soe006 「死亡遊戯」と「ある日どこかで」

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「死亡遊戯」と「ある日どこかで」

June 13, 2003

一昨日いつもお邪魔しているTOMさんとこの掲示板に、『ホワイト・バッファロー』のサントラがリリースされましたよ〜、って書き込みしたら、なんと昨夜のBS-2はゴールデンタイムに『死亡遊戯』、深夜に『ある日どこかで』を放映。さながら「ジョン・バリーズ・デイ」みたいになってしまいました。
ということで、今日は久しぶりに『ある日どこかで』(ロイヤル・スコティッシュの新録音盤)を聴きながら、これを書いています。

『死亡遊戯』は今から振り返ると、凄く特異な映画でしたね。なにしろ、ブルース・リーが生前撮影していた10分足らずのフィルムをもとに、1時間40分の映画をでっち上げてしまったんですぜ。主役のキャラクター以外「売り」のない企画で、主役の顔を出さないように撮影された映画なんて、映画史上唯一の作品じゃないのかな。
代役が画面に登場するたびに「代役だ〜」、本人が過去に出演したフィルムが挿入されるたびに「これ怒りの鉄拳のあの場面だ〜」って、ストーリーと関係ない部分にばかり気を取られてしまう、変な映画です。
ジョン・バリーの音楽は、まるで『007』シリーズのリジェクトみたいな印象で、よく『007』で使用されるフレーズが頻繁に聞こえてくるけど、カッコイイんだよね、これが。
『ドラゴン危機一発』と『ドラゴンへの道』も放映されたので、もちろん観たけど、ブルース・リー映画の悪役って、どうしてあんな単純に人を殺しちゃうんだろうね。

『ある日どこかで』は、ジョン・バリーの代表作。音楽聴いているだけで大満足。
ヤノット・シュワルツは他に『燃える昆虫軍団』、『ジョーズ2』、『スーパーガール』、『サンタクロース』を観てるけど、この1本だけで永遠に記憶されちまう映画監督だね。『007/死ぬのは奴らだ』のジェーン・シーモアもこれ以外に印象に残る映画って観てないし、クリストファー・リーヴに至っては、もう二度と再びこのような……絶句……まさに、これは一期一会、奇蹟によって創られた映画なんだよなぁ。
リチャード・マシスン(原作・脚本)がこのような甘いメロドラマを書いたなんて信じられんとおっしゃる方もいらっしゃるけど、ストーリーの骨格だけを取り出してみれば、過去の亡霊に取り憑かれて身を滅ぼす青年の話なんだよね。ラストなんか廃人になっちまって、幻想のなかで彼女と手を握って倖せそうな笑顔浮かべてるしさ。
サイコキラーの女(ミレイユ・ダルク)に惚れ込んで人生を棒に振ってしまう男(アラン・ドロン)の話(『愛人関係』)とか、『地球最後の男(AIP・未公開=『オメガマン』のオリジナル版)』みたく現実世界からダークサイド(ファンタジー世界)に身を投じてしまうこと、その甘美な誘惑についてのストーリーだと俺は捉えているんだけど。

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