soe006 温故知新的音楽鑑賞

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温故知新的音楽鑑賞

March 30, 2006

ジェリー・ゴールドスミス、エルマー・バーンステインが相次いで亡くなってから、さっぱり映画音楽(新作)に興味を失ってしまいました。
もともと、そんなに好きじゃなかったのかも。

過去の録音盤をいっぱい持ってるから、新しくリリースされるCD、無理して買うことないなあ、と。
それで、いつも聴くのはバーナード・ハーマンのデッカ盤とか。
厭きないんですよね、ハーマンは。
こういうの、理屈じゃないです。
俺みたいな素人が、あれこれ言ったって説得力ないし、意味ないし。
そっち方面は、jumusさんが、いずれ立派な論文に仕上げて発表してくれるでしょうから、超期待してますです。

俺なんか、ゴールドスミスが好きといっても、ひねもすサウンドトラックのFUNAさんみたいな筋金入りじゃないから。
『灰色の容疑者 クリミナル・ロウ』なんか、買って1回聴いただけでもう2度と聴かないと確信、速攻で中古屋に売り払ったくらいだもの。
コレクターじゃないので、聴かないCDは手元に置いといてもゴミにしかならない。
そんなこんなで、しばらくご無沙汰していたクラシックのコーナーに足を運んでみたわけです(実際はネット通販のページにアクセス)。

そしたらですね……
子供のころに聴いていた名曲名盤がCDで再発されていて、それらが(国内盤を含めて)すこぶる安価。1000円以下の値段でいっぱい売られていたわけですね。

「早い、安い、旨い」が大好きな俺様にとって、サントラ盤は「遅い、高い、不味い」なんです。あくまでもクラシックCDとの比較ですけど。
「高い」と「不味い」はともかく、「遅い」ってのをちょっと説明させていただくと……あれ聴きたいな、と突発的に思ってから現物(CD)を手にするまでの時間のことです。
欲しいときに、欲しいCDが売ってない。
これ、とっても苛々します。

遊びで音楽聴くのに、そんなストレス抱え込むの、嫌です。

ほとんど、キャラクター・グッズ扱いですからね。サントラ盤なんて。
商売としてみれば、映画公開前後の1年くらいで賞味期限終了、ってことでしょう。
そんな扱いされて当然みたいなCDが多いのも事実ですけど。
しかし、期間限定で焦って買わなきゃ手に入らない、見つけたら買え、ってのは乱暴だよねえ。CD購入の目的が、聴くことよりも、買うこと優先になっちゃうもの。

これって罠ですよね。

持ってることに酔っちゃって、クソ音楽を「これはレアだから」ってだけで崇め奉っちゃうようになりかねない。そんなのは御免です。
そういう人がいるからサントラ商売が成り立っているのでしょうが、反面、サントラ愛好家は音楽がまるでわかっていないと非難されちまう原因を作ってますよ。

ネット通販で3000枚限定発売、ってもなんだかなあ。
ジャズの世界じゃ、シリアルナンバー4桁なんてのは、ぜんぜん限定盤じゃないんです。300枚くらいでやっとレア盤と認められる。3000枚なんて……通常生産されている新作サントラ盤だって、そのくらいのプレス枚数じゃないですか?
そんなもの、レアでもなんでもない。品切れの危機感を煽っているだけのセールスとしか思えない。誰がそんな手にのるものか、なんて、反骨精神旺盛な俺様は脊髄反射してしまうんですね。

聴かないCDはゴミだから、欲しい人がいたらお譲りしようかな、とか、考えていたのですが……
オークション・サイトやアマゾンのマーケットプレイス(中古販売)とか見てると……つい数年前まで普通に売られていたゴールドスミスの『チャイナタウン』が、35800円なんてバカバカしい値段になってる!
オークション転売に利用されるのは嫌だなあ。

あと、CD時代になって収録時間が長時間化している傾向も、俺のサントラ離れの原因のひとつ。
コアなファンにとっては、映画で使用された音楽は全部入ってなきゃ不満なんだろうけど。80分近くダラダラ演奏されると、途中で厭きちゃうんですね。
サントラ盤は、通常、気に入ったトラックだけチョイスして、CDRに焼いて聴いてます。
例えば、80分収録のCDから15分間を選択編集して聴く。残りの65分は捨てちまってるわけで、2度と聴かない。そんなのが習慣になってしまうと、編集用にチョイスするトラックを選択するために聴いてしまいがちになります。

これも良くないね。
音楽を愉しむ態度とはいえないもの。

エンド・クレジットだけじゃチョイともの足りないけど、1本あたり15〜30分でいいんですよ。そのくらいが適当だと思う。それで1枚のCDに3〜4本詰め込んでくれれば、CD全体をバラエティに愉しめてグッドです。

で……サントラ盤を取り巻くいろんな状況に辟易しちゃったので、2年くらい前から、子供のころに聴いていたクラシックを再び聴いているんですね。
ビゼーの組曲版「カルメン」や、チャイコフスキーやモーツァルトなどなど。
「不味い」が多数を占めるサントラと違って味は保証されているし、1万円だせば10〜20枚くらい買える「安さ」がいい。これだけは聴いとけって名盤のほとんどが、現役で市場に流通しているのが嬉しい。

以前、クラシックのレコードを買い集めていたときは、200枚くらいで厭きちゃったので、今度はゆっくりと時間をかけて、余生を過ごしたいと思ってますです。

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