soe006 「トランスフォーマー」

トランスフォーマー

July 25, 2007

いま巷(ちまた)で話題の映画『トランスフォーマー』(オモチャががちゃがちゃ変身して喧嘩する子ども向けサマームービー)ですが……
これ、ストーリーがよく分からない。

セリフではいろいろ説明してますが、いつ何処で誰が誰と何しているのか、何が行われているのか、何処へ向かっているのか、場面の流れがサッパリ掴めない。
カットのアングル、モンタージュがもうグチャグチャで……
右に行ったと思うと今度は左から攻める、正面から向かったかと思うと、上に行ったり下に行ったり後ろ向きになったり。ズームやパンやドリーや手持ちやら、やたらとキャメラが動くけど、その方向がバラバラでアクションの流れ、位置関係、現場の状況がまったく掌握できないんです。

派手で短いカットを多方向からガチャガチャつないで、興味は掻き立てるけど結論は出さない。
これって予告篇の編集なんですよ。
CM屋さんの手口をそのまま使って、2時間20分の本編を作ってるんですね。

それに……
日常的におもちゃで遊んでる現役の子どもさんなら、大集合するロボット(ホントはなんとか生命体とか呼ぶのかな?)の種類も区別がつくかも知れませんが、半分ハゲの中年オジサンには、どれも一緒に見えるし、何匹もごちゃごちゃと組んずほぐれつして、敵味方の判別不可能。
『カリビアン』とか『スパイダーマン』とか似たような特撮映画がこのところ続いてたから、CGにも食傷気味。

で、このアクション場面のバックに流れる音楽が、ジマー風(担当はスティーヴ・ジャブロンスキー)で、もう吐き気がするくらい気持ち悪い。
ここ10年、こういうのばっかりになっちゃいました。
ハイウェイの高架下で喧嘩する場面は、ダダンダッダダンって『ターミネーター』のテーマです。パロディとしてやってる気はさらさらなさそうでしたが、もうパターンになっちゃってるんでしょうね。

ドタバタやってる隙間におバカなセリフもあり、ジョン・タトゥーロがロボットにおしっこかけられたりお茶目な下着姿を披露して観客の笑いを狙ってます。そういうタイプの映画ってアラン・シルヴェストリが得意なんですよね。
……とか思ってたら、企画の初期段階ではロバート・ゼメキスも監督候補にあがっていたとか。うーん、ゼメキスで見たかったなあ。

結論:マイケル・ベイって映画撮るのヘタクソです。

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マイケル・ベイ
スティーヴン・スピルバーグ
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