soe006 チャン・イーモウ・オン・ステージ・イン・アテネ

この日記のようなものは、すべてフィクションです。
登場する人物、団体、裏の組織等はすべて架空のものです。ご了承ください。

チャン・イーモウ・オン・ステージ・イン・アテネ

September 2, 2004

オリンピック、終わっちゃいましたね。

うちの近所の話で恐縮ですが、
閉会式(8月30日未明)の前日は、台風がグングン接近しておりまして、まともに来られたらマラソンも閉会式も見られねえじゃんかよ〜と、BSアンテナの心配ばかりしてました。

夕方、ちょうどテコンドーの第一回戦、期待の岡本依子が登場する刻限が迫ってきたころ、
血の気のない顔した母親が、オロオロとやってきました。
台風が近づいているから雨戸を閉めて、風で飛ばされないようにその上から板を打ち付けて欲しいとのことです。

去年も書きましたが、(借家人の分際で大家さんには悪いんですけど)ウチの家屋はもうボロボロヨレヨレの有様でして、ちょっと地震でもあれば即座に崩壊することは必至の状態。
家屋全体が奇妙な拗くれかたで歪んでおり、襖(ふすま)の半分以上は動かないから閉めっ放し。雨漏りは日常茶飯事なので、定位置にバケツを常設。床は沈んで、廊下は一歩あるくたびに蛙の鳴き声が聞こえてきます。
だから、台風で家がまるごと飛んでも不思議ではないし、雨戸閉めて板を打ち付けたからといって、暖簾に腕押し、蛙のツラに小便、猫に小判。2ちゃんねる風にいうと「ぬるぽ」なのであります。< ガッ!

その後の生活を考慮に入れなければ、「こんなボロ家、ど〜なってもいいやぁ〜」みたいな感じでありますが……母親はその後の生活が心配らしく、「お願いだからやっておくれよ〜」と、年相応のもの悲しい声で切々と懇願するのであります。

「オリンピック見てるんだよ、これから岡本が出るんだよ」
「でも台風が来てるんだよ」
「台風なんか毎年来るでしょう、一年のうちに何度も来るでしょう? オリンピックは4年に一度の民族の祭典なんですよ、分かってくださいよ。次は4年後の北京です。そのときまで生きてるかなんて保証は何処にもないでしょう? いまこれを見逃したら死ぬ間際に後悔するかも知れません。たかがTVのスポーツ中継を見られなかったことを悔いて死ぬなんて、みっともないじゃありませんか。どうです、ここはすっきり私にテレビを見せて、後腐れのないようにしておきませんか?」
「4年に一度って言っても、真ん中に冬季オリンピックがあるじゃないの。実際は2年に一度でしょう? それに今度の台風は10年に一度の、チョー大型でチョー強力でチョー大変な台風で……」
「分かりました、10年に一度なら仕方ない、チョーがないからやってあげます」

……てなことで、(やっても無駄な)厳重なる戸締まりをやってたので、見逃しました。岡本依子選手の一回戦敗退試合。

それにしても……話題は変わりますが、
驚きましたね。大会最後の競技種目、男子マラソンのハプニング。
36キロ付近までトップを独走していたブラジルのバンデルレイ・デリマ選手が、沿道から乱入した(奇妙な服装の)男に歩道へ押し出されちまいました。
こんなの見たのはじめてです。
4年に一度どころの騒ぎではありません。100年の歴史を誇る近代オリンピック史上初めての出来事なんだそうです。
つまり、こんな事件を生(放送)で見られるのは、百年生きていてもあるかないかの、実に稀有(けう)な出来事だったのであります。

(以下、スポーツ新聞からの引用)
男はアイルランド出身の元司祭。昨年のF1英国グランプリ(GP)でも、今回と同様にベレー帽と巻きスカートの格好でコース内に入り込み、禁固2月の有罪判決を受けている。アテネ通信によると、テニスのウィンブルドン選手権でも、同様の乱入事件を起こしたことがあるという。元司祭は調べに対し、「キリストの再臨に備えて(デリマ選手を)捕まえた」などと意味不明な供述をしているという。警察は「精神的に重大な問題があるようだ」としている。

おいおい、こんな危険な奴、入国させるなよ。
日韓合同開催のワールドカップ(サッカー)での、あのときの警備を知っている日本人ならみんな思ったでしょうね。

特に今度の大会はテロの危険もあるので、厳重な警戒のもとに行われた、とか主催者側は言ってますけど、信じられませんね。
先週の女子マラソンを見ていて、沿道に警官や警備員の姿をほとんど見かけないんで驚いたもの。

なんでもギリシャ人はとても善良な人種みたいで、地下鉄の改札口は無人だそうです。 いや、あの不気味にガッチャンガッチャン開閉する改札機械が置いてあるんじゃなくて、単純かつ簡素なゲートがあるだけの、正真正銘の無人な改札。見張っている駅員さんもいない。車内での検札もありません。
だからキセルしようと思えば幾らだって出来ちゃう。でも、みんな正直に切符を買って乗車しているとのこと。そのくらいギリシャの人は善良なんですね。殺人事件の発生件数もビックリするくらい少ないらしい。
だから厳重なる警戒といっても、アメリカや日本なんかの感覚とはチョッと違う。
性善説という名の座布団のうえに胡座(あぐら)をかいた上での厳重なる警戒。
一生懸命走っている選手の邪魔をする、そんな不届き者が現れるなんて、まったく想定していない厳重なる警戒。

でも、3位でゴールしたデリマ選手の笑顔は爽やかで、見ていて嬉しかったですね。
競技場の観客(7万2千人)の声援と拍手も素晴らしかった。
こんな瞬間に、やっぱスポーツってのはいいものだなぁ、と……単純な俺は……胸を熱くしちゃうんですよね。

閉会式では、次の開催地・北京をアピールするパフォーマンスも披露されました。
演出は、『英雄 HERO』が全米大ヒットのチャン・イーモウ監督。

超ミニのチャイナドレス姿で中国の伝統楽器(二胡とか胡弓とか)を演奏しながら(激しく身をくねらせ)踊って唄う女の子たち。中国武術を組み込んだダイナミックなダンス。極彩色の衣装が鮮やかな京劇の、伝統を強調した三部構成。
特にチャイナドレスの女の子たちが素晴らしかった。
あの女の子たちをかぶりつきで(至近距離から)見るためにオリンピック選手を志す、そんな少年たちが大勢現れることを祈ってます。

しかし、チャン・イーモウ、どんどん違う方向に走っているみたいだけど……もう、本人ではどうしようもない立場になってるんだろうな。
『紅いコーリャン』や『菊豆』の監督と、同一人物とは思えないくらい変わっちゃいましたね。

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