ケイリー・グラント&キャサリン・ヘプバーン主演のロマンチック・コメディ。
フィリップ・バリーの舞台劇を、ドナルド・オグデン・スチュワート&シドニー・バックマンによる脚色で映画化。監督はジョージ・キューカー。
スキー場で知り合い結婚の約束をした女性(ドリス・ノーラン)の住所を訪ねてみれば、バカでかいうえに豪奢な室内装飾が施された5階建て(地下1階)エレベーター付きの豪邸。姉のヘプバーン、酔いどれ弟のリュー・エアーズ、堅物事業家の父親ヘンリー・コルカーが紹介されるあたりまでは快調だったが、そのあとがグダグダ。
大恐慌時代の娯楽作品ゆえ、貧しくとも幸せな人生が大事なのよと庶民の生活を持ち上げ、金持ち資本家を頭ごなしに批判するのは尤もなれど、直截すぎて芸がない。
「フィラデルフィア物語」もそうだったけど、ジョージ・キューカーの演出は、このタイプの恋愛喜劇としては軽みと洒落っ気が足りない。
邦題の付け方が下手。「Holiday」はクリスマス・シーズンの、つまり「年末年始の休暇」。「素晴らしき休日」だと日曜日みたいで、黒澤明の「素晴らしき日曜日」と混同しちゃいそう。
ワイルダーの「麗しのサブリナ」は本作の男女裏返しヴァリエーション。
点