがない。というか無理やりな予定調和でダサい。
司祭(Mrビーン=ローワン・アトキンソン)の言い間違えギャグも泥臭くしつこい。
点