soe006 私の好きな映画音楽について語る 其の弐

私の好きな映画音楽について語る 其の弐

October 26, 2003

『黄金狂時代』『街の灯』『モダンタイムス』……チャップリンの映画が3本。
これは中学のころ、「ビバ・チャップリン」の看板かかげて東宝東和がリバイバル上映したのがおおきかったですね。
それまではチャップリン映画って、淀川長治のお話では聞いていたものの、実際に観る機会なんてなかったもの。
第1弾が『モダンタイムス』、第2弾が『街の灯』、第3弾が『独裁者』……次々と公開されて大ヒット。73年公開の『街の灯』なんか、新作を吹っ飛ばして3億2千万も稼いじゃった(73年度の興行成績第5位)。
(ちなみに第1位は、11億稼いだ『ポセイドン・アドベンチャー』ね)
東宝東和は柳の下の泥鰌狙いで、「ハロー・キートン」シリーズ、「プレイ・ロイド」シリーズと、続けてサイレント喜劇をリバイバル公開したけど、こちらはあまり成功しませんでした。
すべての映画で、チャップリンの名前が作曲者としてクレジットされていますが、ご本人は楽譜、ぜんぜん分からない。だけど幼いころからのボードヴィル修行でヴァイオリンが巧かった。彼がヴァイオリンで即興的にメロディを弾き、音楽担当者がそれを譜面に起こし、楽団を指揮してサウンドトラック録音していたわけです。
だから、チャップリン映画の音楽は、ヴァイオリンが中心になってますね。
映画の泣かせどころで流れてくるメロディにヴァイオリンが多く使われているのは、そんな理由もあるんでしょう。

独RCAから、「100 Years of Film Music」シリーズの1枚としてリリースされていた「The Film Music of Charles Chaplin」には、『キッド』『黄金狂時代』『サーカス』『街の灯』『モダンタイムス』の5本の組曲が収められています。
演奏はカール・デイビス指揮ベルリン・ドイツ交響楽団。
録音も素晴らしくクリアで、演奏は瑞々しくモダン。
但し、チャップリンが作曲したものだけで構成された組曲なので、ホセ・パディーリャ・サンチェスの「花売り娘のテーマ/ラ・ヴィオレテラ」や、チャップリンがハナモゲラで唄った「ティティーナ」は収録されていません。
ドイツ盤CDは限定発売だったらしく早々と店頭から消えてしまいましたが、「チャップリンの映画音楽」というタイトルで国内盤も出ていて、こちらはまだ入手可能みたいです。

チャップリンの映画音楽集は、他に、定番となっているミッシェル・ビラールの編曲・指揮による72年の録音「チャップリン・フィルム・ミュージック・ベスト・セレクション」や、スタンリー・ブラック指揮ロンドン・フェスティバル管弦楽団による「街の灯〜チャップリンに捧ぐ」もあります。
チャップリン関連の企画CDには、フィルム音源とポップス歌手のカバーソングをゴタマゼに編纂した珍妙極まりない国内盤もあるので注意が必要です。

後期の『ライムライト』『ニューヨークの王様』『伯爵夫人』などチャーミングなメロディ(特に『ニューヨークの王様』の「マンドリン・セレナーデ」)も大好きなのですが、この時期は他に強力な映画音楽があったので、選出からもれてしまいました。

soe006 ジャズと映画と娯楽小説/アーカイブ

Copyright 2021 soe006.com All Rights Reserved.