組織ぐるみで腐敗しているニューヨークの警察。
賄賂を拒否したことで孤立無援となった刑事(アル・パチーノ)が、同僚や上司に疎まれ、恋人にも愛想をつかされ、命の危険に晒されながら不正の実体を告発する。
実話小説をシドニー・ルメットがドキュメンタリー・タッチで映画化。
全編出ずっぱりのアル・パチーノ、アクターズ・スタジオ仕込みのメソッド演技で熱演。
正義の主張が文字通り正しかった時代の映画。
いまは「正義」をやたら口にする奴は、かえって胡散臭い目で見られる時代。
製作は、映画不況のイタリアを飛び出してハリウッド入りしたディノ・デ・ラウレンティス。フェリーニ、デ・シーカ等の不朽の名作、バカバカしいまでに製作費を突っ込んだ超大作、三本立ての添え物にもならない駄作まで。映画愛に満ち満ちた名プロデューサー。
ミキス・テオドラキスの音楽が懐かしい。
映画館通い始めたばかりの、あのころの空気の匂いまで記憶に蘇る。
犬、ネズミ、オウム、ペット好きな主人公。
点