売れ行き好調なクラシックCD
May 19, 2006
唐突に「剣の舞」が聴きたくなったので、雨が降らないうちに、大急ぎで近所のCD屋まで自転車をカッ飛ばしました。
ちゃちゃちゃ、ちゃららんちゃちゃっ、ちゃららんちゃちゃっ、ちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃーん、ぱーうぉ〜ん、ぱーうぉ〜ん……
このネタ、もう厭きました?
お察しのとおりハチャトゥリアンの綴り(スペル)は、Khachaturian
Hの棚を探しても見つかりませんです。
ハチャトゥリャン:管弦楽作品集アレクサンドルラザレフ指揮 ボリショイ交響楽団
1. バレエ組曲「ガイーヌ」 1993年 デジタル録音 Erato |
そんなことは、どーでもいいけど。
最近CD屋を覗いてウンザリするのは、「ベスト・クラシック100」とかのブツギリ寄せ集め盤の氾濫。
よくまあ各社、次々と出すもんですね。
売れるから出すんだろうけど、ほんとに売れてんのかな?
近所のCD屋に勤務する店員1人に訊きました。
「こんなの売れてるの?」
「クラシックで売れてるのは、この類のCDだけです。あと、フィギアスケートBGMのアルバムも先月までは出てましたけど、もうダメですね。暖かくなってピタッと止まりました。この店で通常のアルバムを買ってるの、お客さんだけですよ……しかし、あんた、いつも廉価盤しか買わないね。たまには3000円のも買ってよ」
「いやじゃ、1枚1200円以下でなきゃ買う気が起こらん」
なるほど、アマゾンのクラシック・トップセラーを見ても、1000円以上お買いあげの方に無料進呈的有料サンプラーCDばかりがズラッとならんでおります。
まぁ、なんでこういうのが売れちゃうのかって、つらつら考えてみると……たぶん、いつかどこかで聴いたことのある、知ってる有名曲ばかりがズラッと並んでいるからでしょうね。
クラシックって、交響曲第○番とか、ソナタ第○番とか、曲のタイトルが味気ない、というか、中身が分かりづらいのが多い。
ドヴォルザークの第9番って言ってもピンとこないけど、「新世界より」って言うと、それ好きよ、って人は、けっこう多いと思う。
だから、表題付きの曲が人気あるんでしょうし、ベートーヴェンの「運命」とか、モーツァルトの「ジュピター」みたいに、ニックネームで呼んだりしちゃう。
ロマン派以降は交響曲が廃れちゃって、表題付きの交響詩が主流になったんだけど、そういうところにも理由があったのか、なかったのか……
まあ、曲の背景というか表現しようとしているものが、具体的であったほうが分かりやすいでしょう。名曲解説のガイド書や国内盤CDのライナーノートには書いてあるけど、ズバリ曲名で内容を表していたほうが、取っつき易いです。作曲家が表現しようと思っていたものと、演奏されたものがぜんぜん違う方向を向いていたりすることもあるけど、それはそれとして、ベルリオーズの「幻想交響曲」みたいにストーリーがあったほうが手に取りやすい。
プッチーニの「トゥーランドット」よりも、「イナバウアーのテーマ」とかのほうが、もっと分かりやすい?
誰もが何処かで聴いたことのある曲ってことで連想するのが、ジョン・ウイリアムス。
多分この人の人気って、そこにあるんじゃないのかしら。
JWファンクラブの会長さんが、事あるごとに、「○○を彷彿とさせる」ってフレーズでウイリアムスを褒めるけど、それ以外に褒める手段が見出せない作曲家さんですものね。
誤解のないように付け加えておきますが、私も好きですよ、ジョン・ウイリアムス。
でもね……
この人が映画音楽史上ナンバーワンの作曲家みたいな扱いされると、それは違うと思うのよ。AFI(American Film Institute:アメリカ映画協会)選出のベストワンとかね。
このところ名曲クラシックばかり聴いてるけど、唐突にジョン・ウイリアムスが出てくるので困ってるんですよ。
さっきまで、カラヤン&ベルリン・フィルの「白鳥の湖」を聴いていたんですけど、ど派手で大仰な「フィナーレ」を聴いていて、本末転倒なのは分かってますけど……実に「スター・ウォーズ」的だなー、とか。
チャイコフスキー:3大バレエ・ハイライト
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
バレエ組曲「眠りの森の美女」 1966-71年 ステレオ録音 |
やたらとでかい音量でうねらせるところが、よく似ています。
あえて、パクリとか盗作とかって呼びませんけど……意識して真似しているところはあるでしょう。
でなきゃ、こう物真似そっくりさん音楽ばかりたくさん作れませんよ。
「レックス・ルーサーのテーマ」や「フック船長のテーマ」や「帝国のマーチ」や「イウォーク・パレード」なんかは(他にもいっぱいあるけど)、プロコフィエフ抜きにして語れないし、「ジョーズ」のクライマックス場面は、もろ「春の祭典」ですからね。
嫌いじゃないんですよ、ほんとうに。
「帝国の逆襲」なんか、(あまりにもチャイコフスキー的で)大好きなんですよ。
我が国の久石譲先生なんかも、同じ意味で人気あるんだろうな。
で、昨日買ってきた「ハチャトゥリアン管弦楽作品集」を聴いていて、映画音楽についての考え方をまとめてみたんですけど。
今日も長くなったので、また今度……