「サブリナ」
September 26, 2003
1995年、ポラックはどうして、こんな時代がかった物語(お伽噺)をリメイクしたのか。
なぜ作った?……それだけが興味の的なわけですよ。
洒落っ気も茶目っ気も持ち合わせていない(ワイルダーに比べりゃ皆無に等しい)シドニー・ポラックゆえ、最初からこの映画が傑作になるなんて、だれも期待しちゃいない。
『ロミオとジュリエット』を『ウエスト・サイド物語』に化けさせた、そんな才気、ポラックにあるわけないもの。
ただ、手間暇かけてリメイクするには、それだけの理由っていうか根拠っていうか、新しいセールス・ポイント、ヒットを狙う目算とかあったと思うんですよ。
それを知りたくて、ダメもとで観たんですけどね。
プロデューサー兼任だから、お仕着せの仕事ぢゃないんだよな。
なのに……どうしてこんなに投げやり、いい加減なの?
出演者……って言うか、これはキャスティングの問題だと思うけど(なにやったってオードリー・ヘプバーンと比較されてしまうジュリア・オーモンドは可哀想だとしても)……兄のハリソン・フォードと弟のグレッグ・キニアは完璧なミス・キャストだろ?
なぜ作った?
取って付けたような(……ではなく、本当に取って付けた)セーヌ川の畔、夜明けのキス・シーンに至るまで、我慢に我慢を重ねて辛抱強く最後まで観たけど、答は出てきませんでした。