意味不明な邦題がつけられているが原題は「ROYAL WEDDING」。
英国エリザベス女王の御成婚祝賀式典に便乗して作られたアーサー・フリード製作のMGMミュージカル。
アステアが床から壁そして天井へと、部屋をぐるり回りながらダンスする場面が「ザッツ・エンタテインメント」に収録されていたのでよく知られている。
フレッド・アステアとジェーン・パウエルは、仕事熱心な兄妹のダンス・パートナー。恋愛はするけれど結婚は仕事の邪魔になるからと、独身主義をとおしていた兄妹だったが、ロンドン公演中に行われた祝賀パレードをみて感化され、ふたりとも結婚してハッピーエンド。
ストーリーは(型通りの)他愛のない恋愛劇。
アステアの相手はサラー・チャーチル(ウィンストン・チャーチル首相のご令嬢)で、スーザン・サランドン似の硬質なルックス。魅力が薄い。ジェーン・パウエルの相手は(こちらもスターらしい華やかさに乏しいMGM専属)ピーター・ローフォード。
撮影時のアステアは50歳、ロマコメやるには老けすぎだ。
ジェーン・パウエルと30も歳が離れた兄妹も、無理があるだろう。
ジェーンはいつものように数曲歌っているが曲は平凡。
作詞と脚本は「マイ・フェア・レディ」のアラン・ジェイ・ラーナー。
監督は「雨に唄えば」のスタンリー・ドーネン。
ジェーンがダンスでも頑張っている。「ろくでなしの嘘つき野郎」と「ハイチで帽子を忘れてきた」がなかなか面白かったが、ダンス以外に見どころがない映画。
でもやっぱりMGMミュージカルはテクニカラーが綺麗で楽しい!
ニューヨークとロンドンでのマネージャーが双子の兄弟という設定で、二役で演じているのはキーナン・ウィン。ヤンキーな英語とロンドン訛りの癖のある喋り方を使い分けて楽しそうだった。
アステアのダンスを見たあとは、体重が5キロ軽くなった気分で身動きが軽くなるから不思議だ。
点