1980年代のロマンチック・コメディ|映画スクラップブック


1980年代のロマンチック・コメディ(2本)

2022/05/26

トッツィー

トッツィー|soe006 映画スクラップブック
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TOOTSIE
1982年(日本公開:1983年04月)
シドニー・ポラック ダスティン・ホフマン ジェシカ・ラング テリー・ガー ダブニー・コールマン チャールズ・ダーニング ビル・マーレイ ジョージ・ゲインズ ジーナ・デイヴィス ドリス・ベラック エレン・フォーリー リン・シグペン デブラ・ムーニー エステル・ゲティ クリスティーン・エバーソール

ニューヨークの売れない役者が女装して昼メロのオーディションを受ける。採用されるとでたらめなアドリブ芝居で人気を獲得。共演の子持ち女優を好きになるが彼女はハゲのディレクターと愛人関係。本人は彼女の父親にプロポーズされて、さらに共演しているベテラン男優もアパートに押しかけてのドタバタ。

見所はダスティン・ホフマンの女装ぶり。
デイヴ・グルーシンのBGMが軽快で、定番ストーリーの映画をテンポ良くしている。

トッツィー:ダスティン・ホフマン

恋愛のドタバタがメインとなる後半より、NYCの名もなき演劇人たちの生活が紹介される前半が良かった。芝居仲間の女優(テリー・ガー)や、共同生活している作家(ビル・マーレイ)との関係がうやむやなままになってしまったのが惜しい。

生放送中に正体を明かすクライマックスもあっさりしていて、ホフマンとジェシカ・ラングが和解するラストシーンもセオリーどおりで盛り上がらない。

求婚したジェシカの父親に指輪を返す酒場の場面のチャールズ・ダーニングが、抜群に上手かった。

トッツィー:チャールズ・ダーニング

芸能人エージェント役をシドニー・ポラックが演じている。

トッツィー:ダスティン・ホフマン&シドニー・ポラック

しかし、テレビドラマでも可能なこの題材をシネスコで撮る意味あるのか?
フレームの左右スカスカなのが気になってしようがなかった。

60

2022/02/18

恋人たちの予感

恋人たちの予感|soe006 映画スクラップブック
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WHEN HARRY MET SALLY...
1989年(日本公開:1989年12月)
ロブ・ライナー ビリー・クリスタル メグ・ライアン キャリー・フィッシャー ブルーノ・カービイ スティーヴン・フォード リサ・ジェーン・パースキー ミシェル・ニカストロ エステル・ライナー ハーレイ・ジェーン・コザック カイル・ヘフナー トレイシー・ライナー

シカゴの大学を卒業したハリー(ビリー・クリスタル)は、同じくニューヨークで新生活を始めるサリー(メグ・ライアン)の車に便乗させてもらう。男女の友情はセックスが邪魔して成立しないと主張するハリーと意見を衝突させるサリー。
その後、偶然に幾度か会ううち友情が恋愛感情へと発展し、初対面から12年と3ヶ月後に二人は結婚。

恋人たちの予感

シークェンスの合間に熟年夫婦のインタビューがインサートされ、ラストは主人公夫婦のインタビューで終わる。最初の出会いから5年後、そのまた5年後へと、時間が省略されてサクサク進むので、遠回りの紆余曲折を描いてる割にテンポがよくダレない。

二人が電話で感想を喋りながらテレビの「カサブランカ」を見たり、二人同時に友人夫婦(ブルーノ・カービーとキャリー・フィッシャー)に電話する場面が、画面分割マルチ編集されていて面白い。

恋人たちの予感

メグ・ライアンのキュートな表情が楽しい。嫌味な皮肉屋として登場するビリー・クリスタルは、歳月を経て純情な心情を表面化させていく。

「1日の終わりに話したいのは君」

恋人たちの予感

セックス・ネタのお喋りが多いのが悪趣味でいただけないが、当時の風俗世相を反映している。

恋人たちの予感

ニューヨークの紅葉や雪景色が美しい。撮影監督はコーエン兄弟の初期作品を担当していたバリー・ソネンフェル。このあと「ゲット・ショーティ」や「メン・イン・ブラック」で監督に転身。

ルイ・アームストロング、エラ・フィッツジェラルド、フランク・シナトラなど往年のポピュラーソングがBGMに流れ、カラオケで「飾りのついた四輪馬車」を歌う。

恋人たちの予感

最初の出会い(大学卒業)のとき 1977年とテロップがでるから、ドラマの時代風俗からするとかなり古い歌ばかり。(ウディ・アレン同様)監督の趣味で選曲してるのだろう。「ウィンター・ワンダーランド」はレイ・チャールズ、「ドント・ビー・ザット・ウェイ」はベニー・グッドマン楽団、「ハブ・ユアセルフ・ア・メリー・リトル・クリスマス」はビング・クロスビー。知ってる曲が多く、長年「エラ&ルイ」(Verve)を愛聴盤しているおれは音楽が流れてるだけでご機嫌。

クライマックスに「蛍の光 Auld Lang Syne」使うのは反則。年末年始に観たら音楽聞いただけでポイントアップしちゃうからね。

ロマコメ不毛の1980年代最後の年末に公開されクリーンヒット。メグ・ライアン&ノーラ・エフロン快進撃の幕開けとなったロマンチック・コメディの秀作。

65

映画採点基準

80点 オールタイムベストテン候補(2本)
75点 年間ベストワン候補(18本)
70点 年間ベストテン候補(83本)
65点 上出来・個人的嗜好(78本)
60点 水準作(77本)
55点以下 このサイトでは扱いません

個人の備忘録としての感想メモ&採点
オススメ度ではありません