2022年 04月(7本)
2022/04/04
ジュニア・ボナー/華麗なる挑戦
JUNIOR BONNER
1972年(日本公開:1972年10月)
サム・ペキンパー スティーヴ・マックィーン ロバート・プレストン アイダ・ルピノ ベン・ジョンソン バーバラ・リー ジョー・ドン・ベイカー メアリー・マーフィ ビル・マッキーニー ダブ・テイラー チャールズ・グレイ マシュー・ペキンパー サンダウン・スペンサー
久しぶりに故郷アリゾナ州プレストンに帰ってきたスティーブ・マックィーンは、ロデオ大会で前回失敗した荒牛乗りに再チャレンジ。見事新記録をだして賞金を獲得する。
翌朝、母親アイダ・ルピノに別れを告げると、金鉱採掘で一攫千金を夢見る父親ロバート・プレストンのためにオーストラリア行きの航空券(ファースト・クラス)を買い、次の巡業への旅に出る。
最も好きなサム・ペキンパー監督の映画。
最も好きなスティーヴ・マックィーン主演の映画。
時代遅れのカウボーイ稼業に身を置くマックィーンとロバート・プレストンの父子をメインとした家族の物語。
ペキンパーの理想、男の夢。ファンタジー。
マックィーンのソーラー・プロが製作。
プレストンがオーストラリア行きの費用をマックィーンに無心する駅の場面がいい。
ロデオ競技の場面は、かなりのショットでマックィーン自身が演じている。
母親役のアイダ・ルピノは1950年代に活躍した女優さん。
この映画と「ハイ・シエラ」と「魔鬼雨」の3本だけでしか見ていなかったけど、50年代にはスリラー映画の監督もやっていたことを最近になって知りました。
75点
#サム・ペキンパー
2022/04/06
ワイルドバンチ
THE WILD BUNCH
1969年(日本公開:1969年08月)
サム・ペキンパー ウィリアム・ホールデン アーネスト・ボーグナイン ロバート・ライアン ウォーレン・ウォーツ ベン・ジョンソン エドモンド・オブライエン ジェイミー・サンチェス ストローザー・マーティン L・Q・ジョーンズ エミリオ・フェルナンデス ボー・ホプキンス アルバート・デッカー ハイメ・サンチェス ダブ・テイラー アルフォンソ・アラウ ポール・ハーパー エルザ・カルデナス
ウィリアム・ホールデンをリーダーとする壁の穴ギャング団は、鉄道会社の罠に嵌められ強盗に失敗、追跡を逃れて国境を越える。メキシコ政府軍を指揮する将軍エミリオ・フェルナンデスは、アメリカ軍用列車から武器弾薬を強奪するよう彼らに依頼する。
時代の変化についていけない、取り残されてしまった無法者たちの挽歌。
ウィリアム・ホールデン、アーネスト・ボーグナイン、ロバート・ライアンと、ビッグネームのスター俳優が出演し、大仕掛けの見せ場が多いので、サム・ペキンパーの代表作とされている。
ペキンパーをバイオレンスだけで語るのは嫌で、むしろバイオレンス抜きで語られる部分にペキンパー映画の本質があり魅力だと思っているのだけど。
本作の高速撮影されたスローモーション・ショットの編集は、やっぱり迫力がある。
パイク(ウィリアム・ホールデン)がマパッチ将軍(エミリオ・フェルナンデス)を撃ったあとの僅かな静寂、一触即発の緊張からダッチ(アーネスト・ボーグナイン)が笑い出す。この一連の短いショットに、男たちのストーリーがグッと凝縮している。これだよ、これ、これ! これが映画を観る醍醐味なんだよ。
撮影監督はペキンパーとのコンビで傑作が多いルシアン・バラード。過去にはキューブリックの「現金に体を張れ」も撮っている。編集はこのあと「砂漠の流れ者」でもペキンパーにこき使われるルー・ロンバルド。冒頭の銃撃戦やクライマックスのアクション・シーンなど、編集の妙技、名人芸だ。
ストローザー・マーティン&L・Q・ジョーンズ。
「砂漠の流れ者」でもコンビを組んでいた下劣な悪党二人組。L・Q・ジョーンズは出てくるといつも殺される。本作では殺されるシーンは描かれていないが、ラスト場面のエドモンド・オブライエンのセリフで、やっぱり殺されたことが分かる。
ペキンパー映画の常連俳優、ベン・ジョンソンとウォーレン・オーツ。
あてがわれた女たちと酒樽ではしゃぎ遊ぶ。水浴び場面はペキンパー映画の付きもの。
川で(「荒野のガンマン」「ダンディー少佐」)、池で(「ゲッタウェイ」)、風呂で(「砂漠の流れ者」「ビリー・ザ・キッド/21才の生涯」)。
ペキンパー映画に付きものといえば子供たち。特に「ワイルドバンチ」は印象に残る子供が多い。冒頭のサソリを殺して遊ぶ子供たち。敵を目前にして怯まないマパッチ将軍に憧れの眼差しを向ける少年。パイクに致命傷の銃弾を撃ったのも少年だった。
映画ガイド書などで「ワイルドバンチ」やペキンパー映画について、「汚い衣装や髭面、残酷アクションはマカロニ・ウエスタンからの影響」と書かれているのを見かけるが、これは誤り。
「荒野の用心棒」でマカロニ・ブームが起こる前にペキンパーは「ダンディー少佐」の撮影を開始している。ペキンパーもセルジオ・レオーネも同時代に偶然同じような映画を考えていたのだと思う。
影響というのなら、ふたりとも黒澤明の「七人の侍」や「蜘蛛巣城」「用心棒」からの影響が断然強い。
「ワイルドバンチ」と同じテーマを扱った「明日に向って撃て!」を比較すれば、ジョージ・ロイ・ヒルが黒澤映画にほとんど影響受けてないことが分かっておもしろい。
大虐殺のあと、ハゲタカが集まり、住民たちは町を捨てて出ていく。
行き場を失って放心状態のロバート・ライアン。
この映画、最初はテレビの洋画劇場(90分枠の「土曜映画劇場」で前後2回に分けて放送)で見てぜんぜん面白くなく、その後、池袋文芸坐で観たら(プリントは退色して赤茶けてたけど)凄くて面白くて断然お気に入りになった。テレビの洋画劇場は(吹き替えとか、カットとか、トリミングとか、CMとか)いろいろと糞だったが、田舎の中学生はそれでしか過去の映画に接する機会がなかったのだから仕様がない。
75点
#1960年代の西部劇
#サム・ペキンパー
2022/04/08
明日に向って撃て!
BUTCH CASSIDY AND THE SUNDANCE KID
1969年(日本公開:1970年02月)
ジョージ・ロイ・ヒル ポール・ニューマン ロバート・レッドフォード キャサリン・ロス ストローザー・マーティン クロリス・リーチマン ジョージ・ファース ジェフ・コーリイ テッド・キャシディ ケネス・マース ドネリー・ローズ チャールズ・ディアコップ ジョディ・ギルバート ティモシー・スコット ドン・キーファー ネルソン・オルムステッド サム・エリオット
ユニオン・パシフィック鉄道の列車を往復で襲った壁の穴ギャング団は、鉄道会社に雇われたピンカートン探偵社の執拗な追跡にあう。
ギャング団のリーダー、ブッチ・キャシディ(ポール・ニューマン)は、アメリカの未来に自分たちの居場所が無くなったと悟り、ニューヨーク経由で新興国ボリビアへと渡る。
1898年、アメリカ国勢調査局はフロンティアの消滅を宣言した。都会では市電が走り、巨大なビルが建ち並び、遊興場は大勢の人で溢れ、港には大型汽船が停泊している。
「明日に向って撃て!」でブッチとサンダンスが南米に逃亡(史実では1909年-映画では1898年)したあと、残った壁の穴ギャング団の行末(1913年)を描いたのが「ワイルドバンチ」。時代の変化についていけない、取り残されてしまった無法者たちの挽歌。
ド派手な列車爆破、崖を駆け登り転げ落ちる逃亡シーン、ボリビアの山賊を皆殺しするスローモーション、壮絶なラストの銃撃戦。「ワイルドバンチ」と同じ題材を扱っていて、同じような内容のアクションを見せ場に用意しているというのに、まったく異なる映画になっている。
これは、黒澤映画からの影響が強いペキンパーと、影響を受けていないロイ・ヒルの違いだと思う。
ブッチとサンダンス、男性二人の逃避行にエッタ・プレース(キャサリン・ロス)という女性を加えたのは(史実がそうだったからというだけでなく)トリュフォー「突然炎のごとく」からのアイデアだと思う。「突然炎のごとく」だけでなく、フランス・ヌーヴェルヴァーグはこの時期のハリウッド映画にかなり影響を与えている。
自転車乗りの場面、ニューヨークでの遊興と船旅、ボリビアでの強盗生活、エッタが去る前後。音楽は全部合わせても13分に満たないくらいだが、全編にベタッと劇伴を貼り付けている映画よりも鮮明に残る。テレビ出身の監督は、旧態然としたハリウッド流劇伴音楽を嫌い、ポップスの選曲に躊躇しない。
フォトジェニックなショットと音楽のモンタージュは、1960年代後半に流行したクロード・ルルーシュ「男と女」からの影響。撮影監督は「プロフェッショナル」「暴力脱獄」のコンラッド・L・ホール。ロイ・ヒルとのコンビはこの1本のみ。
軍の兵隊に完全包囲されたブッチとサンダンスが、隠れていた建屋から飛び出すラスト・ショット。モーション・ストップした画面がセピアに色落ちすると同時にズームアウトする。どうやって撮ったのか長いあいだ疑問に思っていたが、望遠で撮った二人のフィルムと同じアングルで撮影した無人のスチール写真を合成したものだと、DVD特典のドキュメンタリーで解説していた。
タイトルバックに映写されているでサイレント映画も、現存する当時のフィルムとばかり思っていたが、本作のために第2班の監督によって撮られたものだった。
ペキンパー映画の常連、ストローザー・マーティン。
ずっと噛み煙草をクチャクチャやってて、ペッと吐き出すたびに口元を拭ってる。こういう汚い仕草は抜群にうまい。実際のマーティンはなかなかのインテリで、クラシック音楽の愛好家だったりもする。
ブッチが小川に投げ捨てた未来の乗り物は、世紀を越えて21世紀も道路を走っている。
75点
#1960年代の西部劇
#ジョージ・ロイ・ヒル
2022/04/12
スティング
THE STING
1973年(日本公開:1974年06月)
ジョージ・ロイ・ヒル ロバート・レッドフォード ポール・ニューマン ロバート・ショウ チャールズ・ダーニング アイリーン・ブレナン レイ・ウォルストン サリー・カークランド チャールズ・ディアコップ ダナ・エルカー ディミトラ・アーリス ロバート・アール・ジョーンズ エイヴォン・ロング ハロルド・グールド ジョン・ヘファーナン ジャック・キーホー ジェームズ・スローヤン アーチ・ジョンソン
師匠を殺された若い詐欺師がベテラン詐欺師と組んでマフィアのボス相手に大仕掛けのペテンを計画。執念深い刑事と殺し屋とFBIと食堂のお姉さんが絡んで二転三転の騙し合い。最後まで騙されていたのは俺だったりする面白映画。
ストーリーに直接関係しないけど、本番前に雨を降らせるのがじんわり効いている。FBIの登場と土砂降りの雨。雲行きが怪しくなってきたぞというメタファー効果。
本番前夜、レッドフォードとニューマンの静かな佇まいを交互にインサートして巧い。
このあたりで観客は主人公たちの心情に(騙されているとも知らずに)完全に同化している。BGMはスコット・ジョプリン「ソラス」のピアノ・ソロ。編曲はマーヴィン・ハムリッシュ。
この時代のネクタイはナプキンのように幅が広い。衣装はイーディス・ヘッド。
高架を通過する電車の音など(デヴィッド・リンチみたいに)けっこうな音量で録られていたことに気づいた。アカデミー賞でも音響賞を受賞している。なるほど。
観るたび毎回違ったところに発見がある。
最後の競馬にロネガンが賭けた50万ドルは現在価値で950万ドル(日本円換算で約10億円)。
ラスト・ショットで主役のふたりがアイリス・アウトしたあとのエンドクレジットが気持ち良い。追い出し音楽は「ラグタイム・ダンス」。
あー愉しかった、面白かったという気分を満喫させてくれる素晴らしい選曲。
ロイ・ヒルは音楽の扱いがとても上手い。イェール大学で音楽を専攻、ヒンデミットに師事していたそうだ。なるほど。
登場人物を絵入りで紹介するメインタイトルは、1930年代ワーナー・ブラザース製作のギャング映画のスタイル。
75点
#1970年代の犯罪映画
#ジョージ・ロイ・ヒル
2022/04/14
華麗なるヒコーキ野郎
THE GREAT WALDO PEPPER
1975年(日本公開:1976年03月)
ジョージ・ロイ・ヒル ロバート・レッドフォード ボー・スヴェンソン スーザン・サランドン ジェフリー・ルイス マーゴット・キダー ボー・ブルンディン エドワード・ハーマン フィリップ・ブランズ ケリー・ジーン・ピータース スコット・ニューマン ロデリック・クック
第一次大戦が終わって、元空軍パイロットのウォルド・ペッパー(ロバート・レッドフォード)は遊覧飛行で日銭を稼いでいたが、同業のアクセル・オルソン(ボー・スヴェンソン)とともに興行師(フィリップ・ブランズ)の航空サーカス団に入ってアクロバティックな曲芸飛行を披露する。
集客が鈍ってくると興行師はより危険な曲芸を求め、女友達(スーザン・サランドン)や単葉機を製作していた相棒(エドワード・ハーマン)を相次いで事故で失い、自身も飛行士資格を永久剥奪される。
空を飛べなくなったペッパーはハリウッドでスタントマンの職を得るが、そこで戦争映画撮影中の独軍の撃墜王ケスラー(ボー・ブルンディン)と出会う。ふたりの飛行機乗りは撮影を無視して空中戦を繰り広げ、雲の彼方へと消えてゆく。
見所は本物の複葉単発機(単葉機や三葉機も)を大空に飛ばして、本物のスタントマンが身体を張って撮影された、本物の空撮シーン(CG当たり前の21世紀だから何度も本物と連呼したくなる!)。飛行中の主翼の上を歩いたり、隣の翼に乗り移ったり、宙返りに失敗したり、ラストのドッグファイト。本物でないと味わえないドキドキハラハラ。
撮影は「ベン・ハー」「卒業」のベテラン、ロバート・サーティス。ロイ・ヒルとは「スティング」に続いてのコンビ。このあとロバート・ワイズの「ヒンデンブルグ」も撮っている。
空撮アドバイザーとしてクレジットされているフランク・トルーマン、およびスタントマン、パイロットたちに勲章をあげたい映画。
ロイ・ヒルのオリジナル・ストーリーを元にウィリアム・ゴールドマンが脚本化。
大空の魅力に憑かれた男たちの話だが、レッドフォードでは役が弱い。マックィーンが演っていたらもっとギラギラしたものになって、男のロマンも本物に感じられただろう。
撃墜王との昔話(騎士道精神の話)も押しが足りない。
映画女優のような喝采を欲してエロティック曲芸に挑むスーザン・サランドンがなかなか良い感じ。ペッパーのガールフレンド、マーゴット・ギターはこれといって見せ場もなく可愛い女の子なら誰でも良い配役。
飛行機に乗せてあげるからと手伝わされ、ガソリンスタンドを何度も往復するタイトルバックの少年が良い。
映画は 2.35:1のアナモレンズを用いたスコープのトッドAO_35mm で撮られているのだが、現在流通しているビデオはテレビ放送用にスタンダード・トリミングされたDVDのみ。画質も甘い。
大空飛び交う複葉機の空撮を最大の見せ場とした、それだけが魅力と言ってもいいスペクタクル映画なので、オリジナルのアスペクト比でなきゃ本来の面白さは出ない。
ユニバーサル・ピクチャーズのDVDは(大手なのに)こういう手抜きな商品がある。VHS時代から同じトリミング版を繰り返し販売している。どうにかしろよ。
マンシーニのサウンドトラック盤も映画公開時にLP(MCA)が出たっきりでCD化されていない。こちらもなんとかしろ。
65点
#ジョージ・ロイ・ヒル
2022/04/16
スラップ・ショット
SLAP SHOT
1977年(日本公開:1977年10月)
ジョージ・ロイ・ヒル ポール・ニューマン マイケル・オントキーン ジェニファー・ウォーレン メリンダ・ディロン ストローザー・マーティン リンゼイ・クローズ スウージー・カーツ キャスリン・ウォーカー ポール・ドゥーリイ
寂れゆく地方の工業都市をホームタウンとする、弱小アイスホッケー・チームの話。
汚い言葉と汚いラフプレイがリンクを飛び交い、プロスポーツ興行の楽屋裏(実際はもっと複雑で個々の欲望が錯綜する闇世界)にも言及。減税目的で赤字チームをスポンサードしているオーナー。シーズン後の移籍を心配するプロ選手たち。
新加入のハンセン三兄弟大暴れの快進撃。
世間にヒール(悪役)と罵られていようと、勝てば良かろうなファン心理。
エキサイティングな氷上の戦いが迫力たっぷりに撮られていて爽快。
当時52歳のポール・ニューマン、身体のキレが良くスケートもメチャうまい。
リーグ決勝戦はルール無用のデスマッチ・プロレス。血まみれの乱闘はスポーツ選手のプライドを脱ぎ捨てたストリップ・ショーで大団円を向かえる。
ポール・ニューマンとジェニファー・ウォーレンの別居夫婦とマイケル・オントキーンとリンゼイ・クルーズの2組のカップルの男女関係のもつれが、分かりにくくまどろっこしく、破天荒でナンセンスな試合場面と噛み合ってない。あれもこれもと手を広げて薄味なってしまった。スラップショット(会心の一打)にはちょいと届かない。
脚本はナンシー・ダウド。女性が書くダーティワードは極端に振られて下品だ。ノーラ・エフロンも意図して汚い言葉を使う。個人のストレスをシナリオで発散させているのだろうか。
マキシン・ナイチンゲールの「Right Back Where We Started From」他、70年代のポップソングが随所に挿入される。エルマー・バーンスタインが音楽担当でクレジットされているが、オーソドックスな劇伴はなし。最初からブラスバンドの編曲のみで起用されたのか、それとも作曲したのに(ロイ・ヒルがありきたりな劇伴を嫌って)編集でリジェクトされたのか。いずれにしてもバーンスタインはもったいない使われ方されている。
いつもよりうんと小綺麗なストローザー・マーティン。
チームのマネージャー役。西部劇以外で彼を見るのは珍しい。
パンタロンとかラッパズボンとか呼ばれていた、裾が爪先まで広がっているベルボトム(今風に言うとブーツカット?)は当時の流行。みんなこんなの履いていた。
60点
#ジョージ・ロイ・ヒル
2022/04/30
ガープの世界
THE WORLD ACCORDING TO GARP
1982年(日本公開:1983年10月)
ジョージ・ロイ・ヒル ロビン・ウィリアムズ メアリー・ベス・ハート グレン・クローズ ジョン・リスゴー ヒューム・クローニン ジェシカ・タンディ スウージー・カーツ アマンダ・プラマー ウォーレン・バーリンジャー ブランドン・マガート ジェニー・ライト
人生とは、産まれて生きて死ぬこと。
人生は(死ぬまでの)素敵な冒険だ。
風変わりな家族の喜怒哀楽を諧謔趣味で描いたジョン・アーヴィングの原作を、ジョージ・ロイ・ヒルが映画化。ロビン・ウィリアムス、グレン・クローズの出世作。女装のジョン・リスゴーも記憶に強く残る。
赤ん坊が宙にふんわり浮かぶメインタイトルにザ・ビートルズの「When I'm Sixty-Four」。他にナット・コールの「There Will Never Be Another You」とアリス・クーパーの「A Long Way To Go」。この監督の選曲はいつもいい。
奇想天外、波乱万丈の物語。ときに執拗でグロテスクな原作を、スッキリとテンポよく、ファニーな寓話に仕立て直して良好。脚色はスティーブ・テシック。
悲劇の予感を漂わせながら全体をユーモラスに描き、湿っぽくならない。その匙加減が絶妙。40年ぶりの再見だったが、公開時に見たときより感銘深かった。
公開当時は「フェミニズム」なんて言葉使ってる人はいなかったように思う。
時代に先んじた傑作ということか。
墜落する飛行機の操縦士役は監督のジョージ・ロイ・ヒル。
レスリングのレフェリー役を原作者のジョン・アーヴィングが演じている。
グレン・クローズの両親役はジェシカ・タンディ&ヒューム・クローニン。
この二人の老優は実際に夫婦だった。
75点
#ジョージ・ロイ・ヒル