2021年06月|映画スクラップブック


2021年 06月(10本)

2021/06/12

X-MEN

X-MEN|soe006 映画スクラップブック
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X-MEN
2000年(日本公開:2000年10月)
ブライアン・シンガー ヒュー・ジャックマン パトリック・スチュワート イアン・マッケラン ファムケ・ヤンセン ジェームズ・マースデン タイラー・メイン アンナ・パキン ハリー・ベリー レベッカ・ローミン=ステイモス ブルース・デイヴィソン レイ・パーク ショーン・アシュモア マシュー・シャープ

ワイヤー・スタントとCGと特殊メイクとヘンテコなコスチューム。これが21世紀の娯楽アクションの主流。サム・ライミ「スパイダーマン」、クリストファー・ノーラン「バットマン(ダークナイト)」、それぞれにみんな面白い。
大人も楽しめる子供映画と子供向けのネタで作った一般映画のちょうど中間くらいのバランスが良い。何度見ても面白い。

封切り時の邦題は、第1作のみカタカナの「X-メン」だった。

X-MEN

冒頭にアウシュビッツのユダヤ人収容所を配置したのが、全体のテーマにつながっていて秀逸。母親と強制的に引き離された少年(のちのマグニートー)。
その建屋の、高い塔(煙突?)までしか見せない配慮も良い。

ストーリーの主軸が、ウルヴァリン(超合金の爪と死なない身体=ヒュー・ジャックマン)と、ローグ(直接触れた相手の生命力を奪う=アンナ・パキン)と、恵まれし子らの学園のプロフェッサー(パトリック・スチュワート)とマグニートー(イアン・マッケラン)の対立と、3本立てながら混乱なくブレないのは、脚本家の功績大。
馬鹿馬鹿しいデザインのキャラクターがコミカルに浮かないのは監督の功績大。

ウルヴァリン誕生の謎も、ローグの将来も、次作以降へと持ち越しになったが、不満はない。

X-MEN

クライマックスにニューヨークの自由の女神を持ってきた。
ヒッチコック・ファンはここでニヤリと笑う。

X-MEN

ミュータント隔離政策(ジョセフ・マッカーシーの赤狩りだな)のケリー上院議員を演じていたのは「いちご白書」のブルース・デイヴィソン。懐かしい顔(ミュータント化されてブヨンブヨンになるけど)。

DCコミックとマーベル・コミックの区別もつかないオッサンでも充分楽しめた。

65

2021/06/12

X-MEN2

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X2: X-MEN UNITED
2003年(日本公開:2003年05月)
ブライアン・シンガー パトリック・スチュワート ヒュー・ジャックマン イアン・マッケラン ハリー・ベリー ファムケ・ヤンセン ジェームズ・マースデン レベッカ・ローミン=ステイモス アラン・カミング アーロン・スタンフォード アンナ・パキン ブルース・デイヴィソン ブライアン・コックス ケリー・フー ショーン・アシュモア ケイティ・スチュアート ピーター・ウィングフィールド ダニエル・クドモア

ワイヤー・スタントとCGと特殊メイクとヘンテコなコスチューム。これが21世紀の娯楽アクションの主流。
第2弾は、穏健派(プロフェッサー)と過激派(マグニートー)の対立に加え、正邪合わせて全部葬ってしまえとばかり異人種抹殺を図る人物(ストライカー)が登場。
三つ巴の争いのなかで、ウルヴァリン他、多彩なミュータントたちも前作同様に深く紹介され、なんと、共通の敵ストライカーの陰謀を阻止するため、プロフェッサーとマグニートーが共闘を組むという嬉しい展開。

現実の社会問題、政治問題を反映させた脚本がやはり良い。

ストライカーのブライアン・コックスが、「ランボー」のブライアン・デネヒーっぽい悪役をふてぶてしく演じる。ミュータントの数も増え、個性も豊か。聖書を読むナイトクロウラー(アラン・カミング)がユニーク。彼とストーム(ハリー・ベリー)が心通わせる場面もいい。炎を扱うパイロ(アーロン・スタンフォード)と氷を扱うアイスマン(ショーン・アシュモア)の半目は、マグニートーとプロフェッサーのヤング版。

X-MEN2

ウルヴァリンと同じ能力を持つデスストライク(ケリー・フー)も登場、死闘を繰り広げる。そしてクライマックスで覚醒するジーン・グレイ(ファムケ・ヤンセン)。

X-MEN2

いやあ、おもしろい面白い。やめられないとまらない。

65

2021/06/13

X-MEN:ファイナル ディシジョン

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X-MEN: THE LAST STAND
2006年(日本公開:2006年09月)
ブレット・ラトナー ヒュー・ジャックマン ハル・ベリー パトリック・スチュワート ジェームズ・マースデン ベン・フォスター ファムケ・ヤンセン イアン・マッケラン レベッカ・ローミン アンナ・パキン ショーン・アシュモア アーロン・スタンフォード ダニエル・クドモア ケルシー・グラマー ヴィニー・ジョーンズ エレン・ペイジ

ワイヤー・スタントとCGと特殊メイクとヘンテコなコスチューム。これが21世紀の娯楽アクションの主流。シリーズ最終弾は、前2作のブライアン・シンガーからブレット・ラトナーに監督交代。こんなガチガチに固められたプロダクション仕事は誰が監督したって、そう変わらない。1作目から同一キャストで作られているうえに、今回はファイナルということで、さらに新キャラがわんさか登場。

ヴィニー・ジョーンズ(「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」の子連れ取り立て屋)がジャガーノートという巨漢馬鹿ミュータントで大暴れ。途中から出てきてデカイ面してるビースト(ケルシー・グラマー)とかいう青い獣は好きになれなかった(デザインも子供ショーの着ぐるみっぽい)。それだけ前2作のキャラに愛着があったのだろうね。その継続して出演してるキャラを(眼から光線のサイクロプスとか)あっさり退場させるあたりが、ちょいと安易すぎないか。
「2」のダム崩壊で消えたジーン・グレイ(ファムケ・ヤンセン)がフェニックスに覚醒して大暴れ。プロフェッサーを粉々にしてしまう場面は大迫力。

X-MEN:ファイナル ディシジョン

このシリーズ、ミュータントが自己の存在を問い悩むなかで、敵と味方が入れ替わるところが面白い。一匹狼のウルヴァリンがX-メンのリーダー格になって出動したり、学園の生徒だったパイロがマグニートーの片腕になったり、普通の女の子に戻るローグとか、いちばんの変化はダーク・フェニックスだけど。

変身女ミスティークが超能力を無効化されて白い肌に戻る場面が強烈。

X-MEN:ファイナル ディシジョン

ミュータントの覚醒が思春期に始まるという設定が良かった。
ミュータントの遺伝子を無効にして普通の人間に戻す治療薬を巡ってのバトル。
このシリーズの魅力は発想と設定(キャラやストーリー)のうまさにあって、あとはもうお祭りをどう撮るか。
クライマックスはサンフランシスコの金門橋をアルカトラズ刑務所跡の島に大移動。
橋に残っていた自動車を放り投げては爆発、放り投げては爆発、放り投げては爆発、放り投げては爆発、放り投げては爆発。バカバカしくて大笑い。

X-MEN:ファイナル ディシジョン

結局、マグニートー率いる反乱軍の負けで、ストーリーは終わるのだが、治療薬の問題は置いてきぼりになったまま。ウルヴァリンの過去もはっきりしないままに……

ラストの、普通のお年寄りになっちまったマグニートーの哀れな面差しが最高に良かった。チェスの駒を一瞬動かしたのは、タルコフスキーの「ストーカー」を真似したかったんしょう。気持ちは分かる、おれもやりたいから。

クレジット終了後に入ってたラストのラストシーンはまったく意味不明。

65

2021/06/13

ウルヴァリン:X-MEN ZERO

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X-MEN ORIGINS: WOLVERINE
2009年(日本公開:2009年09月)
ギャヴィン・フッド ヒュー・ジャックマン リーヴ・シュレイバー リン・コリンズ ダニー・ヒューストン テイラー・キッチュ ライアン・レイノルズ ウィル・アイ・アム ダニエル・ヘニー

「X-MEN」シリーズのスピンオフ。肉体再生で超合金、ウルヴァリンの誕生秘話。
物語は西部開拓時代から始まる。

このシリーズの根底には、自分たちと異なる人種を排斥しようとする不寛容(イントラレンス)の問題提起があって、これまでのヒーロー物では、バットマンにしろ、スーパーマンにしろ、スパイダーマンにしろ、その問題を回避するため正体を隠し、平時は普通人として生活する設定だったのに対し、X-MENはその正体を明かしたうえで人類との共存、または支配しようとする行動をメインテーマとしている点がユニーク。

三部作ではちゃんと説明されなかったウルヴァリンの秘密が明かされる。

ウルヴァリン:X-MEN ZERO

監督が変わったせいか、ローガンのキャラ的にそうなのか、三部作とは違ったダークな作風で、それでもクライマックスはスリーマイル島の廃炉で超能力てんこ盛りの(あとでキャラ変更されてデッドプールと呼ばれる)怪物と、兄弟ちから合せての決闘で盛り上がり面白かったです。ウルヴァリンに同じ能力を持つ兄がいたとは(こいつはまだ死んでないので、この後も出てくるのかな?)。
三部作では見せ場が少なかったサイクロップスは、眼から光線大放出で大活躍。ダイヤモンド娘たちと一緒にプロフェッサーに迎えられるんだけど(後で製作された「ファースト・ジェネレーション」見ると)ダイヤ娘はマグニートー側についてるし、なによりもプロフェッサーが二本足で立ってるのが「違う」ってことになるんだけど。

超合金の弾丸で頭撃たれて記憶を失うって、ご都合主義の極みだよなあ。

60

2021/06/15

X-MEN:ファースト・ジェネレーション

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X-MEN: FIRST CLASS
2011年(日本公開:2011年06月)
マシュー・ヴォーン ジェームズ・マカヴォイ マイケル・ファスベンダー ケヴィン・ベーコン ローズ・バーン ジャニュアリー・ジョーンズ オリヴァー・プラット ジェニファー・ローレンス ニコラス・ホルト ゾーイ・クラヴィッツ ルーカス・ティル 

リブートだかリスタートだか、どっちでもいいけど、「X-MEN」三部作(2000-2006年)の前日談。1作目と同じアウシュビッツのマグニートーのシーンから始まり、彼とプロフェッサーとの出会い、東西冷戦下のキューバ危機を回避しつつ、共通の敵セバスチャン・ショウ(悪役演るといつもの2倍かっこいいケビン・ベーコン)を倒し、三部作につながる決別までを、見せ場たっぷりのアクションでテンポよく描いている。満足。

X-MEN:ファースト・ジェネレーション

3作目「ファイナル ディシジョン」でいきなり登場し、偉そうにしていたビースト(青くてマッチョなケダモノ)がなぜあんなに大物扱いされていたのか、マグニートーはなぜ漫画っぽいヘルメットを被っているのか、ミスティークのマグニートーへの忠誠心とか、プロフェッサーが車椅子でいる理由とか。番外編「ウルヴァリン」に続いて本編3部作で言及されていなかった過去が明かされる(ハゲになった理由は次回以降にお預け)。
変身女ミスティークがプロフェッサーと妹のような関係にあったことや、大学時代のプロフェッサーが調子こいたナンパ野郎だったりとか、意外な過去が面白い。

若いミスティークをジェニファー・ローレンスというふっくらフェイスの女の子が演じているんだけど、プロフェッサーに子ども扱いされて一瞬大人の女に変身する。これがオリジナルのレベッカ・ローミン(ワンカットのみの友情出演、クレジットなし)。

放浪中のウルヴァリンも友情出演(これもクレジットなしのサプライズ)。

X-MEN:ファースト・ジェネレーション

ミュータント・アカデミーの一期生となる若者のトレーニング・シーンをマルチ分割(60年代から70年代に流行してたんだ)していたのが、レトロっぽいなあ、と思っていたら、エンドクレジットはもろにソール・バス風のアニメ・デザインで、たいへん気に入った。

このころから(「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」コンビの)マシュー・ヴォーンは、ガイ・リッチーを抜いちまった感じがあったね。

65

2021/06/15

ウルヴァリン:SAMURAI

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THE WOLVERINE
2013年(日本公開:2013年09月)
ジェームズ・マンゴールド ヒュー・ジャックマン 真田広之 岡本タオ 福島リラ ハル・ヤマノウチ ウィル・ユン・リー ブライアン・ティー スヴェトラーナ・ホドチェンコワ ケン・ヤマムラ ファムケ・ヤンセン イアン・マッケラン パトリック・スチュワート

シリーズ番外編の第2弾。「ファイナル ディシジョン」で、ダーク・フェニックスに化けたジーンを殺してしまったが故に傷心の放浪生活に戻ったウルヴァリンが、太平洋戦争中に長崎の原爆から命を救った男(矢志田)に会うため日本へやってくる。
この日本人、忍者の家系に生まれ、戦後は巨大企業の社長に出世し、裏では財務大臣を操るヤクザの大親分であったが、余命乏しく、病床でウルヴァリンにナゾナゾな遺言を残して死ぬ。
その葬儀を黒装束の武装集団が襲撃し、男の孫娘を救出したウルヴァリンは、増上寺からパチンコ屋経由で上野駅まで走って逃げ、そこから東北新幹線に乗り、追ってきたヤクザと格闘し、途中下車してラブホテルに泊まり、路線バスで長崎へと移動する。

ウルヴァリン:SAMURAI

ハリウッド映画らしい突っ込みどころ満載のニッポンに苦笑い。

じいちゃんと息子(真田広之)と孫娘(岡本タオ)が殺し合う複雑な理由も、結局は死んだはずのじいちゃんがウルヴァリンの不老不死の超能力を欲しがってただけで、なんでいろいろ手間かけた罠を仕掛けなけりゃならんのか。そもそも、ウルヴァリンの治癒能力って、輸血するみたいにチューって吸い取って自分の身体に注入できるものなの?

状況設定もヘンテコ、ストーリーもヘンテコ。

ラストに(次回作の宣伝で)粉になって死んだはずのプロフェッサーと、超能力を失ってヨボヨボになってたマグニートーも登場するオマケ付き。
この二人が普通に現れるってことは、ダークフェニックスの事件はなかったってことだろ? じゃあ、ウルヴァリンに添い寝していたジーンの幻ってなんなのよ?

ウルヴァリン:SAMURAI

新登場のミュータント、ユキオを演じた福島リラのへちゃ顔がちょいと可愛い。
真田広之と(スタントだろうけど)堂々と殺陣を演って健気だ。

60

2021/06/16

X-MEN:フューチャー&パスト

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X-MEN: DAYS OF FUTURE PAST
2014年(日本公開:2014年05月)
ブライアン・シンガー ヒュー・ジャックマン ジェームズ・マカヴォイ マイケル・ファスベンダー ジェニファー・ローレンス ハル・ベリー ニコラス・ホルト エレン・ペイジ ピーター・ディンクレイジ オマール・シー エヴァン・ピーターズ ダニエル・クドモア ファン・ビンビン エイダン・カント ブーブー・スチュワート イアン・マッケラン パトリック・スチュワート ルーカス・ティル ジョシュ・ヘルマン エヴァン・ジョニカイト マーク・カマチョ アンナ・パキン ファムケ・ヤンセン ジェームズ・マースデン ケルシー・グラマー

リブートだかリスタートだか、「ファースト・ジェネレーション」の続きのようで、実はそうでないような。シリーズの時系列を故意に混乱させた、よくわからないストーリー。

未来社会ではミュータント撲滅作戦が遂行され、暗黒の時代をむかえている。マグニートーとプロフェッサーが共闘を組んだX-MEN一派も風前の灯火状態。その発端となったのが、1973年に捕らえられたミスティークがミュータント細胞を採取されたのが原因とわかり、それを阻止するため、ウルヴァリンが過去の世界に送り込まれるという。「ターミネーター」風タイムトラベル・アドベンチャー。

スピンオフの「ウルヴァリン」シリーズが始まってからは、なんでもアリな展開で、旧三部作の世界はパラレルワールドになっちまったか。
1973年のウルヴァリンは、まだストライカーに合金改造される前なので、不死身ではあるけど、アダマンチウムの骨格は持っていない。

強いのはやはりマグニートー。今回は(あまり意味ある行動ではないけど)野球スタジアムまるごと引き千切って空輸させている。

X-MEN:フューチャー&パスト

ヒッピー風に髪をのばしたプロフェッサー。

X-MEN:フューチャー&パスト

大統領役はニクソンそっくり。側近にキッシンジャーのそっくりさんもいた。

X-MEN:フューチャー&パスト

70年代のアメリカ風景を知っていると、細部の遊びが面白い。

60

2021/06/16

LOGAN/ローガン

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LOGAN
2017年(日本公開:2017年06月)
ジェームズ・マンゴールド ヒュー・ジャックマン パトリック・スチュワート リチャード・E・グラント ボイド・ホルブルック スティーヴン・マーチャント ダフネ・キーン エリザベス・ロドリゲス エリック・ラ・サール エリゼ・ニール クインシー・ファウス デイヴ・デイヴィス レニー・ロフティン ジェームズ・ハンディ レイ・ガジェゴス

「X-MEN」シリーズの真の最終章となる、ウルヴァリンの最期(プロフェッサーの最期)が描かれている、2017年公開作品。今回「X-MEN」をあらためて最初っから見直したのは、この1作を見るためだったと言っても過言ではない。
シリーズ最終章にして最高作。

ローガン(ウルヴァリン)はタイトルどおり、老眼鏡をかけている。

LOGAN/ローガン

映画は序盤でプロフェッサーが抱いていた理想の敗北を、遠慮なく冷徹に提示する。アルツハイマーを患ったプロフェッサーを知ってしまった今、やっぱり人類とミュータントとの共存は絶対ムリ。見つけ次第隔離して撲滅しろと唱えていた人間(悪役)たちの考えは大正解。あの強烈パワーの超能力を自制できなくなったら、これは驚異そのもの。巨大なタンクに閉じ込め、薬物で抑えておいても安心できない。怖い怖い。

「X-MEN」シリーズの成功は、ワイヤースタントとCGアクションもさることながら、キャラクター(俳優の演技)の魅力も大きい。特に本作は役者の存在が突出している。17年間同じ役を演り続けていた、ウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)とプロフェッサー(パトリック・スチュワート)の老い衰えた姿が素晴らしいのは当然として、ウルヴァリンの後継となる少女を演じたダフネ・キーンが、とても良い。誰かが「炎の少女チャーリー」(ドリュー・バリモア)と「キック・アス」(クロエ・グレース・モレッツ)を足した感じと言っていたが、ちょっと違う。いや全然違う。
「レオン」のナタリー・ポートマン? それも違う。

LOGAN/ローガン

敵役を演じた高性能義手のボイド・ホルブルックも、なかなかいい。仕事とか正義とか関係なく、戦うこと、それだけが好きなプロフェッショナルを格好良く気持ちよく演じている。アクション映画に欠かせないのは、こんな魅力的な敵役だ。これから(似たような役柄の)アクション映画の出演依頼が多くなるんじゃなかろうか。
もうひとりの敵役(ミュータント実験やってる博士)は、クリストファー・ウォーケンにちょいと似た感じのリチャード・E・グラント。「ザ・プレイヤー」「プレタポルテ」「ゴスフォード・パーク」とアルトマン映画の常連俳優だが、まったく記憶に残ってない(3本ともにメチャ登場人物が多い映画だものね)。

いろいろ痛々しい映画。超能力が衰えて弱っちくなってるウルヴァリン、ボケボケヨボヨボのプロフェッサー。(ミュータントとはいえ)子どもが大人に暴力を受ける場面は(映画は作り物と判っていても)見ていてほんと痛ましい。

ローガンたちの逃避行でカジノのホテルに泊まったとき、いきなりジャック・パランスが登場。部屋のテレビに映っていたのは「シェーン」。ストーリー原案も監督のジェームズ・マンゴールドが書いているから、ウルヴァリンの最期にシェーンをダブらせるアイデアはマンゴールドの発案なんだろう。どっちかと言うと陰鬱なムードから「シェーン」を下敷きにしたイーストウッドの西部劇(「ペイルライダー」や「許されざる者」)に近い。子どもとアウトサイダーの逃避行を描いたロードムービーという展開からは、イーストウッドの「パーフェクト・ワールド」も連想される。
さらに、過剰な暴力描写やメキシコ国境が舞台といったところから、おれの目には、西部劇の終焉に執着していたサム・ペキンパーを、21世紀のスタイルで仕立て直した映画に見えた。

中盤、知り合う牧場一家との交流は、「シェーン」に引っ張られすぎて無理やり挿入してしまった感じ。

墓標の十字架を斜めに直して「X」にするラストは、涙出そうになっちゃったよ。

LOGAN/ローガン

若い人造ウルヴァリンX-24(ヒュー・ジャックマン二役)との戦いは、シリーズ初期3部作のヒュー・ジャックマンを想起し、17年の歳月を否が応にも感じさせる。(シリーズ1作目から17年間シリーズを追ってきた人限定かもだが)理性ではなく感情で見る映画だ。アメコミ原作の娯楽アクションに似合わないヒューマニズムに、心が刺激される味わい深い逸品。

70

2021/06/19

デッドプール

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DEADPOOL
2016年(日本公開:2016年06月)
ティム・ミラー ライアン・レイノルズ モリーナ・バッカリン エド・スクライン T・J・ミラー ジーナ・カラーノ ブリアナ・ヒルデブランド レスリー・アガムズ カラン・ソーニ ジェド・リース スタン・リー カイル・キャシー ランダル・リーダー ヒュー・スコット テイラー・ヒックソン

「X-MEN」シリーズ番外編。くだらないシモネタとセルフ・パロディと超弩級過激アクション満載。けっこうな製作費をかけているだろうに、とことんB級テイストな娯楽大作。メチャクチャ面白い。

「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」で悪役だった、スーパーではあるがヒーローではないデッドプール。ミュータントに改造された彼と同居している盲目の黒人女性(レスリー・アガムズ)とか、インド人のタクシー運転手(カラン・ソーニ)とか、ストーリーに絡まない脇役も面白い。いちおうラブ・ストーリー。

デッドプール

65

2021/06/19

デッドプール2

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DEADPOOL 2
2018年(日本公開:2018年06月)
デヴィッド・リーチ ライアン・レイノルズ ジョシュ・ブローリン モリーナ・バッカリン ジュリアン・デニソン ザジー・ビーツ T・J・ミラー レスリー・アガムズ ブリアナ・ヒルデブランド カラン・ソーニ ジャック・ケシー 忽那汐里 エディ・マーサン ロブ・ディレイニー ルイス・タン ビル・スカルスガルド テリー・クルーズ ブラッド・ピット ディッキー・グリーンリーフ アラン・テュディックランダル・リーダー

「X-MEN」シリーズ番外編第2弾。くだらないシモネタとセルフ・パロディと超弩級過激アクション満載。けっこうな製作費をかけているだろうに、とことんB級テイストな娯楽大作。サイコーに面白い。

ミュータント差別と偏見を織り込んで前作よりも「X-MEN」らしいストーリーに、「ターミネーター」のパロディ(未来から来た暗殺者ネタ)をかぶせている。

「15歳未満の方はご覧になれません」そうだが、お子様向けに再編集した「デッドプール2のおとぎばなし」がビデオで出ている。いちおうファミリー映画。

デッドプール2

65

映画採点基準

80点 オールタイムベストテン候補(2本)
75点 年間ベストワン候補(16本)
70点 年間ベストテン候補(76本)
65点 上出来・個人的嗜好(72本)
60点 水準作(71本)
55点以下 このサイトでは扱いません

個人の備忘録としての感想メモ&採点
オススメ度ではありません