soe006 「踊る大捜査線 THE MOVIE 2」

踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!

September 15, 2003

組織と個人の対立を描くのに用意されたキャラクターの女性本部長(真矢みき)。
小さな事件を屑扱いするのはいい。
しかし、組織の責任者たる本部長がそれを口にするか?
振りかざす組織論に「莫迦」を感じさせるのは、常套手段だけど、やり過ぎて外しちゃったね。
とても試験に合格して採用されたキャリア警察官とは思えないよ。
退場の場面も工夫ないし。もったいないね。
今回いちばん美味しいキャラだったのに。

最初(脚本=初稿)は彼女にもバックストーリーが、ちゃんと用意されていたんでしょう。
でも上映時間2時間超えちゃいそうだし、他にもいっぱい詰め込むことあるし、お祭り気分で来ているお客のテンポを壊しちゃうのはもったいないし、ええぃカットしちゃえ、ってことなんだろうな。
それとも彼女は、柳葉敏郎にカッコイイせりふを吐き出させるための当て馬だったの?
それがお客のニーズに応えるってことなのかな?

全体的に、戯画化するために用意された部品と、ストーリーを運ぶために準備してなきゃいけない部品がキチンと整理されていないんぢゃないのかな。
そんな印象を受けましたよ、俺は。
岡村隆史とか、いらないじゃん。
それがフジテレビの要望に応えるってことなのかな?

あと、前回の『天国と地獄』とか、今回の『砂の器』とか、バラエティー番組レベルのネタでしょう? 書いていて恥ずかしくないのかな、脚本の人は。

急速に開発されたため、地図には載っていないトンネルや建物が沢山ある地域。
それだけで充分魅力的な世界が構築できると思うんだけど……
ミステリとしての仕掛けは、前作同様、期待しちゃ駄目なんだろうな。
犯人があまりにもチンケだから、惨殺死体も単なるコケオドシにしかならない。

いつもと同じお茶目で熱い顔ぶれが揃って、いつもと変わらぬお茶目で熱い展開。それだけでお客は満足。
それ以上求めるのは野暮。
ハリウッド映画の物真似みたいな派手な作りも、
「あぁ、やってるやってる」と笑って観るのが正解なのでしょう。

お土産にキャビア入りのレインボー幕の内弁当でも買って帰ろう
……え、売ってないの?

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