チャールズ・ゲルハルト:RCA The Classic Film Scores
December 15, 2010
前回紹介のティオムキン作品集と同時にリニューアル・リリースされた、その他の RCA クラシック・フィルムスコア・シリーズも紹介しておきます。
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Captain Blood
The Classic Film Scores for Errol Flynn
RCA Records
1. ドン・ファンの冒険(1948年)
The Adventures of Don Juan: Suite (Max Steiner)
2. シー・ホーク(1940年)
The Sea Hawk: Suite (Erich Wolfgang Korngold)
3. 海賊ブラッド(1935年)
Captain Blood: Ship in the Night (Erich Wolfgang Korngold)
4. 壮烈第七騎兵隊(1941年)
They Died with Their Boots On: Suite (Max Steiner)
5. 無法者の群(1939年)
Dodge City: Suite (Max Steiner)
6. Objective Burma(未公開/1945年)
Objective Burma: Parachute Drop (Franz Waxman)
7. 陽はまた昇る(1957年)
The Sun Also Rises: Prologue-The Lights of Paris (Hugo Friedhofer)
8. ロビンフッドの冒険(1938年)
The Adventures of Robin Hood: Suite (Erich Wolfgang Korngold)
チャールズ・ゲルハルト指揮
ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団
1974年11月 ロンドン録音 |
エロール・フリン主演の映画をピックアップした作品集。
アクション活劇映画メインなので、勇壮な楽曲が並ぶ。コルンゴルト、マックス・スタイナー、フランツ・ワックスマン、フヒューゴ・フリードファーと、作曲陣も豪華。
作曲家毎の作品集とダブっているタイトルもありますが、演奏曲目は異なり、既発売ナンバーからの寄せ集めではありません。
聴きものはコルンゴルトの『シー・ホーク』と『ロビンフッドの冒険』、それにマックス・スタイナーの『ドン・ファンの冒険』と『壮烈第七騎兵隊』。やっぱりワーナー活劇映画は、コルンゴルトとスタイナーですね。
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Casablanca
The Classic Film Scores for Humphrey Bogart
RCA Records
1. カサブランカ(1942年)
Casablanca: Suite (Max Steiner)
2. 渡洋爆撃隊(1944年)
: Rescue at Sea (Max Steiner)
3. 黄金(1948年)
The Treasure of the Sierra Madre: Suite (Max Steiner)
4. 三つ数えろ(1946年)
The Big Sleep: Love Themes (Max Steiner)
5. ケイン号の叛乱(1954年)
The Caine Mutiny: March (Max Steiner)
6. 脱出(1944年)
To Have and Have Not: Main Title-Martinque (Franz Waxman)
7. 第二の妻(1947年)
The Two Mrs. Carrolls: Suite (Franz Waxman)
8. 麗しのサブリナ(1954年)
Sabrina: Main Title, The Larrabee Estate (Frederick Hollander)
9. The Left Hand of God(未公開/1955年)
The Left Hand of God: Love Theme (Victor Young)
10. サハラ戦車隊(1943年)
Sahara: Main Title (Miklos Rozsa)
11. ヴァジニアの血闘(1940年)
Virginia City: Stagecoach-Love Scene (Max Steiner)
12. キー・ラーゴ(1948年)
Key Largo: Suite (Max Steiner)
チャールズ・ゲルハルト指揮
ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団
1973年9月 ロンドン録音 |
ハンフリー・ボガート主演の映画をピックアップした作品集。
こちらは、マックス・スタイナー作品がメイン。白眉は、「As Time Gose By」でおなじみの『カサブランカ』組曲とジョン・ヒューストン監督作品『黄金』組曲。その他の楽曲も、それぞれに趣があり無駄なトラックということじゃありません。ヴィクター・ヤングの『The Left Hand of God(未公開/1955年)』やフレデリック・ホランダーの『麗しのサブリナ』など、ここでしか聴けない珍しい作品も収録されており、アルバム全体を通してたいへん聴き応えがあります。
1888年5月10日、オーストリア生まれのスタイナーは、いわば後期ロマン派のサラブレッド。名付け親はリヒャルト・シュトラウスで、ピアノをヨハネス・ブラームスに、作曲をグスタフ・マーラーに師事。
第1次世界大戦が始まると、ほとんど無一文のままアメリカに居を移し、膨大な数のミュージカルの編曲を手がける。
やがて映画はトーキーの時代になり、ハリウッド随一の売れっ子に。
アカデミー作曲賞を3回受賞(ノミネートは26回!)
とにかく、やたらと作品数が多い映画音楽の巨匠です。
そんな多作なスタイナー作品のなかで、もっとも知られている映画といえばデヴィッド・O・セルズニック渾身の超大作。これしかないでしょう。
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Gone With the Wind
The Classic Film Scores
RCA Records
チャールズ・ゲルハルト指揮
ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団
1973年9月 ロンドン録音 |
かつて Rhinoから豪華2枚組完全版のオリジナル・サウンドトラック盤も発売されていましたが、こちらのディスクは演奏時間43分27秒の組曲版。
映画の要所はちゃんと押さえられており、全体をすっきり見通せる、充実した内容。演奏が素晴らしいのは、改めて言うまでもないでしょう。
映画の冒頭で演奏されるセルズニック映画のタイトル音楽を作曲したのは、20世紀フォックス・ファンファーレも手がけているアルフレッド・ニューマン。この人もスタイナーと肩を並べる、ハリウッドの巨匠音楽家です。
今回リリースされたクラシック・フィルムスコア・シリーズにも、アルフレッド・ニューマン作品集が入っていました。
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Captain From Castile
The Classic Film Scores Of Alfred Newman
RCA Records
1. 百万長者と結婚する方法(1953年)
How to Marry a Millionaire: 20th Century-Fox Fanfare with the CinemaScope Extension and Street Scene
2. 征服への道(1947年)
Captain From Castile: Pedro and Catana-Conquest
3. 嵐ケ丘(1939年)
Wuthering Heights: Cathy's Theme
4. 海の男(1949年)
Down To The Sea In Ships: Hornpipe
5. 聖処女(1943年)
The Song of Bernadette: Prelude-The Vision
6. 無頼の群(1958年)
The Bravados: Main Title(The Hunters)
7. 追想(1956年)
Anastasia: Main Title
8. 大都会の女たち(1959年)
The Best Of Everything: London Calling
9. 大空港(1970年)
Airport: Main Title
10. 聖衣(1953年)
The Robe: Main Title, Elegy-Caligula's March-The Map of Jerusalem
チャールズ・ゲルハルト指揮
ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団
1973年2月 ロンドン録音 |
アルフレッド・ニューマンは、20世紀フォックス社の音楽部長を長く務め、255本の映画音楽を作曲。アカデミー賞に45回ノミネートされ、9回受賞。映画ファンなら誰でも知っている「20世紀フォックス・ファンファーレ」の作曲者でもあります。
1953年の『聖衣』は、20世紀フォックス社が開発した横縦比2.35:1のシネマスコープ第1作で、これに合わせて「20世紀フォックス・ファンファーレ」もシネスコ・ヴァージョンが作曲されました。『百万長者と結婚する方法』冒頭にばっちり収録されているのがそれです。『スター・ウォーズ』もシネスコだったので、いまではこっちで記憶されている人のほうが多いと思います。
ちなみに『百万長者と結婚する方法』の収録曲「街の情景 Street Scene」は 1931年に作曲された曲ですが、『百万長者』の本編前に立体音響映画のデモとして演奏シーンが付いていまして、ここでオーケストラを指揮するニューマンの勇姿を拝むことができます。
興味ある方はぜひ一度御覧ください。
楽曲自体は、ジョージ・ガーシュウィンの「ラプソディー・イン・ブルー」風のジャジィな感じのオーケストラ曲です。
このシリーズで扱われている映画音楽は、ハリウッド黄金期(30〜50年代)の作品が多いのですが、コンガのリズムも心地良い1970年の『大空港』の「メイン・タイトル」が収録されているのは嬉しいですね。
『無頼の群』もめちゃくちゃカッコイイです。
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The Sea Hawk
The Classic Film Scores of Erich Wolfgang Korngold
RCA Records
1. シー・ホーク(1940年)
The Sea Hawk: Main Title-Reunion-Finale
2. 人間の絆(未公開/1934年)
Of Human Bondage: Nora's Theme
3. ロビンフッドの冒険(1938年)
The Adventures of Robin Hood: March of the Merry Men-Battle
4. 革命児ファレス(未公開/1939年)
Juarez: Love Theme
5. 嵐の青春(1942年)
Kings Row: Main Title
6. 永遠の処女(1943年)
The Constant Nymph: Tomorrow
7. 海賊ブラッド(1935年)
Captain Blood: Overture
8. 風雲児アドヴァース(1936年)
Anthony Adverse: No Father, No Mother, No Name
9. 霧の中の戦慄(未公開/1944年)
Between Two Worlds: Main Title-Mother and Son
10. 愛憎の曲(1946年)
Deception: Main Title
11. まごころ(1946年)
Devotion: The Death of Emily Bronte
12. 嘆きのプレリュード(未公開/1947年)
Escape Me Never: Main Title-Venice-March-Love Scene-Finale
チャールズ・ゲルハルト指揮
ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団
1972年 ロンドン録音 |
マックス・スタイナーと同じくウィーンからハリウッドにやって来た由緒正しき後期ロマン派の作曲家エーリヒ・ウォルフガング・コルンゴルトの作品集。このレコードの成功によって、以後、数年にわたりチャールズ・ゲルハルト指揮ナショナル・フィルハーモニックによるシリーズが RCAにて録音されることになりました。ディスクに録音年月データが記載されていませんが、1972年に発売されております。記念すべきシリーズ第1弾。プロデューサーは、作曲者の息子のジョージ・コルンゴルト。
『海賊ブラッド』、『シー・ホーク』、『ロビンフッドの冒険』などエロール・フリン主演の冒険活劇をメインに、代表的な作品はすべて網羅されています。
しかし、これでは足りない、もっと聴きたいという声が多かったのでしょう、すぐあとにコルンゴルト作品集第2弾『エリザベスとエセックス』(1973年2月録音)をリリースしております。そのくらい、このレコードは好評を得たということでしょう。
この度のリニューアル再発売は上記5枚に、前に紹介した『失はれた地平線:ディミトリ・ティオムキン作品集』を加えた全6枚。
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Lost Horizon
The Classic Film Scores Of Dimitri Tiomkin
RCA Records 777933
1. 失はれた地平線(1936年)
Lost Horizon: Symphonic Suite (23:05)
2. ナバロンの要塞(1961年)
The Guns of Navarone: Prelude (2:25)
3. 果てしなき蒼空(1952年)
The Big Sky: Suite (8:11)
4. The Fourposter(1952年・未公開)
The Fourposter: Overture (2:38)
5. 友情ある説得(1956年)
Friendly Persuation: Love Scene in the Barn (5:58)
6. 世界の楽園(1957年)
Search for Paradise: Choral Finale (3:34)
チャールズ・ゲルハルト指揮
ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団
1976年12月 ロンドン録音 |
このシリーズには、『市民ケーン:バーナード・ハーマン作品集』、『白い恐怖:ミクロス・ローザ作品集』、「キング・コング組曲」が収録されている『情熱の航路:マックス・スタイナー作品集』、『サンセット大通り:フランツ・ワックスマン作品集』、スタイナーとコルンゴルトの小品を散りばめた『ベティ・デイビス作品集』などがあり、それらも追って再発売されるという話なので、興味ある方はこの機会にぜひ聴いてみてください。
前回 BMG/RCA Victor が初CD化したとき『ティオムキン作品集』を買い漏らし、20年ちかく待っていた経験からして、コンパクト・ディスクとしてリリースされるのは、今回が最後になるのではと思います。
音楽販売はすべて MP3ダウンロードに移行させようという、世間の流れになっていますから。
この際、リニューアル盤みんな買っとこうかな、保存用に。
そのくらい価値のあるシリーズなんですよ、マジで。
残りのディスクも再発売されましたら、あらためて個々の作品集についてもっと詳しく紹介する予定です。
とりあえず今日のところは、ここまで。
チャールズ・ゲルハルト:RCA The Classic Film Scores(2)
January 15 2011
クラシックな映画音楽
昨年ご紹介した RCAのクラシック・フィルムスコア・シリーズの続きが発売確定したようなので、追加でご紹介します。
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Now Voyager: The Classic Film Scores of Max Steiner
RCA Record
01 情熱の航路(1942年)
Now Voyager (5:51)
02 キング・コング(1933年)
King Kong (7:16)
03 サラトガ本線(1949年)
Saratoga Trunk (2:30)
04 進め竜騎兵(1936年)
The Charge of the Light Brigade (2:37)
05 四人の妻(1939年)
Four Wives (8:06)
06 三つ数えろ(1946年)
The Big Sleep (7:03)
ジョニイ・ベリンダ(1948年)
Johnny Belinda (5:05)
07 君去りし後(1944年)
Since You Went Away (1:25)
08 男の敵(1935年)
The Informer (4:33)
09 摩天楼(1949年)
The Fountainhead (8:07)
アール・ワイルド:ピアノ独奏(05)
アンブロージアン合唱団(09)
チャールズ・ゲルハルト指揮
ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団
1973年2月 ロンドン録音 |
怪獣映画の古典にして映画音楽のクラシック『キング・コング』組曲(7分16秒)を含むマックス・スタイナー作品集。
マックス・スタイナーはハリウッド黄金時代に300本以上の作品を手がけた映画音楽の巨匠。メロドラマから戦争、活劇、西部劇まで幅広いジャンルで活躍。音楽の都ウィーンからロンドンを経て渡米した後15年ほどはブロードウェイで編曲・オーケストレーターに従事していたため、ハリウッドに移った直後はミュージカル映画の音楽監督としての仕事も多い。アカデミー賞に26回ノミネート、作曲賞で3回受賞。
アカデミー作曲賞受賞の3作品(『男の敵』、『情熱の航路』、『君去りし後』)、アール・ワイルドのピアノをフィーチャーした『四人の妻』の「Symphonic Moderne」など力作を収録。
ちなみに 2005年ピーター・ジャクソン監督によってリメイクされた『キング・コング』では、ニューヨークでのショウ場面に、このディスクでも演奏されているスタイナー作曲の「生贄のダンス」が使用されていました。
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Elizabeth & Essex: The Classic Film Scores of Erich Wolfgang Korngold
RCA Records
01 女王エリザベス(未公開/1939年)
Private Lives of Elizabeth and Essex(7:18)
02 放浪の王子(1937年)
The Prince and the Pauper(4:45)
03 風雲児アドヴァース(1936年)
Anthony Adverse(2:14)
04 海の狼(1941年)
The Sea Wolf(7:28)
05 愛憎の曲(1946年)
Deception チェロ協奏曲 Op.37(11:50)
06 砂漠の朝(1937年)
Another Dawn(5:48)
07 痴人の愛(未公開/1946年)
Of Human Bondage(8:07)
フランチェスコ・ガルバーロ(05)チェロ独奏
チャールズ・ゲルハルト指揮
ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団
1973年2月1-3日 ロンドン録音 |
『シー・ホーク』の好評によって制作されたコルンゴルト作品集の第2弾。前作の成功で自信を得たのか、今回は地味なタイトルながら前作以上に充実した内容。ジョージ・コルンゴルト(作曲者の息子)の本領発揮。映画『愛憎の曲』のために作曲された「チェロ協奏曲 作品37」をはじめ、「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35」の元ネタとなった『砂漠の朝』からの楽曲など、クラシカルな作品をまとめて収録。ゲルハルトの指揮にも力が漲っている。映画音楽マニアのみならずクラシック音楽愛好家にも聴いていただきたい格調高い演奏。
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Spellbound: The Classic Film Scores of Miklos Rozsa
RCA Records
01-05 赤い家(1946年)
The Red House
06 バグダッドの盗賊(1940年)
The Thief of Bagdad
07-09 失われた週末(1945年)
The Lost Weekend
10 四枚の羽根(1939年)
The Four Feathers
11 深夜の告白(1944年)
Double Indemnity
12 円卓の騎士(1953年)
Knights of the Round Table
13 ジャングル・ブック(1942年)
The Jungle Book
14 白い恐怖(1945年)
Spellbound
15 黒騎士(1952年)
Ivanhoe
チャールズ・ゲルハルト指揮
ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団
アンブロージアン合唱団
1974年10月16-17日 ロンドン録音 |
ゲルハルト指揮ナショナル・フィルによるクラシック・フィルムスコア・シリーズからの1枚。『ベン・ハー』、『エル・シド』、『キング・オブ・キングス』など大作史劇で知られるミクロス・ローザの、もうひとつの専門分野ともいえる心理サスペンス劇をメインに収録した作品集。
電子楽器テルミンの不気味な響きで記憶が欠損している主人公(グレゴリー・ペック)の不安を表現した『白い恐怖』、呪われた屋敷の怪奇ムードを煽る『赤い家』、アルコール中毒者の苦悩が音楽に滲むビリー・ワイルダーの異色作『失われた週末』とファム・ファタール映画の傑作『深夜の告白』。どれも聴き応え充分なうえに、ロマンチシズムたっぷりに奏でられる『バグダッドの盗賊』(姫君の恋)、史劇大作の風格を感じさせる『黒騎士』序曲と選曲もバラエティに富んでいる。
ミクロス・ローザが歴史大作だけの作曲家ではないことを教えてくれる、映画音楽ファン必携の1枚。
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Classic Film Scores for Bette Davis
RCA Records
01 情熱の航路(1942年)
Now Voyager (マックス・スタイナー)
02 愛の勝利(1939年)
Dark Victory (マックス・スタイナー)
03 盗まれた青春(1946年)
A Stolen Life (マックス・スタイナー)
04 女王エリザベス(未公開/1939年)
Elizabeth and Essex (コルンゴルト)
05 愛の終焉(未公開/1944年)
Mr. Skeffington (フランツ・ワックスマン)
06 追憶の女(未公開/1944年)
In This Our Life (マックス・スタイナー)
07 イヴの総て(1950年)
All About Eve (アルフレッド・ニューマン)
08 黒蘭の女(1938年)
Jezebel (マックス・スタイナー)
09 森の彼方に(未公開/1949年)
Beyond the Forest (マックス・スタイナー)
10 革命児ファレス(未公開/1939年)
Juarez (コルンゴルト)
11 月光の女(1940年)
The Letter (マックス・スタイナー)
12 凡てこの世も天国も(1940年)
All This, And Heaven Too (マックス・スタイナー)
チャールズ・ゲルハルト指揮
ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団
1973年2月 ロンドン録音
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ゲルハルト&ナショナル・フィルによるベティ・デイヴィス主演映画集。
ワーナー映画の音楽監督だったマックス・スタイナーをメインに、コルンゴルト、フランツ・ワックスマン、アルフレッド・ニューマンなど、往年の映画音楽の香りが満喫できる1枚。
作品数を詰め込みすぎたせいか、演奏時間が2分前後の楽曲が多くちょっと物足りない。演奏時間が比較的長めの『愛の勝利』(6分20秒)、『森の彼方に』(5分07秒)、『凡てこの世も天国も』(7分38秒)は聴き応えあり。
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Citizen Kane: The Classic Film Scores of Bernard Herrmann
RCA Records
危険な場所で (1950年)
On Dangerous Ground
01 The Death Hunt
市民ケーン (1941年)
Citizen Kane
02 Prelude: Xanadu/Snow Picture
03 Theme and Variations
04 Aria from Salammbo
05 Rosebud and Finale
十二哩の暗礁の下に (1953年)
Beneath the 12-Mile Reef
06 The Sea/The Lagoon
07 Descending
08 The Octopus/Homecoming
戦慄の調べ (1944年)
Hangover Square
09 Concerto Macabre for piano and orchestra
蛮地の太陽 (1953年)
White Witch Doctor
10 Talking Drums/Prelude/The Riverboat/
Patticoat Dance/The Safari
11 Tarantula/The Lion
12 Nocturne
13 Abduction of the Bakuba Boy/The Skulls
14 Lonni Bound by Ropes/Departure
キリ・テ・カナワ(04)ソプラノ
ホアキン・アチューカロ(09)ピアノ
チャールズ・ゲルハルト指揮
ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団
1974年6月11-13日 ロンドン録音 |
チャールズ・ゲルハルト指揮ナショナル・フィルハーモニーによるバーナード・ハーマン作品集。人気のヒッチコック作品やハリーハウゼンの特撮映画をあえて外し、地味な映画ばかりが選曲されているが、これは凄い作品集だ。
冒頭に配置された『危険な場所で』のブラスに度肝を抜かれる。『市民ケーン』はハーマンの自作自演集(Decca)とは異なる選曲で、自演集が陽性の楽曲を集めていたのに対し、こちらは「ローズバッド」をめぐる新聞王の内面をえぐった影の楽曲をメインに4曲セレクト。映画で歌われるオペラのアリアを、無名時代のキリ・テ・カナワが歌っている。
ハープが大海原を活写する海洋冒険活劇『十二哩の暗礁の下に』と暗黒大陸と呼ばれていた頃のアフリカを舞台にした『蛮地の太陽』では、ハリーハウゼン映画でおなじみ怪物音楽も垣間見え、迫力満点。
音楽家を主人公としたサスペンス『戦慄の調べ』からは、この映画のために作曲されたピアノ協奏曲(ピアノ独奏はホアキン・アチューカロ)をノーカットで収録。
ハーマン音楽のエッセンスが極上の形式で詰まっている、ファン必携の名盤。
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Sunset Boulevard: The Classic Film Scores of Franz Waxman
RCA Records
01 炎と剣 (1954年)
Prince Valiant (9:49)
02 陽のあたる場所 (1951年)
A Place in the Sun (8:29)
03 フランケンシュタインの花嫁 (1935年)
The Bride of Frankenstein (7:17)
04 サンセット大通り (1950年)
Sunset Boulevard
05 旧友 (1943年)
Old Acquaintance (3:29)
06 レベッカ (1940年)
Rebecca (7:45)
07 フィラデルフィア物語 (1940年)
The Philadelphia Story (3:34)
08 隊長ブーリバ (1962年)
Taras Bulba (4:53)
チャールズ・ゲルハルト指揮
ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団
1974年7月10-11日 ロンドン録音 |
名盤揃いのクラシック・フィルムスコア・シリーズのなかで、個人的に最も聴く頻度の高いのがこのフランツ・ワックスマン作品集だ。
まず冒頭の『炎と剣』組曲が凄い迫力、オーケストラの厚みのある響きが素晴らしい。2年連続でアカデミー作曲賞を受賞した『サンセット大通り』と『陽のあたる場所』も組曲でたっぷり収録。緊迫感に満ちたオープニングから大見得をきるグロリア・スワンソンの狂気を彩るサロメのエンディングまで、聴かせどころをコンパクトにまとめた『サンセット大通り』組曲。サックスの気怠いサウンドが青春の光と影を描写する『陽のあたる場所』。機械的なティンパニのリズムのなかで人工生命体が覚醒する驚異の『フランケンシュタインの花嫁』。ドイツ・ロマン派ならではの深く濃厚なメロディが映画の幻想性を際立たせる『レベッカ』。猪突猛進のコサック軍団をダイナミックに活写する『隊長ブーリバ』まで、全編が聴きどころの連続。
ハリウッド黄金時代の栄華を満喫できる名盤。
今回、これを書きながらシリーズを全作あらためて聴き返したんですが、いやぁやっぱりこれは凄いわ。
映画音楽を聴く醍醐味がぎっしり詰まってます。