殺人罪で収監されていた青年ファーリー・グレンジャーは仲間とともに脱獄、銀行を襲って大金を得る。隠れ家で知り合った娘キャシー・オドネルと恋に落ちた青年は、彼女を連れて仲間たちと別れる。長距離バスで逃げる途中にあった簡易結婚所で二人は結婚、娘は妊娠する。モーテルを転々としながら、二人はメキシコに逃げる夢を語る。
主役の若い二人が初々しく瑞々しい。バスで泣き止まない隣席の赤ん坊を抱っこする場面とか、ちょっとした芝居が新鮮で印象に残る。
エリア・カザンの助監督だったニコラス・レイの監督デビュー作。RKO製作。
ストーリー構成にメリハリがあり、車が走行するシーンの空撮も躍動感があって良い。
銀行の下見のついでに買った腕時計を娘にプレゼントする青年。同じ腕時計をクリスマスのプレゼントに買ってくる娘。腕時計はふたりが同じ時を生きている証となる。
「いま何時?」と訊く。繰り返しのセリフがいい。
「目を開けるとあなたがいるわ。猫になった気分よ」
「父親になれば男は強くなる」
犯罪を題材とした恋愛映画。
点