市立ご近所図書館にて除籍図書の無料配布
October 16, 2006
14日(土)と15日(日)、市立ご近所図書館にて除籍図書の無料配布がありました。
もちろん行きましたとも。両日ともに。
最近、一般書架から音楽書籍がごっそり消えてしまったので、もしやそれらが出るのではと期待して。
初日14日、開館直後の10時15分入館。
残念、今回は音楽書など専門書籍の出物は、無し。
毎年のことながら、20代〜50代のママさんが多いっす。
狙いは料理関係のムック本。オールカラーの写真集みたいなの。
私も、母親へのお土産に1冊。「オーブンで出来る簡単レシピ」。
「簡単」ってところがキーワード。面倒なの嫌いだから、うちの母親は。
簡単浅漬けの素とか、簡単麻婆豆腐の素とか、そんなの大好きな主婦だから。
でも、うちにはオーブンないんですよね。
ま、いっか。
どうせ写真だけ見て、「美味しそう」とか呟きながら、結局作らないんだし。
閑話休題(それはさておき)
今年は東京創元社のSF文庫本がけっこう出てました。
フレドリック・ブラウン、J・G・バラード、フィリップ・K・ディックの名作をまとめて放出。
創元推理文庫といえば、むかしはSF少年の必須課題図書みたいな扱いでしたが……いまはマンガとラノベ(少年少女向け娯楽読み物の蔑称)に食われちまって、ほとんど読者がいないジャンル。
しかし、名作群をまとめて放出してしまっては、今後海外SFに興味を持った人が図書館を訪れても、読めなくなっちまうでしょう? 版元もいったん品切れになったら、(映画化とかの話題がない限り)再版しないし。そんなときこその図書館であって欲しいのだけど。
50〜60年代の海外SFに興味持つような奴なんて、もう二度と現れないって?
バラードの「沈んだ世界」とか手にとってパラパラ捲ってみたけど、ほとんど新品。
まったく借り手がなかったんだろうなあ。
不憫に思ったので、貰っていこうか、と一瞬考えたけど……いまさらバラードを再読するほどの体力気力が、自分に残っているか心許なかったので、見送り。
普段は身銭切ってまで買う気にならん講談社ノベルス(倉知淳の「星降り山荘の殺人」とか、蘇部健一の「六枚のとんかつ」とか)を中心に、10冊いただいて帰る。
(お一人様10冊まで)
なかには10冊持っていったん退出し、車に積んで、再、再々突入する豪腕自慢(本って重いよ!)の猛女もいたけど、私は「社会秩序に従順である会」の名誉会長なので、そのような破廉恥行為は慎むようにしてますです。
無料配布の本、そんなに持ち帰っても「絶対に」読まないって。
で、翌15日、日曜日。
二日目は午後2時入館。さすがに閑散としてますです。
料理ムック本のコーナーは、ハイエナとハゲタカに食われ、さらに多種多様な昆虫類によって舐め取られた白骨のように、綺麗に片づいております。
幼稚園児とおぼしき赤いスカートの女の子が、係のお姉さんに「絵本はもうないんですか?」と訊いている。その丁寧かつ健気な様子に、「オジサンが本屋さんで買ってあげるから、ついておいで」と、喉元まで出そうになったけど……マジで口にしたら3秒で通報、10分後に取調室、今夜留置場、来月判決、有罪懲役、出所後ホームレスってことにもなりかねないので、ぐっと我慢、沈黙を守りました。
(嫌な世の中になったものです)
で、文庫本のコーナーを覗くと……まだ残ってるよ、創元の海外SF本。
もう痛ましいというか、可哀想でたまらん。
フレドリック・ブラウンの「73光年の妖怪」って、読んだの中学の時だったっけ。
懐かしいなぁとか、しばし感慨に耽っていたら……もうこれは絶対に保護せねばならぬと、ふつふつと使命感が湧いてきたのでした。
(だって、ここで残っちゃったのは焼却処分だって言うし)
で……貰ってきました。創元推理文庫。
(ブラウンのは黒猫マークのミステリが多いけど)名作まとめて35冊。文庫本といえども、さすがに重いっす。
二日目の午後は冊数制限解除だから、腕自慢なら幾らでも持ち帰りオッケです。
でも結局……「絶対に」読まないんだよなあ。