「the EYE アイ」
May 22, 2003
既成ホラーの寄せ集め。
ストーリー展開が読めるしぜんぜん面白くない。
いやドキドキハラハラの連続でかなり怖かった。
主人公の悲劇性に感動した。
賛否両論の恐怖映画『the EYE アイ』ですが、この映画の中で、誰もいるはずのない廊下に人影が映っているとか、白く立ちこめる煙が老婆の顔に見えるとか、相変わらぬガセ情報がネット上を駆けめぐっているようですね。
配給会社は幽霊騒動には一切触れず、「あのトム・クルーズが映画化権を獲得した」とか「主演女優の切ない演技」なんかをネタに宣伝展開していましたけどね。
ハリウッドが買い付けたって売り文句もどうかと思うが、このへんのヨタ話、『サスペリア』を配給していた頃の東宝東和だったら更に尾鰭を付けて大々的にアピールしていたに(絶対)違いない。主人公が美少女系なのも、突然デカイ音させて吃驚させるショック演出もダリオ・アルジェントに似ているし。
(だから、それは怖がらせるぢゃなくて、脅かしているだけでしょう)
映画の撮影現場(撮影所)に幽霊話はつきもので、中田秀夫監督の『女優霊』とか浅田次郎の『活動寫眞の女』とかいろいろネタに使われていますね。
完全な余談ですが、以前書いた台本の中に……
『平家物語』を壇ノ浦でロケしている撮影隊がいて、そこに本物の平家の亡霊が大挙して現れるんだけど、恍惚の老監督は(エキストラと思い込んで)そいつらを怒鳴りつけて芝居させ、大迫力の合戦場面をフィルムに収めることが出来ました、ってエピソードを書いたことがあるけど……
ばっさり、カットされちまったなぁ。(泣)
話は『the EYE アイ』に戻るが……
シナリオの作りは丁寧で、医者が主人公にホッチキスを見せる件など、上手いなぁと感心しましたね。
(ネタバレになるので、ストーリーには一切触れないで書いちゃってる)
観ていない人には何が何ンだか分からないでしょうね。ゴメンナサイ。
これからの人はホラーぢゃなくて、メロドラマとして観てください。
俺、けっこう気に入っている映画です。アンジェリカ・リーが、マジ、綺麗っす。