soe006 VHSデジタル化プロジェクト:File00

この日記のようなものは、すべてフィクションです。
登場する人物、団体、裏の組織等はすべて架空のものです。ご了承ください。

VHS時代の終焉に、いまごろ気づく阿呆

August 21, 2007

それは或る日の午後のことでした。
近所のディスカウント・ストアに、ビデオテープを買いに行ったんです。
BS映画の録画用に、いつも買っている10本1000円くらいの安いのを。
ところが……

山積みされているはずのビデオテープが、見当たらない。
どうも最近棚替えをやったらしく、いつもの場所には、DVD-RやCD-Rを積んだワゴンが置いてあります。
辺りを見回したところ、視界にビデオテープがないので、
「特売のビデオテープは、どこやねん?」と、店員に尋ねました。
推定年齢30歳くらいの女性店員Aさんが、微妙に丁寧な物腰で誘導してくれました。先に歩く彼女のヒップラインをぼんやり眺めながら、「ねーちゃん、いいケツしとるやんけ」と声を掛けますと、まだ接客業務に馴れていないみたいで、返事もしてくれません。店の奥の、家電売り場の片隅で突如立ち止まり、「こちらでございます」と言い残すと、足早に去ってしまいました。
それはさておき……

なんと、VHSテープはカセットテープの棚に並べられていました。その隣は、TVアンテナとそのコード・接続端子など。
一般客がほとんど足を向けない地味な場所に移動していたのであります。目当ての10本990円の特売品はありましたが、品揃えは以前の30パーセント程度。
唖然、となったのであります。

そこで私は言葉にならぬ危機感を抱えたまま、ビデオデッキ売り場へと走りました。

自慢じゃないが、私が最初に買ったビデオデッキはSONY製のベータHI-FI。購入時の価格は25万円。録画テープは、500(通常モードで2時間、長時間モードで3時間録画可能)が1本650円くらいだったと記憶しています。
数年もしないうちに、街のあちこちにビデオレンタル店ができましたが、ベータのソフトは品揃えが少ない。
ブランクのテープを買いに行っても、ベータを置いてある店は探さなきゃない。
ビデオテープ=VHSの時代に突入していたのでございます。
これは不便と、断腸の思いでベータを捨て、三菱製のVHS機を購入。約10年間酷使した結果、ヘッド部が損耗。修理に出すと部品交換込みで2万以上かかるという。どうしようかな? なんて足りないアタマで悩みつつ、家電量販店を覗いたら、BSチューナー付きハイファイ・デッキに1万以下の値札が付いているではありませんか。
現在あるのは、そのとき買い換えた2代目の三菱製。他社のだと、以前録画したテープのトラッキングが合わないとういことで、同じメーカーの製品を買ったわけです。
これも、購入から既に10年近く使っているので、そろそろヤバイかな? とか悠長に考えていたのですが……

なんと、このディスカウント・ショップには、ビデオデッキの陳列棚が見当たりません!
かつてビデオデッキがズラリ並んでいた棚は、DVDプレイヤーが占領しています。一見VHSデッキのような外観の機械も、よっく目を凝らしてみればDVDダビング用。もちろん、レーザーディスク・プレイヤーは見る影もありません。しかも……
ブルーレイなどという聞き慣れない新機種まで登場してきている!

もうVHS機器は生産してないのか?
辺りを見回すと、ちょうど先ほどの店員Aさんが視界に入ったので、声を掛けようとしましたが、(なにがあったか知りませんが)私と視線が合った瞬間、彼女は速効で商品棚の陰に身を隠したのでございます。
とにかく、私はパニクってしまい、目的のビデオテープも買わず、呆然と帰宅したのでありました。

家に戻って、インターネット等を駆使しつつ、現状を調査分析した結果、重大な事実が判明しました。

VHSの時代は、すでに終わっていた。

そういえば私も、数年前よりラジオからの録音をWAVE形式でパソコンのHDDに取り込み、更にWMAやMP3に圧縮してCDRに保存しており、カセットデッキは以前録音していたテープの再生専用に使っていたのでありました。それらも、いつかはデジタル化しておかなきゃなー、とか考えてはいたのですが……面倒臭いのでそのままにしたまま。
せめて自分が書いたラジオドラマくらいはデジタル保存しておかねば、とか考えているのですが、面倒臭いのでそのままにしたまま。

レンタルビデオ屋だって、DVDがメインとなりつつあるし、レコード屋だって本屋だって、100円ショップまでもがビデオソフトでなくDVDソフトを扱っている時代なのであります。
VHSやLDを中古屋に持っていっても、買い取ってくれません!
かつてベータ版を扱っているレンタル屋を探して、街を彷徨していたころの苦い記憶も蘇ってきました。
あと数年もしないうちに、現在使用中のビデオデッキは故障することでしょう。生産されていないから新品に買い換えることは不可能。まだしばらくのあいだは交換部品がメーカーに在庫されているでしょうけど、法外な修理費を払ってまでVHSを使い続ける勇気は、私にはありません。
残されるのは、再生不可能なVHSテープが約1000本。

そこで、決断。

さよなら、VHS。こんにちは、デジタル。

VHSに見切りをつけた私は、今後一切のTV録画を、デジタル保存することに決定したのであります。
録画品質に不満はないんですけどね。家庭のテレビで見るぶんには、現状のテープ録画で充分。基本的に映画は映画館で観る主義だし。ただ名画座が無くなっちゃってるから、公開済みの映画はビデオに頼るしか方法がないんですね。

先のことは、この際、どうでもいいです。
問題なのは……
録るだけ録って、まだほとんど見ていない約1000本のビデオテープ。

録画しただけで何年も見てないんだから、これから先もずーっと見ないんじゃないの? という一抹の不安も、ないことはないのですが……

ビデオテープは、放っておいたらカビの温床。
俺様は、カビ養殖業者か? いや断じて違うぞ。
これまでの自分の行為を正当化するためには、なにがなんでも、老朽化してゆくビデオデッキを酷使して、サルベージしなきゃなりません。
VHSデッキが壊れるのが先か、テープが黴びるのが先か、約1000本のコンバート作業に、私が飽きる(または萎える)のが先か。
これは時間との戦いです。

斯くして、VDCP(VHSデジタル化プロジェクト:Videotape-Digital Convert Project)は、スタートの火蓋を切ったのでありました。

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VHSデジタル化プロジェクトの全貌
VHSデジタル化プロジェクト:File04(2007年09月01日)
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