soe006 ポピュラー・クラシカル・ダンス・ミュージック

お正月はウィンナワルツで

January 4, 2007

あけましておめでとうございます。
今年もご愛顧のほど、よろしくお願いします。

私はサイモン・ラトルという指揮者をあまり信用していないのですが、年末のベルリン・フィルは良かったですね。
内田光子の気迫のこもったモーツァルトも素晴らしかった。
どちらかというと、私はモーツァルトにあのような念の入った演奏を求めていないのですが、好き嫌いを超越して、素晴らしかった。
ラトルは早々にEMIとの契約を切って、他のレーベルに移った方がいいですね。EMI以外の録音なら、新譜を買うかも知れません。
(嘘……歴史的名盤が1000円で買えるのに、なんで1枚3000円の新譜が買えようか。バカバカしい。)

毎度毎度のウィーン・フィル・ニューイヤー・コンサートも、まあ楽しめました。
今年は珍しい曲目がプログラムに並んでましたけど、どれも同じような感じなので、後半はダレますね。ウィンナ・ワルツやポルカなんて、お正月くらいしか聴かないから、なんとか最後までおつきあいしますけど。
相変わらずアップテンポの曲になると俄然威勢が良くなるメータも、けっこう老けてしまいました。今年はイスラエル・フィルと来日するんですよね。

さて、こちらも今年の1曲目は「青きドナウ」で賑やかに始めましょう。
レス・ブラウン楽団の演奏です。

ベスト・オブ・レス・ブラウン・オーケストラ
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ベスト・オブ・レス・ブラウン・オーケストラ
The Best of the Rare Les Brown & His Orchestra

(Okeh/Collectables)

レス・ブラウン楽団の特徴は、明快なアレンジで曲想が分かりやすいこと。ノリがいいのでダンスにぴったりです。
ダンスに合うんだったらなんでもスウィングさせちゃえってことで、ポピュラー・クラシックをダンス曲にアレンジしてヒットさせました。
「Blue Danube」はもちろんヨハン・シュトラウスの「美しき青きドナウ」が原曲ですが、他にビゼーの「アルルの女」をダンス・アレンジした「Bizet Has His Day」やチャイコフスキーの「くるみ割り人形」なども、スウィング・ジャズ化しています。

ポピュラー・クラシカル・ダンス・ミュージック

January 5, 2007

クラシック音楽のポップス化は昔から多くなされていて、上記「Blue Danube」(ヨハン・シュトラウスの「美しき青きドナウ」)やトニー・ベネットのヒットナンバー「Stranger in Paradise」(ボロディンの「ダッタン人の踊り」)、J・S・バッハの「メヌエット」を原曲としたサラ・ヴォーンの「Lovers Concerto」、チャイコフスキーの交響曲第5番第2楽章をフランク・シナトラが唄った「Moon Love」など数多くあります。
近年では、伊藤君子の「Follow Me」(ロドリーゴの「アランフェス協奏曲」)が、アニメ映画で流用されヒットしました。

昔、流行ったんですよね。
1940年代ダンス・ミュージックが盛んだった頃に。

それから30年くらい経て……
クリード・テイラー制作で、デオダートの「ツァラトゥストラはかく語りき」とかボブ・ジェームスの「禿山の一夜」とか、当時のダンス・ミュージックのビート(ディスコ・サウンド)を用いて、わんさか録音されてます。

ツァラトゥストラはかく語りき
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ツァラトゥストラはかく語りき
デオダート

CTI 1972年録音

エミール・デオダート、エウミール・デオダート、ジョン・トロペイ、 ジェイ・ベルリナー、レイ・バレット、ロン・カーター、スタンリー・クラーク、他

リヒャルト・シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」(冒頭部分)、ドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」を収録。

クリード・テイラーは、Verve時代にもケニー・バレル&ギル・エバンス・オーケストラでガーシュウィンの「プレリュード第2番」とか録音していましたが、自己レーベルからリリースした本作が大ヒットしたので、以後、ドン・セベスキーやボブ・ジェームス、デヴィッド・マシューズなど子飼いのアレンジャーを使って、クラシカル・ディスコ・ミュージックを続々と発表していきます。
デオダートの第2弾「ラプソディー・イン・ブルー」もかなり売れました。

はげ山の一夜
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はげ山の一夜
ボブ・ジェームス

CTI/Tappan Zee 1974年録音

ボブ・ジェームス、ジョン・ファディス、ルー・ソロフ、グローヴァー・ワシントンJr、スティーヴ・ガッド、他

ムソルグスキーの「はげ山の一夜」、パッヘルベルの「カノン」を収録。

このCDは、ボブ・ジェームスのメジャー・デビュー盤。アルバムタイトルは「Bob James One」。のちにボブが自己プロデュース・レーベルを設立したので、版権を買い取って、現在はTappan Zeeから出ています。
第2弾の「Bob James Two」では、ビゼーの「アルルの女」をディスコ化してました。

アランフエス協奏曲
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アランフエス協奏曲
ジム・ホール

CTI 1975年録音

ジム・ホール(g)、チェット・ベイカー(tp)、ポール・デスモンド(as)、ローランド・ハナ(p)、ロン・カーター(b)、スティーブ・ガット(ds)

ロドリーゴの「アランフエス協奏曲」(第2楽章)を収録。

この演奏はディスコ・ビートではありませんが、ドン・セベスキーがアレンジしたオーケストラ伴奏が(たぶんオーバーダビングで)バックに入ってます。プレイヤーの面子もいいし、CTIレーベルで一番の稼ぎ頭。ローランド・ハナのピアノはエレクトリック・ピアノです。

タワーリング・トッカータ
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タワーリング・トッカータ
ラロ・シフリン

CTI 1978年録音

ラロ・シフリン・オーケストラ

ラロ・シフリンのCTIレーベルからの第2作。
J.S.バッハの「トッカータとフーガ ニ短調」を、ジョン・ウィリアムスの「タワーリング・インフェルノ」のメインタイトルとごちゃまぜにアレンジしています。

シフリンは、前作「ブラック・ウィドウ」では、「JAWS ジョーズ」のテーマも、ズンズンドーコ、ズンズンドーコとディスコ・サウンド化してました。録音(エンジニアはルディ・ヴァン・ゲルダー)が良いので、オーディオ・チェックに最適。エコー(リバーヴ)をかけながらスーッとフェイドアウトしてゆくときの余韻が素晴らしい。

歴史は繰り返すらしいですから、サイクル的に、クラシカル・ダンス・ミュージックがまた流行するかも知れません。しないかも知れません。

どっちでもいいです。

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