soe006 「タワーリング・インフェルノ」

「タワーリング・インフェルノ」

July 31, 2005

30年前の7月31日

地元の封切り館で、
『タワーリング・インフェルノ』を観ていました。

これはもう、多くを語る必要はないでしょう。
サンフランシスコに完成した138階建て超高層ビル。落成記念のパーティが催されている最中に、81階で火災が発生。最上階のパーティ会場に閉じこめられた人々の救出はいかに?
似たような内容の原作2冊を『ポセイドン・アドベンチャー』のスターリング・シリファントが再構成して脚色、ワーナー・ブラザースと20世紀フォックスが共同製作した、豪華スター競演、2時間45分の超大作。

スティーブ・マックィーンとポール・ニューマンの競演が話題でしたが、この二人、ともにアクターズ・スタジオ出身というのが面白いですね。他にフェイ・ダナウェイやウィリアム・ホールデンなど賑やかな顔ぶれ。アメフトの人気選手だったO・J・シンプソンも顔を出していました。
フレッド・アステアとジェニファー・ジョーンズのカップルは配役の妙ですね。この二人が画面にいるだけで、オールド・ファンは感動してしまうんじゃないのかな。年下の女性を殺し、年上の男を残したところが、脚本家の巧さです。
火災の原因を作ったホールデンとリチャード・チェンバレン親子の確執をもっと押していたほうが、警告映画としてより深いものになったと思いますね。ホールデンの強引で巨大な存在が、もともと繊細で純粋だったチェンバレンの精神を歪めてしまった、という風に。

この手のパニック映画は、その場に居合わせた人々の人間模様を前半じっくり描き、後半にスペクタクルを持ってくるという構成が定石でしたが、始まって10分もしないうちに燃え始めたので、(当時)凄いなあと感心しましたね。
海軍まで出動しての消火・救出作戦に、いろいろ趣向が凝らされているので、(結末が分かっていても)退屈しないです。

ちなみに、電気工事士免許皆伝の俺様に言わせると、ケーブルに過電流が流れた場合、まず第1にブレーカー(過電流継電器:Over Current Relay)が落ちて、大事になる前に通電不可になります。工費節約のため細い電線を使ったと言ってますが、ブレーカーは建築家(ポール・ニューマン)が指示した設計書どおりの、容量の大きなものを使っていたのでしょうか?
第2に、ブレーカーの通電容量がケーブルの容量よりも大きく、通電がシャットアウトしなかった場合。ケーブルは熱で被覆(電線を包んでいる合成樹脂)が溶け、強烈な煙と異臭を発しながらジワリジワリ燃え上がります。(参考:東宝映画『怪獣総進撃』のメーザー光線の場面)
映画で描かれたような、防爆型の分電盤の扉をバコーンと吹っ飛ばして、電線がスパークするようなことは、絶対にありません。あのスパークの仕方は、プラスの電線にプラスを短絡(ショート)させたりしたときの、バチン! であって、そのような事態が起こるのは、単純な配線ミス(ブレーカーの端子にプラスとマイナスを一緒につないでいた)が原因で、規格外電線の使用とは関係ありません。しかし、ここまで単純な配線ミスというのは常識的に考えてもおかしく、意図的な破壊工作であった可能性が強いです。
更に、そばにウエスの函が置いてあったり、更に更に、廃ウエスは燃えやすいように油がよく染みこんでいた……などということは、かなり都合良く偶然が重なった場合、つまりこの映画でのみ起こりえる不幸な現象としか言いようがありません。

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