記憶喪失 vs. 健忘症
July 15, 2003
中古CD屋で1993年の『ザ・ファーム 法律事務所』のサントラ盤を買ってきたので(ホントは2ヶ月くらい前に買っていたけど、買ったまま放ったらかしにしていました、ごめんなさい)、聴いてみて……驚いた。
デイヴ・グルーシンが、ピアノ1本で勝負したサントラってこと以外、どれ一つ曲を憶えてなかったのよ!
まぁ、サントラ盤はグルーシンのピアノの合間にヴォーカル曲(ブルース)が収録されていて、サントラって言うよりも、GRPアルバムって印象なんですけどね。
映画のクライマックス、主人公が悪者に追っかけられている場面なんか、ジョン・ウイリアムスっぽい曲だから、他人のアラ探しが好きな俺が忘れるはずないんだけど……完全に忘れてた。
(余談ですけど、このサスペンス・ピアノをウイリアムスのパクリだって言う奴がいたら、『フック』のグルーシン風フュージョンを聴かせてやりましょうぜ)
あまりの健忘ぶりに驚いて、ビデオも観てみました。
ハーバード大の法科を優秀な成績で卒業したトム・クルーズが、給料は凄いし高級車は支給してくれるし住宅購入ローンは無利子に近い低金利で貸してくれるしで言うことないっす、満足っすって、メンフィスの法律事務所に就職するんだけど……上手い話には必ず裏があってさ……ってストーリー。
けっこう面白い。だけど……
やっぱり、これも完全に忘れていた。
普通はしばらく観ていると、あぁこの場面観たことあるな、って思い出す(特にミステリ映画は結末を先読みしてしまう)んですが、完全に、最後まで、ワン・カットも思い出せませんでした。
公開された10年前に一度観ているし、しかも、その1年くらい前にジョン・グリシャムの原作小説も読んでいたのに……ストーリーも場面も思い出せません。健忘症ではなく、記憶喪失に近いような気がします。
健忘症って日常的慢性的なモノ忘れ、記憶喪失はある特定の記憶だけがスッポリ欠落してしまうってことですよね。
はたして、どちらがより重症なんでしょうかね?
しかし、10年って歳月は凄いっす。携帯電話が今のように普及していれば、この映画のストーリー、ずいぶん違ったものになっていたかも知れません。
もっとも、携帯電話以外は(トム・クルーズの容貌も含めて)何も変わっていないような感じもします。