soe006 ジェームズ・ホーナーを讃える

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ジェームズ・ホーナーを讃える

June 10, 2006

先週『今そこにある危機』、今週『マイティ・ジョー』と、続けてジェームズ・ホーナーの映画をBSで観たのですけど……やっぱりこの人は、お客の気分を煽るのが巧いですね。
何故ゆえにこの人が売れっ子なのか、よーく分かりました。

自作の使い回しがやたら多かったり、他人の曲の無断借用とか、いろいろ非難はありますけど、映画音楽担当者としては超一流だと思います。(音楽家、作曲家としてはクズですけどね)

ワンパターン演技のハリソン・フォードがむっつり顔で何らかの決断をくだす。画面は南米の空撮に切り替わり、ここでビョォボボボボボと尺八が鳴って、バーンといつものホーナー節。
いいじゃないですか!
これで満足、これで充分。他にどんな音楽を付けろっていうのさ?

サントラ盤を買って聴く人なんて、ほんの一握りだし、一般の人は、そんなこと気にしてないですよ。『スター・ウォーズ』と『スーパーマン』の区別がつかないって人も多いです。
他の担当作品と似ている(同じ)なのは、ホーナーの個性。
以前、ホーナーのサントラ盤なんて、アクション系で『今そこにある危機』、ハートウォーミング系で『アンドリューNDR114』の2枚持ってりゃ充分だって書きましたけど……その考えは今でも変わってません。それぞれの分野でのパターンが、この2枚に全部入ってます。いわばサンプル集。
このパターン化されたものって、例えば007シリーズの「ジェームズ・ボンドのテーマ」と同じで、安心感と快感があるんですね。
音楽に耳を傾ける「聴く」努力なしに、ダイレクトに何が鳴っているのか、なんのために鳴っているのかが分かる。分かりやすい。リラックスできるわけです。お客に余計なこと考えさせず、さあ、あとは画面の成り行きに身を委ねてくださいって、そんなメッセージとしての音楽です。

だから、ホーナーのサントラ盤を何枚、何十枚と並べて聴いたって面白くもなんともないんです。BGMとしてタレ流しているぶんには、どうってことないけど。まともに「耳を傾けて聴く」と、すぐに厭きちゃう。呆れちゃう。
映画の構成要素としてしか機能してないからでしょう。
それはそれで、悪いことじゃないと思います。

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