soe006 JAZZ評論の真実

この日記のようなものは、すべてフィクションです。
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JAZZ評論の真実

September 6, 2003

ジャズ評論家の三種の神器とは、
まず人名辞典、次にディスコグラフィー、そして他人が書いたライナーノートってのは、ラズウェル細木「ときめきJAZZタイム」のネタではあるが、 あながち嘘とも決めつけられないところが、JAZZ評論の哀しい世界である。 ラズウェル細木の漫画の続きを見てみよう。

「ジャズ評論家は非常に忙しい。ソープランドの待合室で原稿を書かねばならないこともしばしばである。だからこの三種の神器を駆使してサササッと書き上げることが必要となる」
「まず、他のアルバムのライナーを読んで、ミュージシャンの雰囲気を掴みテキトーに前書きする」
「そして、おもむろにパーソネルの紹介に入る。ライナー以外にまとめて書いてあっても、ジャケットやオビに書いてあっても、おかまいなしにもう一度、ライナー中に書き出すのだ。ビッグバンドなど大編成の場合は、それだけで30行くらいかせぐこともできるというわけだ」
「あとは人名辞典を見て主要人物の略歴を書き、残りは通りいっぺんの曲目紹介をすれば、いっちょあがりだ。曲目紹介は「軽快なテンポでホットなソロが続く」と、こんな程度でよい」

これで誰もがJAZZ評論家になれるのである。
さっそく試してみよう。

題して……アタマを使わずに文章を書く!

JAZZ評論、第1の真実

アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション
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アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション
Art Pepper Meets The Rhythm Section

(Contemporary)
アート・ペッパー(as)、レッド・ガーランド(p)、ポール・チェンバース(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)
1957年1月19日録音

「アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション」(Contemporary)
天才サックス奏者アート・ペッパーが真の天才ぶりを発揮したのが、当時マイルスのリズム・セクションと共演したこの1枚だ。なにも言わずにオープニングの「ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ」を聴いてみて欲しい。わずか5分の演奏の中で彼がジャズのあらゆる要素を表現していることがわかってもらえるだろうか。
ペッパーの吹くフレーズがどれだけ多彩なことか。ひとつとして似たものがないことに気がつくはずだ。天才のアドリブ奏者としての彼の真骨頂が発揮されていることがこれによって理解できるだろう。
そして絶妙な間の取り方。リズム・セクションの素晴らしさにサポートされ、ペッパーはここで最高にエモーショナルな間を取ってみせる。ジャズはただテクニックを駆使して難しいフレーズを演奏すればいいというものではない。この間の取り方がペッパーの場合、誰にも真似できない深い歌心につながっているのだ。

JAZZ評論、第2の真実

デューク・ジョーダン:フライト・トゥ・デンマーク
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デューク・ジョーダン:フライト・トゥ・デンマーク
Flight to Denmark Duke Jordan Trio

(SteepleChase)
デューク・ジョーダン(p)、
マッズ・ビンディング(b)、エド・シグペン(ds)
1973年11月、12月、コペンハーゲンで録音

「デューク・ジョーダン/フライト・トゥ・デンマーク」(SteepleChase)
天才ピアニスト、デューク・ジョーダンが真の天才ぶりを発揮したのが、ヨーロッパのリズム・セクションと共演したこの1枚だ。なにも言わずにオープニングの「危険な関係のブルース」を聴いてみて欲しい。わずか5分の演奏の中で彼がジャズのあらゆる要素を表現していることがわかってもらえるだろうか。
ジョーダンの弾くフレーズがどれだけ多彩なことか。ひとつとして似たものがないことに気がつくはずだ。天才のアドリブ奏者としての彼の真骨頂が発揮されていることがこれによって理解できるだろう。
そして絶妙な間の取り方。リズム・セクションの素晴らしさにサポートされ、ジョーダンはここで最高にエモーショナルな間を取ってみせる。ジャズはただテクニックを駆使して難しいフレーズを演奏すればいいというものではない。この間の取り方がジョーダンの場合、誰にも真似できない深い歌心につながっているのだ。

うひょひょひょひょ……幾らでも書けるぞ!

JAZZ評論、第3の真実

シェリー・マン・アンド・ヒズ・フレンズ:マイ・フェア・レディ
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シェリー・マン・アンド・ヒズ・フレンズ:マイ・フェア・レディ
Shelly Manne and Friends Modern Jazz Performance of Song from My Fair Lady

(Contemporary)
アンドレ・プレビン(p)、リロイ・ヴィネガー(b)、シェリー・マン(ds)
1956年8月17日、ロサンゼルスで録音

天才ドラマー、シェリー・マンが真の天才ぶりを発揮したのが、ウエスト・コーストのリズム・セクションと共演したこの1枚だ。なにも言わずにオープニングの「教会に間に合うように行ってくれ」を聴いてみて欲しい。わずか5分の演奏の中で彼がジャズのあらゆる要素を表現していることがわかってもらえるだろうか。
シェリー・マンの叩くリズムがどれだけ多彩なことか。ひとつとして似たものがないことに気がつくはずだ。天才のアドリブ奏者としての彼の真骨頂が発揮されていることがこれによって理解できるだろう。
そして絶妙な間の取り方。共演者の素晴らしさにサポートされ、マンはここで最高にエモーショナルな間を取ってみせる。ジャズはただテクニックを駆使して難しいフレーズを演奏すればいいというものではない。この間の取り方がシェリー・マンの場合、誰にも真似できない深い歌心につながっているのだ。

さすがにドラマーだと無理かな、と思ったが、けっこうイケてる。
これなら幾らだって量産できちゃうぞ。

結論
JAZZ評論に、真実など存在しない。

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