soe006 ジャン=ポール・ベルモンド 「オー!」

ジャン=ポール・ベルモンド 「オー!」

July 15, 2005

博多祇園山笠「追い山」も終わり、
例年どおり、梅雨も明けそうな気配。本格的な夏の訪れですね。

先月漬けた梅干しをあげました。フルーティな香りがして、色も鮮やか。なかなかの上出来。一口頬ばってみると、これがもう……ほっぺたの裏側がキンキンに痛くなるほどスッパイ。梅干しは、こうでなくっちゃイケマセン。コンビニ弁当に入っている小粒の梅干し。カリッとしていて、あれはあれで旨いのですが。

30年前の7月14日

TBSの月曜ロードショーで、
ジャン=ポール・ベルモンド主演の『オー!』を観てました。
レーサーから転落してギャングの運転手になり、仲間からオーと呼ばれた男の(成り上がり)物語。ケチな自動車泥棒で投獄され、同房のホームレスに変装して脱獄。新聞の見出しに「アルセーヌ・ルパン+カポネ=オー」と書かれて有頂天になり、警察に追われて深手を負い、恋人(ジョアンナ・シムカス)に足を洗うと打ちあけたものの、昔の仲間たちからは逃れられず、恋人を死なせ、自殺覚悟で警官隊へ向かってゆく。

たぶん『恐怖に襲われた街』公開(地方併映はチャールズ・ブロンソンの『ブレイクアウト』)にあわせてのオンエアだったと思います。
『リオの男』を観て以来、ジャン=ポール・ベルモンドに夢中で、テレビで放映される出演映画は見逃さないようにしていました。
粋でスマート、三枚目的な愛嬌もあって親しみやすく、スリル満点のスタントを吹き替えなしで熱演。憧れてましたね。
モンキー・パンチの「ルパン3世」のモデルですからね、当時のベルモンドは。(正確には「ジェームズ・ボンド+ベルモンド=ルパン3世」)
主人公はネクタイ蒐集が趣味で、新聞に掲載された「椰子の皮で作った珍しいネクタイの広告」を見て、まんまと刑事の罠に誘き出されてしまう(と記憶)。そういう子供っぽい無邪気さが、ギャングの主人公に好感を与えているし、ベルモンドに似合っていましたね。

彼がもしサントラ・マニアだったら……
「デイヴ・グルーシン『ボビー・デアフィールド』コンプリート・オフィシャルCD限定盤・ボーナストラックに『複数犯罪』組曲(約20分)、『レーサー』組曲(約15分)追加収録・店頭販売のみ」……なんて広告に釣られて、「す○や渋谷店」にのこのこ顔を出してしまうようなものか。
まさかね……サントラ盤で新聞広告が出るわけがない。こんな見え見えの罠にハメられる莫迦はいません。すぐにバレちまいます。
なんだなんだ、どうしたどうした、今日はここで「ひねもすサウンドトラック」のオフ会でもやっておるのか?……なんてことは、絶対に、起こらない……と思う……断言は、しないでおく。

原作(脚色も)ジョゼ・ジョヴァンニ、、監督ロベール・アンリコ、、音楽フランソワ・ド・ルーベは、『冒険者たち』トリオで、悲劇的結末ながら爽やかな印象が残っているのは、アンリコの資質によるものでしょう。
ジョヴァンニはこのあと自ら監督するようになります(『ラ・スクムーン』『暗黒街のふたり』など)が、『冒険者たち』『オー!』の2作と比べると、主人公の背負っている影がもっと暗いものに感じられます。

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