2000年代のロマンチック・コメディ|映画スクラップブック


2000年代のロマンチック・コメディ(5本)

2021/12/14

ブリジット・ジョーンズの日記

ブリジット・ジョーンズの日記|soe006 映画スクラップブック
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BRIDGET JONES'S DIARY
2001年(日本公開:2001年09月)
シャロン・マグアイア レニー・ゼルウィガー コリン・ファース ヒュー・グラント ジム・ブロードベント ジェマ・ジョーンズ サリー・フィリップス シャーリー・ヘンダーソン ジェームズ・キャリス エンベス・デイヴィッツ オナー・ブラックマン

ヒロインは出版社からテレビ業界に転職。好きになった男を追って下着姿のまま部屋を飛び出し、雪が舞うロンドンの街を探し回る。

ブリジット・ジョーンズの日記

勤め先の上司と有能な弁護士のふたりの男に口説かれ、男たちは彼女を争って殴り合いの喧嘩までしちゃう。

ブリジット・ジョーンズの日記

アラサー独身女性の等身大のラブストーリーというのが配給会社の売りだが、等身大なのは体重くらい。ヒロインの容姿以外はリアリティの欠片もない予定調和の寓話。

脚本が「ノッティングヒルの恋人」「フォー・ウェディング」のリチャード・カーティスなので、過度に個性豊かな脇キャラが配してあるものの、賑やかなだけで今ひとつ垢抜けない。ビジネスと割り切ってアイデアを切り売りしてる感じ。ポップスBGMもマンネリ。

60

2021/12/23

ラブ・アクチュアリー

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LOVE ACTUALLY
2003年(日本公開:2004年02月)
リチャード・カーティス ヒュー・グラント リーアム・ニーソン エマ・トンプソン アラン・リックマン コリン・ファース ローラ・リニー キーラ・ナイトレイ ローワン・アトキンソン ビリー・ボブ・ソーントン ビル・ナイ アンドリュー・リンカーン マルティン・マカッチョン ジョアンナ・ペイジ マーティン・フリーマン トーマス・ブロディ=サングスター ルシア・モニス クリス・マーシャル グレゴール・フィッシャー ハイケ・マカチュ ロドリゴ・サントロ オリヴィア・オルソン クラウディア・シファー

「世界は愛であふれている」

プロローグとエピローグに、ヒースロー空港のロビーで再会を喜びハグする人々の姿。
「19人の男女が織りなす9通りの様々な愛の形」とビデオ・パッケージに書かれている。リチャード・カーティスの脚本は脇キャラが濃いから、もっといっぱい出ているような気もする。

ロック・スター(ビル・ナイ)の間抜けなクリスマス・ソング。渡米でモテモテのクリス・マーシャル。英国首相(ヒュー・グラント)とメイド(マルティン・マカッチョン)は「ノッティングヒルの恋人」の男女逆転ヴァージョン。

ラブ・アクチュアリー

米国大統領(ビリー・ボブ・ソートン)のキャスティングは、それだけで爆笑もの。エマ・トンプソンとジョニ・ミチェル(「青春の光と影」の新録音CD)、障害者の弟の面倒を見ているローラ・リニーの辛口エピソードが入っているのもいい。
裸でカラミの演技をしている若い男女(マーティン・フリーマンとジョアンナ・ペイジ)はポルノを撮影しているのではなく、大作映画のスタンドイン(ボディダブル)だと、DVDの音声解説で監督が喋っていた。

そして、アラン・リックマン! この人の声が好きだ。この人のセリフはシェークスピアの朗読のように深い。こんな素晴らしい声を聞かないなんて、日本語吹替で映画を見る人の気が知れん。

本作はカーティス本人が監督(初監督らしい)しているので、人物描写が(「ブリジット・ジョーンズ」などと比較したら)とても丁寧。
それぞれのエピソードはシンプルかつ月並みだけど、巧みな構成とバッチリ決まった配役と的を射たポップスBGMの選曲で、見終えたあとはほんわか幸福感に満たされる。クリスマスに絞り込んだ時間設定が決め手。パッチワークの妙技。繋がっているような、そうでもないような、その匙加減が丁度いい。群像劇の秀作。

ラブ・アクチュアリー

70

2021/12/14

ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月

ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月|soe006 映画スクラップブック
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BRIDGET JONES: THE EDGE OF REASON
2004年(日本公開:2005年03月)
ビーバン・キドロン レニー・ゼルウィガー コリン・ファース ヒュー・グラント ジャシンダ・バレット ジム・ブロードベント ジェマ・ジョーンズ ジャシンダ・バレット サリー・フィリップス シャーリー・ヘンダーソン ジェームズ・キャリス

前作よりさらに一回り大きくなって迫力を増したレニー・ゼルウィガーが、垂れ流しされる安易な選曲のポップスをBGMに、堅物の弁護士コリン・ファースと軟派な浮気男ヒュー・グラントのあいだを行ったり来たりする。

ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月

スカイダイブやったり、スキー行ったり、マッシュルームでラリったり、コカイン密輸容疑でタイの留置所に入れられたり。行きあたりばったりのストーリー。人物が薄っぺら過ぎて、誰にも感情移入できない。第3弾も製作されたそうだが、もういいや。

60

2022/02/19

迷い婚-すべての迷える女性たちへ

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RUMOR HAS IT...
2005年(日本公開:2005年05月)
ロブ・ライナー ジェニファー・アニストン ケヴィン・コスナー シャーリー・マクレーン マーク・ラファロ リチャード・ジェンキンス ミーナ・スヴァーリ クリストファー・マクドナルド マイク・ヴォーゲル ジェニファー・テイラー キャシー・ベイツ

マイク・ニコルズ「卒業」が実話を基にした小説の映画化だったという設定の恋愛コメディ。ミセス・ロビンソンのモデルとなった女性(主人公の祖母)をシャーリー・マクレーン、ベンジャミンのモデルとなった男の役をケヴィン・コスナーが演じている。

迷い婚

マーク・ラファロと婚約中のジェニファー・アニストンは、妹ミーナ・スヴァーリの結婚式で耳にした噂話からマリッジブルーに陥る。自分の出生の秘密を探るため、結婚前の母親と関係し祖母(シャーリー・マクレーン)とも関係していた映画「卒業」の原作モデルとなった男(ケヴィン・コスナー)に会いに行き、本人も関係したあとで婚約者とちゃっかり結婚式を挙げる。

自分が幸せになれるのならモラルなんか、クソ喰らえってことだろう。

ジェニファー・アニストンが可愛くない。
自己中心的で魅力に乏しい主人公に共感が得られない。尻軽バカ女のマリッジブルーに興味ないし、どうでもいい。シャーリー・マクレーンが出てなきゃ見ていない。

迷い婚

ロブ・ライナーだから、いつものように往年のポピュラーソングがBGMが使われている。サイモン&ガーファンクルの「ミセス・ロビンソン」も流れる。リチャード・ドレイファスがちょい役で映画デビューしていたとか、映画の豆知識も入っている。

製作総指揮にジョージ・クルーニーやスティーヴン・ソダーバーグの名が並んでいるのが不可解。ハリウッド映画人脈は誰がどう繋がっているのか分からない。

邦題がめちゃくそダサい。

55

2021/12/24

ホリデイ

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THE HOLIDAY
2006年(日本公開:2007年03月)
ナンシー・マイヤーズ キャメロン・ディアス  ケイト・ウィンスレット ジュード・ロウ ジャック・ブラック イーライ・ウォラック エドワード・バーンズ ルーファス・シーウェル ミフィ・イングルフィールド エマ・プリチャード

ロサンゼルスとロンドン郊外に暮らす失恋女子2人が、傷心を癒やすため、クリスマス休暇の間だけお互いの家を交換し、それぞれに異国で新しい恋人に巡り会うお話。
脚本・監督は米国のロマコメ・プリンセス、ナンシー・マイヤーズ。
(英国のロマコメ・プリンスはリチャード・カーティスね)

ホリデイ

雑誌のコラムニスト(ケイト・ウィンスレット)とハリウッド映画の予告編制作者(キャメロン・ディアス)、ふたりのモノローグがそれぞれの職業に合わせた口調で語られる。泣いてばかりの女と涙を忘れた女の対比。いろいろ工夫されているけど、エピソードのひとつひとつが定番で浅い。ハリウッド業界人が書いたいかにもな軽薄ストーリー。未練がましく付きまとう元彼氏とかいらないだろ。

ケイトとキャメロン、各々の失恋模様を描いた最初の15分が時間の無駄。ライバル意識むき出しの過剰顔芸がウザったい。主演の男女4人が見ていてどうにも厭味ったらしい演技で好きになれない。二人の元カレは論外。ジュード・ロウはご贔屓の二枚目だけど、こんな安っぽい映画に出ちゃいけないよ。ジャック・ブラックはもっとハッチャケてなきゃブラック・ジャックじゃない。老脚本家役のイーライ・ウォラックが登場してなきゃ、途中で見るのやめたかも。ジュード・ロウの娘ソフィーとオリビアが可愛いので、ちょっとだけポイントアップ。

ホリデイ

映画のウンチク。パジャマの上下で男と女がデパートで出会う映画は、ゲイリー・クーパーとクローデット・コルベールが出演したルビッチの「青髭八人目の妻」(脚本はビリー・ワイルダーとチャールズ・ブラケットの名コンビ)。ケイトが部屋で見ていたビデオは(ケイリー・グラントとロザリンド・ラッセルだから)たぶんホークスの「ヒズ・ガール・フライデー」。ルイス・B・メイヤーはMGMの社長。ビデオ屋の場面で「卒業」のダスティン・ホフマンがカメオ出演。

ハリウッドが舞台だし、古い映画のネタを埋め込みたい気持ちは分かるが、引用するのならそれらの映画に負けない脚本で作って欲しい。それに「カサブランカ」セリフの件、(ワーナーの許可は取ってあるとは思うけど)脚本家に無礼じゃないかね?

ホリデイ

60

映画採点基準

80点 オールタイムベストテン候補(2本)
75点 年間ベストワン候補(18本)
70点 年間ベストテン候補(83本)
65点 上出来・個人的嗜好(78本)
60点 水準作(77本)
55点以下 このサイトでは扱いません

個人の備忘録としての感想メモ&採点
オススメ度ではありません