マシン・スペックの限界に泣く
August 26, 2007
VDCP(VHSデジタル化プロジェクト:Videotape-Digital Convert Project)とは、録るだけ録って放置されたままになっていた約1000本の録画済みVHSテープを、黴の養殖場となる前にデジタル・ファイルにコンバートし、これまでの愚行を自己正当化させることを目的とした、稀有壮大な計画であります。
VDCP連載4回目。
最大の難関であった(銭がかかる)行程を無事終了し、これで計画はほぼ完遂したも同然。
あとは、VHSテープを再生し、デジタル化し、圧縮してDVD-Rに焼くだけであります。
まずVHSを再生してみる
とりあえず、再生、録画(デジタル化)は、キャプチャ(BUFFALO PC-MV1TV/PCI)にオマケで付いていた「PCast TV」なるソフトでやってみることにしました。
「PCast TV」を起動すると、このような2つのウィンドウがパソコンに表示されます。
上が動画を閲覧するウィンドウ。下がプレイヤー・ウィンドウ。
テレビの画面と、DVDレコーダーのフロントみたいな感じですね。
機能もDVDレコーダーと、ほぼ同じような感じ。[REC]ボタンをクリックして録画スタート。ハードディスク内蔵DVDレコーダーと同様にタイムシフト再生(追っかけ再生)もできます。静止画キャプチャも付いてます。再生時にはCMスキップ(スキップタイムは自由に変えられる)もできます。
今回はテレビ放送は受信しませんけど……インターネット接続で番組表を閲覧でき、留守番録画も可能。
地上波アナログ放送は2011年7月に終了しますが、あと4年くらいは大丈夫。テレビも見られます。
さて、VHSからの映像ですが、コンポジット端子からの入力が原因でしょうか、微かに波が現れます。
安物のケーブルを使っているから、それが原因かもしれません。
神経質な人は気になるでしょうけど、鈍感な私は気にしないことにしました。
なんてったって、4000円のキャプチャですもの。
画面の明るさ、コントラスト、色合いなどは、プレイヤー・ウィンドウから調節可能。
VHS再生は、問題ありません。
問題は録画であります。
録画方式は、MPEGの他に、Windows Mediaや、AVIの各種コーデックを使った圧縮ができる、はずですが……出来ません。
理由はひとつ、CPUの限界を超えた要求だから。
なにしろ、Windows XP が発売される以前のスペックですからね。
動画再生はさておき、コーディックなんて想定外。
タスクマネージャを見ると、録画中のCPU稼動率は常に100%!
SYSTEM以外の常駐ソフトを全部終了させても、CPU稼動率100%!
それでもなんとかならんものかと……
三日三晩不眠不休で、あれやこれや試行錯誤した結果、キャプチャで取り込みながら同時に圧縮保存することは、現状では不可能なことが判明。
取り込みは、解像度 320x240のMPEG2でのみ良好可能。
640x480で保存したら、パラパラ・マンガみたいな、コマ落としになっちまいました。
この問題を解決するためには、マザーボードの交換、すなわちパソコンの買い換え以外に道はなし。
ということで、
録画品質は次の如く決定。(他に選択の余地なし!)
[ビデオ形式] MPEG2 解像度:320x240
[固定ビットレート] 3125kbps
[オーディオ形式] 224kbps 周波数:48kHz
「PCast TV」の録画/圧縮形式の設定ウィンド
最高品質で録画したら、コマ落ちしちゃいました。
再生時のオリジナル画面(320x240)は、この大きさ(原寸大)。
これだと小さいので、PCで視聴する際には 200%に拡大。
かなり甘い画像(ボケボケ)になります。
(原寸大:一部のみ表示)
家庭で「鑑賞」が目的なら……
ブルーレイ&大型ハイビジョン、AVアンプ&5.1サラウンド・スピーカーを設置。見たい映画は市販のDVDを購入。
映画は映画館派の俺には、関係ない世界。外資系シネコンが上陸して以来、ニッポンの映画館はすいぶん良くなりましたからね。(早朝割引やレイトショー割引で)1200円で観られるのに、AV機器に数十万も投資して、見合うものがあるのかしら? 時空間が解放されている家庭じゃ、映画は愉しめないっすよ。
VDCP(VHSデジタル化プロジェクト)では……映画のノーカット収録は当然として、あとはどんな構成・ストーリーなのか、セリフ、キャメラアングル、劇伴音楽、効果音などを「確認」できればいいわけです。
目的がハッキリしているから迷いはありません。
無事、MPEG2形式でHDDに収められただけでも、ヨシとしましょう。