65歳の誕生日を控えた大富豪アンソニー・ホプキンスを、お迎えにきた死神ブラッド・ピットが富豪の娘(クレア・フォーラニ)に一目惚れする恋愛喜劇。
西洋人は昔から、幽霊だとか悪魔だとか天使だとか、ファンタジーな人物を使ってロマンチックな恋物語を作るのがうまい。
初めて出会った食堂を出たあとの別れで、お互い何度も振り返るがタイミングが悪く、振り返ったときは交互に相手は背中を見せているクロス・ショット、味があってよかった。
いつか使ってやろう。
その直後の事故シーンはすごいショック演出。
あらすじだけで結末は読めているのに見入ってしまう。感動させられてしまう。
3時間は長くない。ラストのオチは無理矢理な感じもあるけど。
イケメン好みの女子でなくても、本作の死神ブラッド・ピットのナイーブな表情には惚れちまう。
さらに格好良いのが大富豪アンソニー・ホプキンスの貫禄と余裕の演技。
マーティン・ブレストは役者の芝居を繊細にたっぷり見せるのが巧い。
食堂でコーヒーに砂糖とミルクを入れる動作をシンクロさせて(小津安二郎か!)若い二人の親和性を、映像であっさり説明する手際の良さ。
好きなものを、ただ奪うことは愛とは言わない。
愛の本質は、生涯を懸けて相手への信頼と責任を全うすること
そして、愛する相手を傷つけないこと。
点