ゲイリー・バートンの代表作
超オススメ! ゲイリー・バートンを聴くなら、まずこの1枚から。
Chick Corea and Gary Burton In Concert Zurich Oct 28 1979チック・コリア(ピアノ) 1. Senor Mouse 1979年10月28日 スイス・チューリッヒにてライヴ録音 |
1970年代、ギンギンのハードロック路線と並行してチック・コリアが行ったゲイリー・バートンとのデュオ・コラボレーションは、1973年の「クリスタル・サイレンス」に始まり、続編の「デュオ」(1979年)を経て、その集大成ともいうべきこのライヴ盤へと発展しました。
ピアノとヴィブラホンという音色の似通った打鍵楽器のデュオでありながら、二人が創出した音世界は万華鏡のように多彩できらびやか。
硬質な音色ながら、奏でられる音楽はすこぶる柔らかくハートフル。
全編緊張感に充ち満ちて、しかし成熟したインタープレイにはリラックス・ムードが漂っています。
この一見矛盾した表現も、聴いた方ならどなたも納得されるでありましょう。
超個人的に、チック・コリアのアルバムのなかで最も大好きかつ高評価しているのが、このライヴ盤なのであります。
第1弾の「クリスタル・サイレンス」も、タイトルどおり透明で静謐な雰囲気に心洗われる名盤でしたが、このライヴ盤はよりいっそう充実した演奏となっています。
大編成のライヴ・アンダー・ザ・スカイに興奮して、身も心もチック・コリアに捧げていた頃にリリースされ、チック・コリアさえいれば他になにもいらない、とまで思いこませた超名盤。
最初の「セニョール・マウス」の絡みから、もう金縛り状態。演奏がすすむにつれ、ふたりの術中にハマリまくり。
残念なのは、オリジナルLP(2枚組)にあったソロ・パフォーマンスの2曲(「I'm Your Pal/Hullo, Bolinas」と「Love Castle」)が、CD化に際してカットされていること。
なんとモッタイナイことをするのか!
ECM はキース・ジャレットの「ケルン・コンサート」もCD化で一部カットしてリリースしたが、あれはいい、まだ許せる。しかしこのデュオ・コンサートのカットは絶対に許せない。しかも「ケルン」は後年完全盤を出しておるではないか。なぜだ? 是が非にでも1枚で売らなきゃならん理由などない。2枚組でけっこう。CDなんぞ材料費は高が知れてる。500円アップでも文句は言わん。1日も早い完全盤の発売を、切に願うものなり。