田舎町のガソリンスタンドで強盗を働いたリコ(エドワード・G・ロビンソン)とジョー(ダグラス・フェアバンクス・Jr)は、ケチな仕事に見切りをつけ一旗あげるべく東部の大都会へと向かう。
暗黒街に身を投じたリコは、持ち前の無鉄砲でグイグイのし上がり、大胆不敵にボス(スタンリー・フィールズ)を蹴落とし、ライバルを追放して豪邸を手に入れる。
臆病風に吹かれた仲間を冷酷に始末する非情さもあるが、新聞記者をパーティに呼んで写真を撮らせて、記事が載った新聞を大量に買い込んだり、見掛け倒しの貫禄を身に着けていくあたり、悪役ながら子供っぽくて憎めない。
一方クラブのダンサーに採用されたジョーはパートナーのオルガ(グレンダ・ファレル)と婚約。カタギの生活を望むジョーはリコとの付き合いを断ちたいのだが、知りすぎている旧友が組織から離れることをリコは許さない。
オルガは警察本部長殺しの犯人がリコであることを警察に通報。ギリギリの選択で友人を殺せなかったリコは、逃亡の果てに簡易宿で飲んだくれになるまで落ちぶれた挙げ句、フラハティ警部補(トーマス・ジャクソン)の挑発にまんまと引っかかり、居所を突き止められ機関銃で命を落とす。
成り上がりギャングの栄枯盛衰を描いたW・R・バーネット原作「リトル・シーザー」の映画化。強烈凶悪な個性を100パーセント発揮したエドワード・G・ロビンソンの出世作。「ゴッドファーザー」も「スカーフェイス」もここから始まった。ギャング映画の古典的教科書。
警察本部長射殺時のオーバーラップはヘイズ・オフィスを考慮してのことかも知れないが、あまり良い編集とは思えなかった。
教会に向かう仲間を射殺する(まるで「ゴッドファーザー」みたいな)場面はリアルに撮っているし。ギャング同士の殺し合いはオッケーでも警官殺しはダメってことなのか?
点