大富豪ジェームズ・スチュワート所蔵の美術品と往年のスター俳優をどっさり積んだ自家用ジャンボ機がハイジャックされる。犯人たちの操縦ミスによりジェット機はバミューダ海域に墜落。合衆国海軍による乗客救出作戦が展開される。ハラハラドキドキの海洋サスペンス映画。
「大空港」ではヘレン・ヘイズ、「エアポート'75」ではグロリア・スワンソンと、往年のスターを出演させるのがシリーズの呼び物のひとつとなっているが、今回はジェームズ・スチュワート、オリヴィア・デ・ハヴィランド、ジョセフ・コットンと大盤振る舞い。英国のクリストファー・リーまで出ている。
大富豪役のジェームズ・スチュワートは撮影当時69歳。アクション場面は無理とみえてジャンボ機には搭乗せず、ジョセフ・コットン(当時71歳)もハヴィランドの涙を拭うくらいしか動いていない。
ちなみに 1916年東京生まれのオリヴィア・デ・ハヴィランドは 2020年7月に 104歳で亡くなられています。「ロビンフッドの冒険」のマリアン姫、可愛かったなあ。
クリストファー・リーは「ポセイドン・アドベンチャー」のシェリー・ウィンタースに負けじと献身的な活躍。機長ジャック・レモンもずぶ濡れの大奮闘。レモンの恋人役がブレンダ・バッカロなので前作「エアポート'75」のカレン・ブラックより好感度アップ。
前作との比較でいえば、個々の乗客たちにドラマが用意されているのが良かった。脚本家は「タワーリング・インフェルノ」を見て学習したのだろうか。
クリストファー・リーの妻を演じたリー・グラントが、ちょっとしたアクセントになっている。シリーズ通して出演しているジョージ・ケネディは、出番も少なく、ただ顔を見せただけ。
アメリカ海軍全面協力のもと撮影された大掛かりなジャンボ機浮上作戦が最大の見せ場。こんなとき頼りになるのは、充実した装備と訓練された軍隊です。
タイトルは「エアポート」なのに、海洋サスペンスなところがグッドなアイデアでした。
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