映画音楽愛好家を羨望する
May 4, 2006
よく、「○○の完全版サントラが欲しい」とか、「○○のサントラ盤を2枚組で出してくれ〜」とか言う人、いらっしゃいますね。
しかも世間に知られていない、マイナーな映画の。
コアなファンであることを、自己顕示したいのかなあ。
作っても売れないから出ないんですけどね。
出るとしても、海賊盤。
海賊盤の音源は、映画の吹き替え版を作ってる会社にゴロゴロしていますから。
簡単に作れちゃう。
スペインのSoundtrack Factoryってレーベルも、それで往年のハリウッド映画のサントラ盤をいっぱい作った。ここはちょっと良心的で、製作から50年以上経過した、ライセンス・フリー(パブリック・ドメイン)になっているものしか出していない。だから海賊盤なんて言ったら、「なんやとコラ、もいっぺん言うてみい。おのれ難癖つけるとヤキいれたるぞ、ドアホ!」ってどつかれちゃう。
テレビなどで放映する外国映画は、吹き替え版制作用に、セリフと効果音と音楽が別々に送られてきます。音楽のパートだけこっそりコピーしておけば、どんな映画だって海賊盤が作れてしまう。裏社会で青ウラと呼ばれているCDRなら、4〜5万のパソコン1台あれば簡単に作れてしまう。
そんなものでも、欲しいって人がいるからこそ市場に出回ってるわけで、サントラ業界というのは不思議なものです。
980円で売られているDVD買えば、音楽どころかセリフも効果音も映像も、ノーカットで入っているのに。
「きみ、こんなのも持ってないの?」とか、自慢したいんだろうな。
常人にはとても理解できない世界です。
そんなことは、どうでもいいけど……
長いの、駄目です。
駄目になっちゃいました。
世間はGWってことで、なんだか周りの空気も長閑な雰囲気を漂わせているし……よし、今日は以前BSで録画していたワーグナーの「神々のたそがれ」をゆるりと観るか、とか思ったのですが、30分も経たないうちに厭きてしまいました。
映像アリでこれですからね。音楽だけのCD、通しで全部聴くことはもう2度とないでしょう。
いや、いままでだって、ワーグナーの歌劇・楽劇、1本まるまる通しで聴いたことなんて一度もなかったのでは?
もう、オペラは駄目だな。
体力、精神力、気力、集中力が持ちません。
実演だったら、なんとかいけるだろうけど……財力がありません。
もしかしたら、「力」と名の付くものは、なにも持ち合わせてないのか?
だからね……サントラ完全盤にしろオペラにしろ、一つの作品を長時間にわたって愉しめる、興味の持続力って、若い人の特権だと思いますよ。
未来が無限に存在してないと、そんなの無理です。
羨ましい。マジで。
ワーグナーというと、最近、ストコフスキーの「管弦楽曲集」(RCA)を買いました。
クラシックCDは、かつてLPで持っていたものを改めて再購入する場合が多いのですが、これは初めて。
で、今日はそのことについて書こうと思ってたけど、
長くなったので、また次の機会に……