寂れゆく地方の工業都市をホームタウンとする、弱小アイスホッケー・チームの話。
汚い言葉と汚いラフプレイがリンクを飛び交い、プロスポーツ興行の楽屋裏(実際はもっと複雑で個々の欲望が錯綜する闇世界)にも言及。減税目的で赤字チームをスポンサードしているオーナー。シーズン後の移籍を心配するプロ選手たち。
新加入のハンセン三兄弟大暴れの快進撃。
世間にヒール(悪役)と罵られていようと、勝てば良かろうなファン心理。
エキサイティングな氷上の戦いが迫力たっぷりに撮られていて爽快。
当時52歳のポール・ニューマン、身体のキレが良くスケートもメチャうまい。
リーグ決勝戦はルール無用のデスマッチ・プロレス。血まみれの乱闘はスポーツ選手のプライドを脱ぎ捨てたストリップ・ショーで大団円を向かえる。
ポール・ニューマンとジェニファー・ウォーレンの別居夫婦とマイケル・オントキーンとリンゼイ・クルーズの2組のカップルの男女関係のもつれが、分かりにくくまどろっこしく、破天荒でナンセンスな試合場面と噛み合ってない。あれもこれもと手を広げて薄味なってしまった。スラップショット(会心の一打)にはちょいと届かない。
脚本はナンシー・ダウド。女性が書くダーティワードは極端に振られて下品だ。ノーラ・エフロンも意図して汚い言葉を使う。個人のストレスをシナリオで発散させているのだろうか。
マキシン・ナイチンゲールの「Right Back Where We Started From」他、70年代のポップソングが随所に挿入される。エルマー・バーンスタインが音楽担当でクレジットされているが、オーソドックスな劇伴はなし。最初からブラスバンドの編曲のみで起用されたのか、それとも作曲したのに(ロイ・ヒルがありきたりな劇伴を嫌って)編集でリジェクトされたのか。いずれにしてもバーンスタインはもったいない使われ方されている。
いつもよりうんと小綺麗なストローザー・マーティン。
チームのマネージャー役。西部劇以外で彼を見るのは珍しい。
パンタロンとかラッパズボンとか呼ばれていた、裾が爪先まで広がっているベルボトム(今風に言うとブーツカット?)は当時の流行。みんなこんなの履いていた。
点