soe006 超個人的趣味のアメリカ映画ベスト5

超個人的趣味のアメリカ映画ベスト5

October 31, 2006

前回の日本映画ベスト5に続き、本日はアメリカ映画ベスト5の発表。

第1位 『お熱いのがお好き』(1959年)
完璧な人間なんていやしないんだから、このベスト5に完璧を求めるのは、ナンセンスであります。

第2位 『街の灯』(1931年)
ラストの、なんとも形容しがたいチャップリンの曖昧な微笑が秀逸。
ここまで無声映画の表現を極めた人が、後年、陳腐なセリフで反戦メッセージをまくしたて、傑作になるはずだった戦争喜劇をラストで台無しにしちゃったりもします。
チャップリンは生涯サイレント映画で押し通すか、『モダンタイムス』で引退して、伝説の人になっていたほうが倖せだったんじゃないのかなあ。

第3位 『大脱走』(1963年)
新設された収容所にやってきた捕虜たちが一斉に動き出す冒頭から、集団劇の面白さが充満してます。何度観ても、この最初のエピソードで一気に作品の世界に入ってしまいますね。
最近のDVDのパッケージは、マックイーンばかり持ち上げているのが、ちょっと嫌なんですね。特定の主役というのはいなくて、登場人物それぞれがひとつの方向に向かって、それぞれに動いているのがこの映画の魅力なんですから。
DVDの副音声解説で初めて知ったのですが、この映画、ドイツでロケされていたんですね。脱走後の後半は当然現地ロケやってるとは思っていましたが。ハリウッドのスタジオでも撮影可能な収容所の室内さえも、ミュンヘン郊外に建てられたオープン・セットで撮影されている……だからどうって事もないんですけどね。そういうのが分かったからって、作品評価とは関係ないです。

第4位 『ブラック・サンデー』(1977年)
極左組織に脅されて日本では公開中止になった、ジョン・フランケンハイマー監督のサスペンス大作。今夏、ようやくシネスコ・サイズのDVDがリリースされました。脚本が素晴らしいので、トリミングされているビデオ版でも、作品の面白さは充分堪能できます。
パレスチナ解放機構(PLO)とイスラエル諜報特務局(モサド)の丁々発止、追いつ追われつの緊迫したデッドヒート。見せ場の仕込み方が実に巧みで、クライマックスのパニック場面まで飽きさせません。
前作『フレンチ・コネクションII』を10倍スケール・アップして、往年のスリラー『影なき狙撃者』の雰囲気を加味した、フランケンハイマーの集大成的超大作。

第5位 『スティング』(1973年)
全国封切りから約3ヶ月遅れての地方公開だったので、いろいろ情報は入ってきていたのですが……まんまと騙されてしまいました。
だから見終わった後で、この映画で一番共感できたのは、悪徳刑事のチャールズ・ダーニングであったりします。
このようなタイプの映画なのに何度観ても面白いのは、やっぱりデティールに趣向が凝らしてあるからなんでしょうね。中学生のときにこの映画に出会えたことが、その後の人生にどれだけの影響を与えていることか、計り知れないっすよ。

次点 『ワイルドバンチ』(1969年)
ここ数年、以前よりいっそう好きになってきました。年齢が登場人物(特にウィリアム・ホールデン扮するパイクと、ロバート・ライアン扮するソーントン)に近づいてきたせいかも知れません。若い頃は、ペキンパーで1本選ぶなら『ジュニア・ボナー 華麗なる挑戦』でしたけど。
サム・ペキンパーの本質は、優しさ(Tender Heart)ですね。それと対比させる意味での過剰な暴力。だから、暴力描写だけ持ち上げるのは片手落ちでしょう。
カッコイイですけどね、暴力場面のモンタージュも。

以上、超個人的趣味のアメリカ映画ベスト5でした。

ジョン・フォードもハワード・ホークスも、ヒッチコックも、ワイラーもキャプラも、エリア・カザンも、キューブリックも、コッポラもボクダノヴィッチもスピルバーグも入っていないベストなんて、信憑性ゼロ。
こんなもん、ぜんぜんベストじゃない。
選んだ本人が言ってるんだから、間違いないっす。

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