エンニオ・モリコーネのヘンテコ音楽
May 25, 2003
TOMさんが運営されているサイト(オオサカ・ムービー・ドット・トム)の掲示板にエンニオ・モリコーネの事を書いていたら、モーレツに聴きたくなって……朝からもう12時間以上、CDを聴き続けています。
モリコーネは取り憑いちゃうから怖いんだよね〜。
5年くらい前、モリコーネばっかり聴いていたらビョーキになっちゃったもんなぁ。ヤバイよ〜。他の音楽がぜんぜん普通、まとも過ぎて詰まらなくなってしまう、聴く気が起こらなくなっちまうの。
モリコーネを聴いていると、つくづく映画音楽って録音されるために作られる音楽なんだな、って実感しますね。
佐藤勝さんも生前、なんかのインタビュー番組で「バックのオーケストラがフォルテシモで演奏している前で、フルートがソロをとるなんてこと、コンサートじゃ無理だけど、映画音楽ならそれが出来る」って仰ってましたけど、モリコーネって、マルチ録音だから実現できる音楽を、ひたすら追求した作曲家なんですよね。
モリコーネも今年、来日してコンサートをやるなんて事が言われてますけど、レコード(CD)で聴くような面白味には欠けるんじゃないでしょうかね。まぁ、演奏会向けのプログラムが組まれて無難なコンサートに終始するんではないでしょうか。
『ニュー・シネマ・パラダイス』以降のファンには、ま、それなりに。それ以前のファンには味気なく。『武蔵』関連のお客さんは……たぶん『武蔵』のテーマとか組曲とか用意されるから、テレビと同じ曲を実演で聴けて満足されることでしょう。
斯くて、「ブームは個性を駆逐する」という俺の理論がまた一つ実証されることになるわけだ。
それにしても、よくまぁこれだけのヘンテコ音楽を作ったものだよなぁ。
鞭とか、変な声とか、普通なら冗談にしかならないよ。
それに輪をかけてヘンテコなのが……
ジョン・ゾーンのモリコーネ・カバー演奏盤『THE BIG GUNDOWN 』。
『夕陽のギャングたち』なんか尺八と三味線ですよ。
メキシコ革命を舞台にしたマカロニ・ウェスタンの音楽を、尺八と三味線で演奏するなんてこと、遊びで思いつくだけならまだしも、実際に録音してCD化しちまう奴って、そうザラにはいないっす。
このCD、再リリースの際に5〜6曲追加されたってことだけど、買い換えちゃおうかな〜。
いかんいかん、こんなゲテモノにうつつを抜かしていたら、人間がダメになっちまう。
気分一新、本家の『夕陽のギャングたち』を聴こう。
しょんしょんしょん、しょんしょんしょん……アーア〜、ってエッダのヴォーカルが、もう、辛抱タマラン! こりゃ天国の音楽だよぅ〜。
しかし…… 潰れたガマガエルの声に哀愁を感じるようになったら、もう立派なビョーキだよなぁ。