soe006 レコード(CD)の値段

レコード(CD)の値段

March 19, 2006

そこで、プロコフィエフなんですけど……
この2枚組CD、実に良く出来ています。

プロコフィエフ作品集:DGパノラマ・シリーズ
logo

プロコフィエフ作品集:DGパノラマ・シリーズ

1. 交響曲第1番「古典交響曲」
  クラウディオ・アバド指揮ヨーロッパ室内管弦楽団
2. ヴァイオリン協奏曲第1番
  シュロモ・ミンツ(vn)
  クラウディオ・アバド指揮シカゴ交響楽団
3. 組曲「ロメオとジュリエット」 第1組曲
  第2組曲より1曲
  ロストロポーヴィッチ指揮
  ワシントン・ナショナル管弦楽団
4. カンタータ「アレクサンドル・ネフスキー」より
  「死者の戦場」
  オブラスッォヴァ(ms)
  クラウディオ・アバド指揮ロンドン交響楽団
5. ピアノ協奏曲第3番
  マルタ・アルゲリッチ(p)
  クラウディオ・アバド指揮ベルリン・フィルハーモニー
6. 「束の間の幻影」より、第3曲、第6曲、第9曲
  スヴャトスラフ・リヒテル(p)
7. 交響曲第5番
  ロリン・マゼール指揮クリーヴランド管弦楽団

Deutsche Grammophon (2枚組)

プロコフィエフの代表作、交響曲2曲と協奏曲2曲と、最も人気が高いバレエ「ロメオとジュリエット」の組曲版に、「アレクサンドル・ネフスキー」から歌曲1曲とピアノ小品がおまけについて、収録時間150分、しかもお買い得感たっぷりの1500円!

初期制作コストがかからない再発コンピですが、先行して発売された輸入盤(まったく同じ内容)が2000円前後で売られていましたから、これは極めて破格な価格設定ですね。
演奏内容は、とてもいいです。シュロモ・ミンツのキビキビしたヴァイオリン、まだ若くて溌剌としていたころのアルゲリッチの鮮烈録音。これだけで1500円の価値があります。何でも手際よくこなしてしまうアバドも、苦手というかあまり興味のないマゼールも(これだけだとなんですが)悪くないです。更にロストロポーヴィッチの「ロメオとジュリエット」組曲まで付いているのですから、大満足。
リヒテルの短いピアノだけが古い録音ですけど、激辛アルゲリッチと交響曲の間に収まっていると、幕間の感じになって良いです。

これ、LP時代だったら4枚分の内容ですね。
グラモフォンの国内盤は2500円くらいしていたから、全部で1万円くらいになっていたでしょう。それが1500円。
70年代からレコードを買っていた人間には、ちょっと信じ難いというか……いい時代になりました。
俺が高校卒業して最初の勤め先(1979年)での月給が、残業手当込みで8万円くらいで、当時もレコードは1枚2200〜2500円。
もっと前の世代ですと……筒井康隆さんが、1958年1月にショパンを1900円で買ったと「腹立半分日記」にありました。筒井さんの当時の月給は7千円。LP1枚が、実に月収の3割以上もしている! LP3枚買ったら給料を全部使い果たしてしまう!

だから、俺よりも上の世代の方々のレコードの聴き方・選び方は半端じゃないっす。
そんな人たちが、現在音楽評論の重鎮となっているわけですから、個人の思い入れで名盤選定してしまうのも仕方ないことでして……(ここから先は、恨み節になるのでやめておきましょう)

このグラモフォン・パノラマ・シリーズ、有名な曲目と演奏を吟味して収録していて、かなりいいです。
年末に紹介したバーンスタインのベートーヴェン「第9番」&「ミサ・ソレムニス」と、同じくバーンスタイン指揮のマーラー「第1番」&「第5番」も素晴らしかった。

ベートーヴェン作品集(3):Panorama Series
logo

ベートーヴェン作品集(3):Panorama Series

1. 交響曲第9番 ニ短調 「合唱付」作品125
レナード・バーンスタイン指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ギネス・ジョーンズ(ソプラノ)
ハンナ・シュヴァルツ(アルト)
ルネ・コロ(テノール)
クルト・モル(バス)
ウィーン国立歌劇場合唱連盟

2. 荘厳ミサ曲(ミサ・ソレムニス)ニ長調 作品123
レナード・バーンスタイン指揮
アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
エッダ・モーザー(ソプラノ)
ハンナ・シュヴァルツ(アルト)
ルネ・コロ(テノール)
クルト・モル(バス)
ヒルフェルサム・オランダ放送合唱団

1979年(1)、1978年(2) ステレオ・ライヴ録音
(Deutsche Grammophon)

グスタフ・マーラー作品集(1) DGパノラマ・シリーズ
logo

グスタフ・マーラー作品集(1) DGパノラマ・シリーズ

交響曲第1番 ニ長調「巨人」
レナード・バーンスタイン指揮
アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
歌曲集「さすらう若人の歌」
レナード・バーンスタイン指揮
ウィーン・フィルハーモニー&トーマス・ハンプソン(B)
交響曲第5番 変ハ短調
レナード・バーンスタイン指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

Deutsche Grammophon (2枚組)

普通、この手の選集は単独再発では売れそうもないような音源を、底上げ水増し的に混ぜ込んでしまうのですが、パノラマ・シリーズにはそれがない。(グラモフォン音源だから、カラヤンやアバドが多いのは仕方ないところですが)名盤と定評のある演奏ばかりが、CDの容量いっぱいに詰め込んであり、どれを買っても、まあハズレ無しといった感じです。

いま巷でヒットしているコンピ盤と違って、全曲をキチンと収録しているのが嬉しいんですよ。
有名曲の有名なフレーズだけをぶつ切りして並べただけのものは論外として、「フェード・イン、フェード・アウトなしで1曲まるごと収録しています」といってるものも、第2楽章だけとか、半端なことを平気でやっている。モーツァルトの「交響曲第40番」第1楽章に続いて「第41番」第4楽章が演奏されたりする。これは、とても気色が悪い。
自分で好きな曲だけをチョイスして聴くのはいいんですが、他人にやられるとムカつく。

パノラマ・シリーズには、J.S.バッハ集とかモーツァルト集とか、他に良いものが沢山あるのですけど、既に所有しているCDとダブってしまうのが残念。
もし俺のスタートがここからだったら、これまで無駄な銭を使うことなかっただろうなと、悔しいことこの上なし。

デフレ万歳!

Amazon.co.jp アソシエイト リンク
クラシック・ミュージック(CD)
クラシック/楽譜・スコア・音楽書(和書)
クラシック/楽譜・スコア・音楽書(洋書)

soe006 ジャズと映画と娯楽小説/アーカイブ

Copyright 2024 soe006.com All Rights Reserved.